今年も愚問の世界史B

センター試験が終わると、いつものように私が話題にするのは「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2294.html" target="_blank" title="世界史B">世界史B</a>」ということになります。

冒頭に7,8行の文章が提示され、そのあちこちに下線が引いてあり、関連する設問が続くという出題形式です。

バッカじゃないの?と思うようなその出題にはツッコまずにはいられないので、今年もまた書いてしまいます。

今年の世界史Bの冒頭を飾る、第1問のAの文章はこうです。

「ロンドンのウェストミンスターには、国会議事堂を初めとする歴史的建造物があり、それらは・・・(略)」

問1として、「下線部①について述べた文として正しいものを、次の1〜4のうちから一つ選べ」とあります。

ここでその「下線」が、「ウェストミンスター」に引いてあるのなら、関連性のある設問と言えるでしょう。

それが「ロンドン」や、百歩譲って「国会議事堂」に引いてあっても、まあ許しますよ。

しかし実際には、「歴史的建造物」に引いてある。何それ。単なる一般名詞じゃん。

そして案の定、続く4つの選択肢はすべて、ウェストミンスターにはまったく無関係の歴史的建造物の話。

引き続く問2や問3に関連する下線部②と③も、それぞれ「反乱」と「17世紀」です。

ウェストミンスターについて書かれた文章は結局、一般名詞を提示させる役割しかないのです。

単なる正誤問題を、いかにも深みのある文章問題のように見せようとする浅はかさが、今年も丸見えです。

知識を正確に評価するための試験であるのなら、余計な修飾はせず、堂々とストレートに問えば良いのに。

受験生にムダなエネルギーを使わせるのは、そろそろやめましょうよ。

栓の閉め忘れ

綾瀬市の小学校で、プールの栓を閉め忘れたために水が流出し、水道代を109万円ほど損したというニュース。

担当職員ら7人が、損害の半額を賠償するとか。不注意が原因で、とんだ出費になりました。

でも許してあげましょうよ、悪気はなかったんだし。故意に統計をごまかした役人よりは、よっぽどマシです。

わが家でも時々、風呂の栓を閉め忘れたままお湯張りが行われ、入浴する段になって驚くことがあります。

裸になって浴室に入り、いざ風呂のフタを開けてみたら、お湯ゼロ。浴槽の底が露出してる。愕然。

「フタを開けてみたら」というフレーズは、こういう時に使うのかもしれません。

夏ならそのままシャワーで我慢することもできますが、冬だと厳しいことになります。

冬の入浴は、脱衣場が寒く、浴室がなお寒く、熱い湯船に浸かってようやく生きた心地がするというもの。

その期待の湯船が空っぽであると知った時の、その絶望感たるや、筆舌に尽くしがたいものがあります。

とりあえず服を着ます。まずは、さっき脱いだばかりの生温かい下着をつけるのが正しい選択です。

それからリビングに戻り、家人に事実関係を報告するとともに遺憾の意を表明し、再発防止を申し入れます。

家人からも、遺憾の意が表明されるとともに今後善処する旨が述べられ、本件は一応の落着を見ます。

まあそんなことよりも、厚労省の「毎月勤労統計」不正はひどい話ですね。

雇用保険の失業給付等の不足分以外に、それを返金するための事務費として195億円ほど必要とのこと。

納得できません。厚労省の不正行為の尻ぬぐいの経費を、どうして国民が負担しなければならないのでしょう。

この195億円については、不正に荷担した役人ら個人に負担していただくのがスジです。

乗務前24時間禁酒

ANAもJALも、申し合わせたように機長や乗務員の飲酒問題が巻き起こっています。

たぶん、いまに始まったことではなく、諸事情から飲酒の事実が表に出やすくなっただけだと思います。

ANAは機長を厳しく処分したのみならず、「乗務前24時間禁酒」を決めました。なかなか厳しい規定です。

当面の間の暫定措置のようですが、今後また違反者が出たりすれば、この規定は際限なく続くかもしれません。

しかし、パイロットにだけ厳しくして、他の乗り物の運転士なら緩くてもいい、という理屈はありません。

列車やバスだって、多数の死傷者を出した大事故が、過去に起きています。

タクシーが事故を起こした場合にも、被害者の人数は少ないとしても、悲劇は起き得ます。

予測される被害の大小によって、操縦・運転に従事する者の飲酒規定を変えるのは、合理的ではありません。

でもそうならば、列車やバスの運転士もタクシーの運転手も、仕事前24時間は禁酒すべきなのでしょうか。

そんな規則になったら、飲酒は事実上不可能になってしまいます。つまり24時間は、やりすぎってことです。

外科医も人の命を預かる仕事をしていますが、手術の24時間前から禁酒といわれると、かなり閉口します。

ほぼ毎日、または2日に1回程度手術をしている外科医は、飲酒できるのが週末だけになります。

いや、緊急手術の可能性まで考慮したら、ずっと飲めませんね。これはストレスであり人権侵害です。

今回のANAの「乗務前24時間禁酒」措置は、国交省へのアピールもあるのでしょうけど、過剰反応ですね。

それがパイロットたちのストレスを高めて操縦に悪影響を及ぼさないか、むしろそっちが心配になります。

インフルいきなり警報

熊本市のインフルエンザは、先週時点ですでに警報レベルに達しています。この2週で急な伸びです。

12月から流行が始まった昨シーズンを除けば、1月第2週からの警報到達は平均的な流行よりも早い方です。

どうしてこのような、インフルエンザ流行真っただ中にセンター試験をぶつけるのか、毎年疑問に思います。

それはともかく、今日気になるのは麻疹(はしか)の流行(の恐れ)でしょうか。

麻疹を発症した10代の男性が、京セラドームで開催されたAKB48の握手会などに参加していた件です。

1月5日に発症(咳、鼻水)、6日に握手会、8日に発熱・発疹、10日に麻疹と診断されたようです。

まず疑問は、どこで感染し、なぜ感染したのか、ということです。

なにしろ10代といえば、麻疹/風疹混合(MR)ワクチンの定期接種を、2度受けているはずの年齢だからです。

大阪市や三重県のサイトによると、津市内の「民間団体」施設内の研修会で、この男性は感染したようです。

研修会参加者49人のうち29人が感染しており、しかもほとんどの方に予防接種歴がないとのこと。

不思議なことに、NHKも他の主要メディアも、私が調べた限りではこの民間団体の詳細を報じていません。

信頼性には欠けますがネットでは、この民間団体とは某宗教団体だという話も出ていますが、真偽は不明です。

まさか、ワクチンではなく麻疹に罹って免疫をつけようという考えの「麻疹パーティー」じゃないでしょうね。

(この件では、これ以上の未確認情報は書かないでおきます)

ワクチン先進国の米国でも、局地的に麻疹が流行する話は、いまでもよく聞きます。

流行国からの持ち帰りが原因とされますが、流行の背景には「反ワクチン」を掲げる団体の存在があります。

いくら医学が進歩しても、その最新医学に懐疑的な人はいます。メディアの情報に惑わされている方もいます。

インフルエンザに罹患しても、お子さんへのタミフル処方を絶対拒否する親御さんに、たまに出会います。

説明は尽くすのですが最終的に、治療薬も予防薬も信頼関係の下にしか処方することができません。

定時に終われない

当ブログで何度も紹介してきたように、当院の診療は、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1845.html" target="_blank" title="ネットと電話">ネットと電話</a>で予約を受け付けています。

朝8時からネット予約(アイチケット)受付を開始し、電話予約の受付は8時半から始めています。

電話は2回線しかありません。なので、つながるタイミングには運不運があり、ご迷惑をおかけしています。

ネット予約なら、操作完了順に確実に受付されるので公平ですが、ネット操作が苦手な人には不利です。

8時過ぎにはネット予約枠がすべて埋まりますが、8時半からの電話予約用の枠は別にとっておきます。

ネットと電話の予約枠数の比率は、季節や曜日等によって、ある程度設定を調整しています。

通常は、そのようにネットと電話の対応だけを考えておけば、大まかに予約はさばけるのです。

ところがこの時期、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2659.html" target="_blank" title="予約なし">予約なし</a>で来院される方が多く、予約枠にはある程度余裕が必要になります。

予約の無い方の診療時間を確保するために、あらかじめネットや電話の予約枠に隙間を空けておくわけです。

これを「空番(からばん)」とよんでいます。

インフルエンザの流行期には、予約なしの方の来院がとくに増え、少々空番を増やしても間に合いません。

今日も空番を多数準備して、定時(午後7時)診療終了を目指したのですが、そんなに上手くはいきません。

予約の無い方でもむげには断れない私の性格上、この時期の診療終了時間は結局、大幅に遅れてしまうのです。

このインフルエンザ繁忙期に、どうやったら定時に終われるんでしょう。私にはいまだに、難題です。

むせて交通事故

高齢者ドライバーによる交通事故が、また起きました。79歳の男性が歩道に突っ込んで、5人はねた事故です。

これまでに問題視されてきた高齢者ドライバーの事故は、おもに高齢者の「認知機能」の低下が原因でした。

道交法が約2年前に改正され、75歳以上の高齢者には「認知機能検査」が義務づけられました。

「認知症のおそれあり」と判定され、医師が認知症と診断した場合、免許は取り消されます。

「認知機能低下のおそれあり」という判定の場合には、「高齢者講習」が義務づけられています。

認知機能は正常でそれなりの状況判断はできたとしても、からだがついていかないケースも多いでしょう。

アクセルとブレーキを踏み間違えることなど、「反射神経」や「運動機能」の低下による事故も多いはずです。

しかし今回の事故は、認知機能でもなければ運動機能でもない、いうなれば「嚥下機能」の低下が原因でした。

運転中にペットボトルのお茶を飲んだらむせて、その反動でアクセルを踏み込んでしまったらしいからです。

実は私も、ときどきむせます。食事中に激しくむせ返して、しばらく呼吸困難になったりします。

某中華料理店内でむせて、顔を真っ赤にして麻婆豆腐を吐き散らし、恥をかいたこともあります。

なので今回の男性には同情します。私だって、同じ状況だったらまともな運転はできないでしょう。

そのように考えると、揺れる車内で運転しながらお茶を飲むこと自体が、危険な行為と言えます。

私も以前は、高速道路運転中に缶コーヒーを飲んだことがありますが、これはいけませんね。やめましょう。

ただ私の場合、なんの脈絡もなく唾液でむせることがあるので、これをどうしたものかと。

高速道路では煽らない

急用で久しぶりに高速道路(九州自動車道からの北九州高速道路)を運転したので、思ったことをいくつか。

まず、故障車がやたらに多かった。工事じゃないのでNEXCOの責任とは言えません。

普通乗用車ならまだしも、大型トラックの故障はいけませんね。路肩に停まっていても交通に支障を来します。

「烏賊」運搬専用車が大渋滞を引き起こしていました。「あおり」運転の被害車でしょうか。「イカ」だけに。

私は周囲の流れに乗って走る方なので、相対的にノロノロ運転している車には、少々イラつきます。

もちろん、その車に追いついたからと言って、まさか「あおる」なんてことはありませんよ。

適度な車間距離を保って走り、追越車線から走行車線へと移ってくれるのを待ちます(それって、あおり?)。

そのようなとき、先行車の反応は3パターン。

(1)あわてて車線をあける

(2)スピードアップする(たいていは、しばらく走った後に、車線を変える)

(3)そのまま走り続ける

このうち(1)と(2)の方に申し上げたいのですが、私は決して、あおったわけではありません。

「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2348.html" target="_blank" title="デイタイム・ランニング・ライト">デイタイム・ランニング・ライト</a>」を点灯させて走っているので、誤解を招きやすいのかもしれません。

問題は(3)です。今日もそんな車に出会いましたが、たぶんドライバーには2つのパターンがありますね。

(3a)後方をまったく見ていない(交通安全の観点から、危ない人)

(3b)故意に車線を塞いでいる(社会的観点から、危ない人)

いずれにせよ、そのような車とは、車間距離をあまり詰めないことです。

予約なし受診の問題

当院の診察は原則として予約制です。ネットと電話と窓口で、順番予約を受け付けています。

ただし医療の性質上、順番を絶対厳守することはできません。急性期医療に、完全予約制はなじまないのです。

重症の方は予約なしでも、なるべく優先して診察するようにしています。

もっとも、この時期は多くの方が「重症」です。たいていは高熱が出ています。

しかし高熱でも、当院かかりつけの方の多くは、ネットや電話で予約をした上で順番を待って来院されます。

一方で、日ごろあまり来院されない方や当院がまったく初診の方は、しばしば予約なしで突然現れます。

とくに日曜や祝日は、予約なしの方が朝いちばんから、列をなして窓口に詰めかけて来られます。今朝もそう。

予約なしで窓口に来た高熱の人を、あまり長時間待たせることはできません。早めに診察することになります。

しかしそうするとその分、予約して順番を待っている方の診療が、さらに遅れてしまいます。

窓口に来た38度の大人の方を優先したために、予約済の40度の幼児の順番が遅れることもあるのです。

予約しなくても窓口に直行すればすぐ診てもらえる、という気持ちで安易に大勢の方が来られるのは困ります。

そのようなことを認めていたら、みんな予約せずに直接来院するようになります。予約制度が崩壊します。

かといって、予約なしですでに来院された方に「予約がない方は診察できません」とも言えません。

窓口でのトラブルは避けつつ、予約済の方が不利にならないようにもしたい。これはなかなか難しいものです。

インフル大爆発

たぶん「警報レベル」に達したな、と実感するような、今日は「インフルエンザ大爆発」な日でした。

この3連休を診療している当院には、もう、診療予約が殺到して大わらわです。ほぼほぼキャパ一杯です。

夕方17時までの診療を標榜していますが、朝9時前にはすでに、17時までの予約枠が埋まってしまいました。

さらに昼頃には18時台までの予約が入り、もはや午後の予約がほとんど受けられない状況になりました。

14時過ぎに、ネット予約サイト「アイチケット」のトップページに、次のようなメッセージを掲示しました。

「今日は診療予約がとても多く、夜まで予約がいっぱいです。

 アイチケットによる予約受付は、終了しています。

 早々と受付を終了することで、皆様にはご迷惑をおかけ致します。

 まことに申し訳ありませんが、どうぞご了承ください。

 なお、とくに具合の悪い方は、電話でご相談ください。」

そのように書いておきながら、電話での予約の多くを、実はお断りせざるを得ませんでした。

高熱の方などは、私が直接電話で病状を聞いた上で、来院してもらう必要があるかどうか判断しました。

明日は祝日なので今日のうちに受診したい気持ちはわかりますが、大丈夫。うちは明日もやってますから。

とは言いながらも、ヤマ場は明日ですね。日曜よりも祝日の方が混み合うことは、経験済みです。

明日の朝9時の時点で19時ごろまで予約が埋まるようなことになったら、いったいどうしましょうかね。

高齢者ワクチン延長へ

高齢者の肺炎予防のための、「肺炎球菌ワクチン」の定期接種の経過措置が、延長されることが決まりました。

本来は65歳が接種対象ですが、これまで経過措置として、5の倍数の年齢の高齢者に接種が行われてきました。

経過措置期間の5年間(実際には4年半)で、65歳以上の全員に、1度ずつ接種の機会が与えられた格好です。

ところが接種率は40%程度と低迷しています。

その原因は周知不足だけでなく、対象や接種回数がわかりにくいことや、接種が有料ということもあるしょう。

そこで、経過措置を5年間延長し、高齢者にもう一度接種の機会を与えようというというわけです。

そのこと自体は、よい考えです。当然、延長すべきでしょう。しかし問題は、そのやり方です。

厚労省の方針案では、これまでの経過措置と同様に、5の倍数の年齢の高齢者が接種対象となるようです。

でも「年度区切り」がわかりにくいし、もはや5の倍数の年齢に限定する意味って、ないんじゃないの?

これまでの経過措置で接種した方は対象から除外されるので、未接種の方は高齢者の約6割です。

そのうちの一部の方が接種するわけですから、ワクチン不足を懸念するほど殺到するとは思えません。

もはや、経過措置の対象年齢はシンプルに、「65歳以上全員 (-`ω´-)キッパリ 」、でいいじゃないですか。

5の倍数の年齢という対象設定を、「5年ごとに接種ができる年齢になる」と誤解してる方は何人もいました。

「一生に1回しか接種できませんよ」と私が言えば、「では私は5年後に接種します」と応じる人もいました。

そのような方々に私は、「経過措置は今回限り。次の機会はありません」と説明して、接種を促してきました。

対象年齢を過ぎてしまって定期接種を逃した方には、ワクチンの任意接種をお勧めしたことさえあります。

まことに申し訳ありませんが、私はウソをついていました。あと一巡(たぶん)、接種機会が回ってきます。