高齢者ワクチン継続へ

高齢者の「肺炎球菌ワクチン」の定期接種は、来年度も継続されることになりました。当然のことです。

65歳以上の、5の倍数の年齢の高齢者を対象とした経過措置は、今が5年目の最終年度です。

理論的には、これで全高齢者に接種機会を与えたことになる、というのが当初の厚労省のもくろみでした。

ところが実際には、接種率は40%程度でした。このままでは、66歳以上の方の接種率は、永久に40%です。

ワクチン不足を恐れるあまりに<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-46.html" target="_blank" title="接種対象を制限しすぎて失敗するという過ち">接種対象を制限しすぎて失敗するという過ち</a>を、厚労省は繰り返したのです。

もくろみの外れた厚労省は、このまま経過措置を終えて良いのか、再検討を始めています。

こうなることは、誰もが予想できていたことです。まず、経過措置のデザインが間違っていたのです。つまり、

(1)「5の倍数の年齢が対象」と聞いて、「5年後まで待って次の機会に接種しよう」と考える人もいた

(2)「接種機会は生涯一度だけ」と聞いてなおさら、「今ではなく5年後に接種しよう」と考えた

そのように誤解している方に、私は実際に何人も出会いました。とにかく、接種対象の規定がわかりにくい。

さらに、インフルエンザの定期接種の3倍以上もする、4600円の接種料金(熊本市の場合)も高いですね。

インフルエンザは毎年のこと、肺炎球菌ワクチンは1度っきりの接種とはいえ、負担感は大きいものです。

来年度以降どうするべきか、厚労省の審議会は年内に結論を出すとしていますが、気の利いた答えは出るのか。

公平のため、いまさら接種料金は変えられませんが、「満年齢で65歳以上全員」を対象とすべきでしょう。

60%の未接種者のうち何割の方が接種するかはわかりませんが、ワクチン不足になんか、なりゃしませんよ。