羽田発福岡行きJAL335便が先週、「オーバーブッキング」が原因で欠航になってしまった件。
どの航空会社でも通常、ある程度のキャンセルを見込んで、座席数よりも多い予約をとっています。
最終的にいかに満席に近い状態で飛行機を飛ばせるかが、予約担当者の腕の見せ所と言えるでしょう。
どのぐらいオーバーブッキングさせるかは、路線や時間帯や曜日やシーズン等を考慮して決めるようです。
しかし思いのほかキャンセルが少なく、搭乗予定数が座席数よりも多いままだと、調整が必要になります。
予約客にあらかじめ連絡して、当該便とは別の便に振替えてもらうのが、まず最初の調整法でしょう。
しかし出発時刻が近づいてもまだ調整がつかないとき、別便に振替えても良い客の希望を募ることになります。
これがいわゆる「フレックストラベラー」。今回JALは、出発の45分前から募集を始めたようです。
「お一人様2万円、または1万5千マイル差し上げますので、搭乗を断念してもらえませんか」というもの。
ところがあいにく最終便だし、3連休前の福岡行きだし、応募者がなかなか集まらない。
ようやく目的の20名を達成できたのが20時20分。すぐに離陸できても20時30分。
福岡空港は、騒音問題のために着陸の「門限」が22時。結局、出発を断念することになったというわけです。
JALは乗客約400人全員に2万円とホテル代等を支払い、翌朝には臨時便を飛ばし、しかも信頼を失いました。
興味深くこのニュースを見ていたら、たまたま友人がこの件に巻き込まれたようで、とても身近に感じました。
最終便が欠航するというのはあまりにも影響が大きく、JALの営業手法や危機管理にも問題がありそうです。
今回の状況なら、1人10万円程度の破格の金額を提示して希望者を募るなどの、臨機応変な対応が必要でした。
フレックストラベラーを急募するなら、まず航空会社がフレキシブルにならなきゃ。