ゾフルーザ耐性出現

インフルエンザが全国的に大流行しています。

今年第3週(1/14-20)の定点当たり報告数は、全国の45都府県で第2週よりも増加していたようです。

増加が45都府県ということは、例外的に減少していたところが2つあるわけで、それが北海道と熊本県でした。

とはいえ、熊本県の報告数56.3は、前の週の58.8からの減少幅も小さく、まだ全国第16位の流行レベルです。

そのインフル治療薬としていま話題の「ゾフルーザ」ですが、耐性ウイルスが検出されたと報告されました。

A/H3N2亜型(いわゆるA香港型)の、解析した21株のうち2株に耐性変異を認めたので、その率は9.5%。

その21株の中に、タミフルなど従来の抗インフルエンザ薬の耐性株は無かったとのこと。

通常であれば、21例中の2例などという数値は、私なら模様眺めで済ませるような統計学的データです。

しかし、ゾフルーザに耐性ウイルスが生じやすいことは、臨床試験の段階からわかっていたことでした。

そして試験での耐性変異率は、370例中の36例(9.7%)でした。これが今回の9.5%と妙に符合するのです。

となると気になるのは、12歳未満に限ると、臨床試験での耐性ウイルス検出率が23.4%だったという点です。

さらに、耐性ウイルスが出た場合は、無治療の場合よりもむしろ治りが悪かったという結果も出ています。

ゾフルーザを実際に使ってみて、とてもよく効いたケースが多いですが、それほどでもない場合もありました。

これまでメディアはゾフルーザを持ち上げる一方でしたが、そろそろ少し反省する時期かもしれませんね。

その点もしっかり報じていただければ、処方する側としても助かります。