ちょうど40年前の今頃、大学入試で無事合格し、その発表の翌日、下宿探しに出かけたことを思い出します。
用事で同級生に電話したら、彼は不合格でした。その日は予備校に入校手続きに行くと言っていました。
長い目で見たら、浪人経験など人生の一コマかもしれませんが、不合格を知ったときの落胆はいかばかりか。
しかしそれは、現役合格した私が獲得しそこねた貴重な経験なのかもしれないと、この年になって思います。
入学試験とその合否は、受験生の人生に極めて大きな影響を及ぼす分岐点になります。
なので入試の出題ミスや採点ミスなどの報道を見るたびに、もっとしっかりやらんかいと、いつも思います。
裏口入学はまた次元の違う話ですが、合否に影響するような大学側の不注意や怠慢には、強い憤りを感じます。
福井大学が医学部の入試で、2度にわたってミスをした件が報じられています。
先月の試験では、問題を修正した出題者が採点用の正解表の修正を忘れ、採点ミスが起きました。
合格発表の翌日に、出題者が正解表を見直してミスに気づいたとのこと。おいおい、もっと早く見直せよ。
受験生は、名前や受験番号や解答の記載については、試験終了前に何度も何度も見直すというのに。
同じく福井大で昨年実施した医学部の編入試験では、前年度とまったく同じ問題を出題したという異常事態。
一字一句違わない問題だったといいますから、ミスならば大失態、手抜きとすればかなり大胆ですね。
前年度分が「良問」だったからそのまま出題した、という出題者側の間抜けな説明にはあきれます。
別の良問を考えつかなかった無能ぶりをさらけ出していることに、気づかないのでしょうか。
必死の思いで入試に臨む若い受験生たちの努力を、大人の不注意や手抜きで台無しにしてどうしますか。