新しいインフルエンザ治療薬「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2681.html" target="_blank" title="ゾフルーザ">ゾフルーザ</a>」の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2670.html" target="_blank" title="耐性変異ウイルス">耐性変異ウイルス</a>の出現が、思いのほか大問題になっています。
なにしろ、ゾフルーザに耐性を持つウイルスが、この薬を服用していない患者から検出されたからです。
つまりこれは、耐性変異ウイルスがヒトからヒトへ感染したことを意味します。
耐性が出やすいことは発売前からわかってはいたのですが、半年前ごろの私は次のように理解していました。
(1)成人の場合、耐性ウイルス出現率は9%程度であり、それほど多くはない
(2)耐性ウイルスが出現したとしても、熱がやや遷延する程度だろう
(3)その耐性ウイルスは、他人に感染するとは言われていない
今シーズン中は、おもに成人患者に対して、しかもゾフルーザを希望する方にのみ、私は処方してきました。
感覚的には、わりとよく効いたと思いますが、たしかに一部の方は、やや治りが悪い印象でした。
ただしそれが、耐性ウイルスの出現によるものかどうかは不明です。
昨年までよく使われていた(私も使っている)イナビルだって、似たような経過をとることがありますから。
しかし、ここまで耐性変異ウイルスが出やすく、しかも感染力があるとなれば、話は別です。
当院では、いまでも毎日2,3人ほど、新たなインフルエンザ(全てA型)患者を診断しています。
今回の耐性ウイルス問題を受けて、今後しばらく私はゾフルーザを処方することはないでしょう。
とか言いながら、万一自分がインフルエンザに罹ったら、さて、どの薬で治療しましょうかね。
「ゾフルーザとタミフルの同時投与」なんて、実はちょっと魅力的なんですけどね(内服は自己責任で)。