「さくらももこの訃報を目のあたりにして『神のちから』(さくらももこ 小学館)を引っ張り出した」
週刊文春の『私の読書日記』欄で、三上延氏がそのように書いていたので、私も引っ張り出してみました。
『神のちから』が書斎にあることは、わかっていました。震災後の片付けの時に、目にした記憶があるのです。
では、どこにあるのか。メインの、作り付けの棚ではありません。そこは今、スコッチが占領してますから。
古い(購入して20年以上を経た)本ばかりを収納した、いちばんへんぴな書棚を探してみます。
はたして、前後に重なった本の後ろ側のいちばん日の当たらない場所に、その『神のちから』はありました。
まあ、もともと書斎自体に日は当たりませんけどね。窓は小さい上に、シャッターを下ろしてますから。
あらためて読むと、ひどくシュールですね。四半世紀ぶりに読んだのに、ほとんど内容を覚えていました。
とくに私が好きなのが『<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1769.html" target="_blank" title="それていくかいわ">それていくかいわ</a>』です。当ブログの読者なら、お分かりいただけるでしょう。
『神のちから』に収録されている最後のエッセイは、「こんすたんちのーぷるのおもいで」です。
それは、「まだ見ぬ土地、コンスタンチノープルよ、さようなら。おなら。」で締めくくられていました。
そのシュールさは、私にはとうていマネできません。『ちびまる子ちゃん』とのギャップも、なかなかです。
53歳という若さで、さくらももこ氏の命を奪ったのは「乳がん」でした。
息を引き取る前の最後の言葉は、「さようなら、おなら」だったかもしれません。