「森羅万象担当大臣」といえば、安倍首相のこと。年末なら、流行語大賞に滑り込めたネーミングですね。
毎月勤労統計不正問題で、特別監察委員会の報告書を読んでない安倍首相の、次のような答弁が話題です。
「総理なので森羅万象すべて担当している」「さまざまな報告書すべて精読する時間はとてもない」
森羅万象を担当しているので忙しくて、細部にまでは目が行かないという、やや矛盾した趣旨の発言でした。
宇宙に存在する細部まで全てを含めて森羅万象というはずなのに、やや手抜きの担当大臣のようです。
まあ、比喩的に用いた言い訳言葉なので、どうでもいいと言えばどうでもいい話ではあります。
総理大臣は仕事の範囲が広すぎて、細かいことをいちいち聞かれても答えられんわい、ということでしょう。
安倍首相だけでなく、歴代の首相が何人も、自分が森羅万象を担当している旨を公言しているようですね。
日本の総理大臣というのは皆さん、そのような自覚をお持ちだったのでしょう。
ところで「森羅万象」と聞くと私は、学会発表用のスライド作りで苦労した90年代後半を思い出します。
原稿を撮影したフィルムを写真店に出す時間がない時、病院内の設備を使って自分で現像していました。
その際に、いつも使っていたのが「コニカクローム・森羅(しんら)」という、リバーサルフィルムでした。
「森羅現像」が「森羅万象」に似てるなあ、と思いながら、夜中に1人で現像していたのを思い出します。