1歳以上のRSV検査

乳幼児の「RSウイルス (RSV) 感染症」が流行中です。先月下旬あたりから全国で急増中で、当院でも目立ちます。

高熱・ひどい咳・周囲でRSウイルス感染が流行中、と揃えば、疑いは濃厚です。

診察して喘鳴を聴取したら鼻腔のRSウイルス抗原検査を行い、それが陽性なら診断は確定です。

乳幼児がこれに感染すると症状が重く、しばしば喘息性気管支炎、場合により細気管支炎や肺炎になります。

RSウイルス感染症は繰り返し何度もかかる場合がありますが、2度目3度目となるほど、症状は軽くなります。

保育園・幼稚園等で流行しており、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2182.html" target="_blank" title="RSウイルスの検査を希望">RSウイルスの検査を希望</a>して来院する方も増えています。

園から調べるように言われた、と来院する方もいますが、医学的観点から必要性がなければ検査はしません。

この検査は、1歳以上のお子さんでは保険がききません。これがじつに微妙な問題をはらんでいるのです。

(1)0歳児の場合

検査に保険がききますが、3歳未満は包括診療(小児科外来診療料)なので、個別の検査料は算定しません。

どっちみち熊本市では、3歳未満は窓口負担ゼロです。

(2)1歳以上の場合

検査に保険がきかないので、自由診療(自費)となります。当然、保険診療と併用(混合診療)はできません。

お子さんの医療費は全部、自由診療の扱いとなります。自由診療なので、熊本市の助成対象にもなりません。

しかし実際には、通常の保険診療のみ行っています。検査は当院がサービスで行ったという形にするのです。

医学的に少しでも必要性があれば、1歳以上でも(サービスで)検査をしますが、必要性がなければしません。

ご納得いただけない方には、全額自費診療となる事情をご説明して、諦めていただくことも(稀に)あります。

RSウイルス感染かどうかを調べるよりも、その子の病状に応じた治療を行うことの方が、よほど大事です。

元「体育の日」

10月10日といえば、私などはどうしても「体育の日」のイメージです。

それは1月1日が元日であり、3月3日がひなまつり、5月5日がこどもの日であることと、ほぼ同レベルでした。

ところが2000年から、体育の日は10月第2月曜日という、まったく特別感のない日付の祝日になりました。

それが「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1469.html" target="_blank" title="ハッピーマンデー制度">ハッピーマンデー制度</a>」。現在、4つの国民の祝日に対して、この制度が適用されています。

年に何回か3連休を作って、国民には余暇を過ごしやすくしてもらおう、というのがこの制度の趣旨です。

たしかにそれは、暦通りに休みが取れる人には嬉しいかもしれませんが、休日に働いている人には逆効果です。

土日祝日診療(休診日は火金)の当院は、ハッピーマンデーのの3連休はいつも、アンハッピーな気分です。

当院に限らず、サービス業の事業所の多くの従業員が、ハッピーマンデーを苦々しく思っていることでしょう。

お役所や銀行は暦通りにまるっと休むので、サービスを享受する一般市民にとって、3連休は不便な期間です。

たいていの医療機関は日曜や祝日には休診するので(当院を除く)、連休は患者にとって不安な期間です。

そういった不便は、連休が長ければ長いほど増幅します。不安の強い患者さんは、ますます不安になります。

日頃は落ち着いているのに、土曜日になると具合が悪くなる、という方もよくいます。

新天皇が即位する来年の5月1日を祝日にして、大型連休を10連休にしようという驚くべき動きがあります。

その臨時の祝日に異論はありませんが、10連休にしてしまって市民サービスに混乱は起きないのでしょうか。

とくに休日診療体勢が不安ですね。当番医で足りるのか、救急病院の勤務医の先生方の体も心配です。

佐薬のもどかしさ

子どもに抗生剤を投与するときには、たいていは整腸剤を混ぜた形で処方します。

抗生剤を飲むことで下痢をする可能性があるので、その予防のために、最初から整腸剤を加えておくわけです。

副作用を防ぐために、あらかじめ胃薬や整腸剤を処方しておくことは、保険診療上も認められています。

このように同時投与しておく薬を「佐薬(さやく)」といいます。「佐」は「助ける」の意味です。

佐薬と似て非なるものに、ていうか私には厳密には区別がつきませんが、消炎鎮痛剤と胃薬の問題があります。

アスピリンとかロキソニンとかイブなどの薬を、非ステロイド消炎鎮痛剤(NSAIDs)といいます。

これらの薬は胃粘膜の血流を障害し、胃潰瘍を引き起こす場合があります。

なのですでに胃潰瘍がある方には、熱や頭痛があっても、NSAIDsを処方できないキマリ(禁忌)です。

NSAIDsを飲み過ぎてひとたび胃潰瘍になった方は、胃潰瘍が治るまでは頭痛薬の処方はストップです。

いやいや、NSAIDsと一緒に胃潰瘍の薬を飲めばいいんじゃないの、って思いますよね。

私もそう思いますが、ダメなんです。いったんNSAIDsを中止して、胃潰瘍を治さなければなりません。

そののちNSAIDsの処方を再開したとき、胃潰瘍が再発するのを防ぐためなら、胃潰瘍治療薬を処方できます。

しかし、もしも胃潰瘍がぶり返してきたら、またNSAIDsの処方ができなくなります。この繰り返しです。

それぞれが必要な薬なのだから、用法用量を調節しながらでも同時処方させてもらえると助かるんですけどね。

毒キノコ

この時期は毒キノコによる食中毒が多いそうで、先日も5年ぶりに死者が出ました。でもその方は、

(1)食用キノコだと確信して食べた

(2)たぶん食用だろうと思って食べた

(3)食用かどうか不明だが食べた

(4)毒キノコとわかってたので少量だけ食べた

のうち、どれだったのでしょうね。

滅多に山に入らないような私のようなド素人には、キノコを見つけても食べようという発想は皆無です。

誰か知人が山で採って来たキノコを持ってきてくれたとしても、それを食べる勇気はありません(松茸は別)。

自分で見つけたキノコを持ち帰って食べる方には、それなりの知識と経験と自信があるのだろうと思います。

それでも死亡事故があるということは、それだけキノコの見分け方が難しいということなのでしょうね。

キノコは太古の昔から地球上にあるはずで、見つけやすいし採りやすい。格好の食材です。だけど毒がある。

食べて死んだ人の話が伝わり、あのキノコは危ないとか大丈夫だとか、そんな情報が蓄積していくのでしょう。

食用キノコには、それによく似た毒キノコもあって、よく区別しなければ事故に遭うことになります。

今回死亡した男性は、「クロハツ」のつもりで、猛毒の「ニセクロハツ」を食べたとのこと。

図鑑等には、両者の見分け方が書かれていますが、微妙なケースもありそうで、鑑別が容易とは思えません。

かつて食用だったクロハツですら、最近では毒キノコに分類されていて、食べる人も減っているとか。

しかし逆に、その微妙な毒性を知りながら敢えて食べることも、キノコ食の魅力のひとつなのかもしれません。

食べた時に毒になるか珍味(快楽?)になるかは、結局のところ、その摂取量できまるわけですからね。

北海道に寄附と出資

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2559.html" target="_blank" title="ふるさと納税">ふるさと納税</a>をどこにしようかと(昨日の続き)考えていて、思いつきました。北海道厚真町にしようと。

地震被害については、他人事ではありません。熊本地震以来、私の考え方も価値観も、たしかに変わりました。

さっそく、ふるさと納税サイトで厚真町を探すと、「北海道胆振東部地震災害支援緊急寄附受付」の文字あり。

そこには、「お礼の品はございません」という注意書きがあります。望むところです。それこそ寄附です。

ただし、これでイイコトした気になってはいけません。なぜなら、自分の懐はまったく痛めてないからです。

私の居住地である菊陽町に納めるべき住民税を、寄附金として流用しただけです。菊陽町には申し訳ないです。

強いて言うなら、菊陽町の財政を厚真町への寄付に振り替える権利を行使したと、言えなくもないですかね。

北海道と言えばこれまでに、余市町と大樹町(たいきちょう)に、ふるさと納税をしたことがあります。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2131.html" target="_blank" title="余市町からの返礼品">余市町からの返礼品</a>はご想像にお任せしますが、大樹町は十勝南部の町。返礼品はチーズでした。

北海道大樹町といえば、堀江貴文氏が創業した「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2127.html" target="_blank" title="インターステラテクノロジズ">インターステラテクノロジズ</a>」社の所在地でもあります。

昨年、民間単独開発のロケット「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2462.html" target="_blank" title="MOMO(モモ)2号機">MOMO(モモ)2号機</a>」を打ち上げて失敗した、あの会社です。

いまちょうど、「MOMO3号機」打ち上げのための、クラウドファンディングが行われています。

締め切り日の10/29までの目標額2,700万円に対して、現時点で集まっているのは1,080万9千円。

出資額に応じて、自分の名前が彫られた銘板がMOMO3号機に搭載されたり、さまざまグッズがもらえます。

さらに、1千万円出せば「発射ボタンを押す権利」が与えられるそうです。う〜ん、無理。

というわけで、インターステラテクノロジズ社に対して、ほどほどの額の出資手続を、本日行ったところです。

もはや、寄附でもなければ納税でもなく、出資です。パトロンになったのです。夢を買ったのです。

ふるさと納税の趣旨

だいぶ涼しくなってきました。今年も残すところあと3カ月弱。こうなると、いろいろと焦ってきます。

気が付けば、ふるさと納税額がまだ不十分でした。限度一杯まで寄付しなければ、損した気がしてしまいます。

どの町の果物や肉を選ぼうかと、専用サイトで探すことにしましょう。これはこれで、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2535.html" target="_blank" title="楽しい作業">楽しい作業</a>ですよね。

総務省は、返礼品は<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2537.html" target="_blank" title="地場産品">地場産品</a>であるべきだと言いますが、まったく浅はかな考えだと思います。

地場産品に限定すればするほど、返礼品目当てに寄付先を選ぶ傾向が強まることに気付かないのでしょうか。

まず寄付先を決め、ついでその町の特産品の中から返礼品を選ぶ、などという考え方は絵に描いた餅です。

同程度に思い入れのある町があれば、どちらに寄附するかは、返礼品の好みで決めてしまうのは当然のこと。

まして、どこに寄附すべきか明確な目的がない場合には、最初にまず返礼品を決めるしかないのです。

となれば、魅力的な農畜産物や水産物といった特産品がある自治体が、圧倒的に有利です。

返礼品を地場産品に限定するというのは、寄付先は特産品で選びなさいよ、と言ってるようなものです。

ふるさと納税が返礼品競争に陥っている現状には、たしかに問題があると私も思います。

だからこそ、すべての自治体がどんな返礼品でも準備できるとした方が、逆に競争は鎮静化すると思うのです。

私も本当は、縁もゆかりも聞いたこともない町に、黒毛和牛だけのために寄附したくはありません。

しかし、国に逆らってダイソンの製品や<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2091.html" target="_blank" title="ドンペリ">ドンペリ</a>を送ってくれる自治体には、なんとなく好感がもてます。

創意工夫で頑張る町を、応援したくもなります。その意味では、ふるさと納税の趣旨にも合致してますよね。

空から投稿します

某芸人のコトバを借りるなら、「なんて年だ」でしょうね。台風のことです。

今年はできうる限り多くの学会に参加するつもりで、これまでに7つの学会に参加してきました。

それらのほとんどが休診日の日帰りでしたが、今日は今年最後となるであろう7回目。

勤務医時代の私のメイン学会「日本胸部外科学会」に参加してきました。

東京での学会は、たいてい東京国際フォーラムで開催されますが、今日は珍しく、品川のホテルでした。

これが意外と、羽田空港からのアクセスが良くて、田舎者には便利。今後も品川でお願いしたいものです。

ただし、雨です。傘の取り回しは面倒だし、新調したばかりの靴もズボンも濡れる。

学会のことはさておき、今日の問題は台風です。飛行機って、台風に弱いのです。

これまで、無事着陸できるかヒヤヒヤしたり、潔く学会出張を取りやめたりしたこともありました。

今朝は台風25号が接近する中、なんとか行けそうな気がしたので熊本を出発しました。

往路は大丈夫でしたが、問題は復路です。案の定、「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2465.html" target="_blank" title="天候調査">天候調査</a>」がかかりました。

熊本空港に着陸できない場合は、福岡空港に降りるか羽田空港に引き返しますとの、いや〜なアナウンス。

これは困りました。万一、羽田に戻ることになると、明日の、少なくとも午前中の診療は難しくなります。

なんとか福岡には降りてもらいたい。あとは地を這ってでも、熊本にたどり着きましょう。

そんな、祈るような気持ちで搭乗。定刻lよりも50分も遅れて出発。

うまくいっても、熊本着は21時。羽田に引き返したら22時は過ぎるでしょう。最悪。

機長には、なんとか頑張って熊本に降りていただきたい。一乗客として、心より応援しています。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2504.html" target="_blank" title="ちぇすとー">ちぇすとー</a>。きばれやー。

いくら気をもんでも、機内で私ができることは限られています。

羽田や福岡に着陸したら、そのあとバタバタしそうなので、安定飛行してるうちにブログを投稿しておきます。

その後の顛末(どこに着陸したか、等)は、追記しますので・・・

(追記)無事、熊本空港に着陸できました。ていうか、熊本雨すら降ってないし。

名簿の変遷(退化)

出身大学から同窓会名簿が届きました。同級生や知人の最新情報を知るために、毎回購入しているものです。

よく見ると裏表紙の下の方に、シリアル番号が印字されています。

私はいつも2冊購入するのですが、シリアル番号は連番になっていました。

誰が購入した名簿かがトレースできるようにして、流出や転売を防ごうというのでしょう。

そう思いながら2年前の名簿を見たら、それにもシリアルが入ってました。ありゃ、気付いてなかったですね。

ただ、そのシリアル番号のケタ数が妙に少なくて、なんかウソっぽいんですよね。もしかして、ダミー?

同級生の中には、どこかの医学部の教授や大病院の病院長になった者が散見されます。

そのような地位に就き、かつそれを維持することの大変さに思いをいたしつつ、ページを繰っていきます。

大学の連中はほぼ、同業者ばかりですが、高校の同窓会名簿を見ると、これはかなり面白くなってきます。

中学校の同窓会名簿に至っては、その名前からすでに懐かしく、住所や勤務先を見ては感慨にふけります。

女子の大半は姓が変わっており、カッコ内に旧姓が記されています。元の姓のままの女子もいます。

こういった住所や勤務先や電話番号や姓の変化などの個人情報が、同窓会名簿には遠慮なく記載されています。

一方で企業や官公庁などの職員名簿からは、たぶん、ほとんどの個人情報が消されているようです。

たとえば、比較的最近の熊本市の職員名簿には所属と名前しか記載されておらず、名簿自体が薄っぺらです。

ところが平成12年の名簿を見てみると、熊本市全職員の自宅住所や電話番号がきっちりと記載されています。

当時はそれが当たり前でした。年賀状を書くときに役立つことが、名簿の第一の存在価値だったのです。

私は物持ちがいいので、古い名簿類は全部保管しています。何か、おかしいですか?

半分、リコール

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2532.html" target="_blank" title="バルミューダ">バルミューダ</a>から一昨日、「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1409.html" target="_blank" title="バルミューダ ザ・トースター">バルミューダ ザ・トースター</a>」の、無償製品交換プログラムの連絡が来ました。

つまりリコールです。不具合により漏電の可能性があるとのこと。その対象となるのは、初期の製品。

なにしろ新しモノ好きの私は、トースターも発売されて間もなく購入したので、ばっちりリコール対象でした。

3年以上使い込んで薄汚れた製品が新品に交換してもらえるので、家人は喜んでいます。

バルミューダと言えば、連ドラ『半分、青い。』の扇風機のモデルにもなった「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2532.html" target="_blank" title="グリーンファン">グリーンファン</a>」が有名です。

あの扇風機も、比較的初期のうちに私は購入したのですが、熊本地震のときに破損してしまいました。

オフシーズンなので書斎の片隅に保管していたところ、地震で倒れて首がポッキリと折れてしまったのです。

相当な衝撃だったのだろうと諦めて、そのまま廃棄しました。

ところがその後、私の持っていたモデルが、無償交換修理の対象となりました。

通常の使用の範囲でも、扇風機のヘッドを支える部品が破損して折れる可能性があるとのこと。

まさに私のグリーンファンは、その部分が折れたのです。地震のせいではなく、製品の問題だったのか?

さっそくバルミューダに電話。

「破損した扇風機をすでに廃棄してしまいましたが、どうしたらよいですか」

「交換修理なので、破損した製品を当社までお送りいただく必要がございます」

らちがあかないだろうと早々に諦めましたが、通常の使用の範囲で首が折れるなど、かなりヤバイですね。

バルミューダ製品は、そのコンセプトやデザイン性などには優れていますが、どうも作りが甘い気がします。

長年消費者と向き合ってきた大手メーカーとは、そこが違うのかもしれません。

本庶先生ノーベル賞

ノーベル医学生理学賞を、本庶佑・京大名誉教授が受賞しました。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2190.html" target="_blank" title="去年">去年</a>も<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1828.html" target="_blank" title="おととし">おととし</a>も、本庶先生がノーベル賞を逃した話を書きましたが、今度こそ、三度目の正直でした。

報道番組では、「PD-1」のことを少しは理解してる人が解説してほしいものですが、それはさておき。

本庶先生の発言は、含蓄があってしかも面白い。今後発刊される「本庶本(ほんじょぼん)」が楽しみです。

「より多くの人を救いたいから、弁護士ではなく医師を選び、臨床医ではなく研究者を選んだ」

発言をまとめると、このような進路選択だったようです。付け加えるなら、臨床研究ではなく基礎研究です。

「ネイチャー、サイエンスに出ているものの9割は嘘」

研究をかじったことのある者にとっては、雲の上にある雑誌ですが、まあ「STAP細胞」もありますしね。

「『不思議だな』と思う心を大切にすること」

誰にでも言えそうなことですが、疑問の解決を諦めないかどうかが肝要なのでしょう。常人は妥協します。

「いちばんしたいことは『エイジシュート』」

驚くしかありません。39歳のときにゴルフをやめた私は、年齢の3倍近いスコアしか出せませんでしたから。

安倍首相がさっそく、本庶先生にお祝いの電話をかけてましたが、安倍首相には危機感を持っていただきたい。

大隅良典氏の言葉をもういちど借りるなら、

「日本の近年のノーベル賞ラッシュは、過去の遺産を食いつぶしたものに過ぎない」

ノーベル賞がすべてじゃないけど、ノーベル賞を目指せるような基礎研究こそが、未来の世界を変えます。