厚労省の審議会が今夜、免疫細胞を活用して白血病を治療する新薬「キムリア」の製造販売承認を決めました。
一部の白血病に高い治療効果があることがわかっていて、日本での承認が待ち望まれている薬のひとつでした。
ただし、すでに実用化されている米国では、投与1回あたり約5,200万円の超高額薬として知られています。
早ければ来月にも正式承認される見通しのキムリアは、はたしてどのような薬価になるのでしょう。
「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1828.html" target="_blank" title="オプジーボ">オプジーボ</a>」のときにも書いたように、超高額医薬品の導入には難しい問題があります。
・保険適用とすれば、高額療養費制度によって患者負担には上限があるため、医療財政が破綻しかねない
・自由診療とすれば、大金持ちしか使えない薬になってしまう
・薬価を下げれば、製薬会社に打撃が大きく、新薬開発のモチベーションを失いかねない
一般に、この3つを同時に解決するのは難しいとメディアは解説してますが、私は策があると思います。
それは、保険診療と自由診療の選択制度です。それぞれに割り当てる薬剤数を調整すればいいのです。
・保険診療を望む方には、ある程度「順番待ち」をしていただき、また高額療養制度の上限も少し引き上げる
・自由診療を望む方には、順番待ちに優先権を与えるかわりに、本来の薬価よりも割増料金とする
・薬価の決定基準を見直し、メーカーが許容できる範囲で薬価を引き下げる
つまり、一般患者とお金持ちとメーカーとの間の「三方一両損」で解決しようという「大岡裁き」です。
医療財政も大事ですが、お金のことは官僚や政治家がなんとか策を考えてください。
それよりも、新薬開発のやる気をそいではなりません。将来を考えたら、医学の進歩を妨げるのが最悪です。