返品を前提とした注文

まだ夏風邪の患者さんも多い中で、インフルエンザワクチンの予約受付を開始していますが、これでも遅い方。

開院2年目のときは、9月1日から予約受付を始めたことを思い出します。

まだ来院患者さんが少なくて、あの手この手で当院を知って来てもらおうと<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1093.html" target="_blank" title="工夫・画策">工夫・画策</a>していた時期でした。

今年もワクチン供給量が潤沢ではないので、厚労省の締め付けは、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2212.html" target="_blank" title="厳しかった昨年">厳しかった昨年</a>をそのまま踏襲しています。

(1)医師がとくに必要と認める場合を除き、13歳以上は「1回注射」とすること

(2)医療機関は<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-42.html" target="_blank" title="返品">返品</a>を前提とした注文を行わず、必要量に見合う量のワクチンを購入すること

このうち(1)については前にも書いたので、今日は(2)の在庫管理の問題点について考えてみます。

まず、インフルエンザワクチンの接種というものは、多くの医療機関で、基本的には予約制で行っています。

たとえば10月1日に10人の予約があれば、その前日までに5バイアルのワクチンを準備する必要があります。

(すべての被接種者が3歳以上、つまり0.5ml接種とした単純計算です)

10月2日も3日も4日も、それぞれの予約数に見合ったワクチンを入手しておくことになります。

しかし実際には、毎日毎日、5本とか11本とか17本とか、そんなチマチマした発注などしてはいません。

1週間単位とか2週間単位ぐらいの大枠で、50本とか100本ずつワクチンを発注するのが普通です。

その期間の予約数をカウントし、追加予約数も見込み、不足しないだけのワクチンを入手する必要があります。

さらに、原則予約制であっても、予約なしで当日接種を希望する方が、何人も来院されます。

インフルエンザの流行期が近づく11月以降になると、その傾向が強まります。

予約数ギリギリの在庫では、とても接種が間に合いません。なので在庫管理には多少の余裕が必要なのです。

ところが、接種シーズンも終盤になると、予約をキャンセルする方が多くなってきます。

当院の予約日を待ちきれず他院で接種したとか、もうインフルエンザに罹ったので接種しない、とかです。

ドタキャンもあれば、ノーショー(予約しても来院なし)もある。

その結果、ギリギリと思っていたワクチンが、ふたを開けてみたらけっこう余ってしまうこともあり得ます。

ワクチンが不足していたのか、足りていたのか、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-46.html" target="_blank" title="大余り">大余り</a>なのか、シーズンが終わってみなければわかりません。

厚労省は「必要量に見合う量のワクチンを購入すること」と言いますけど、それができりゃ苦労はしません。

予約の優先順位

「先行予約受付開始」なんてのがありますよね、コンサートとか、航空券とか。

特定の団体の会員が、一般向けよりも1日とか1週間ぐらい前から、予約申込みができたりするやつです。

インフルエンザワクチンの接種に、そのような優先順位を付けるわけにはいきません。みな平等が原則です。

それでも、当院おなじみの方に少しでも便宜を図るとすれば、予約開始の周知方法を工夫することでしょうか。

10月から始めるインフルエンザワクチンの接種は、じつは今日から、ネット予約の受付を始めています。

例年と同じネット予約のサイトを、今朝早く、どこにも告知・広報等せずに、ひっそりと立ち上げてみました。

接種はまだかと、当院の予約サイトをたびたびチェックしている方なら、きっと気付いてくれるはず。

当院に興味のある方だけが先行予約することができるので、「ウォッチャー特典」とでも言いましょうか。

ですが数時間様子を見ていましたが、誰一人予約を入れてきません。さすがに周知しなさすぎでしょうかね。

そこで次に、診療予約サイトのアイチケットに、インフルエンザ予約サイトへのリンクを張ってみました。

言うなれば「お得意さん特典」です。すると、わずかですが気付いてくれた方がいて、予約が入りました。

少し時間をおいて、こんどは当院のホームページのお知らせ欄にも、リンク付きで記事を出しました。

これは「ごひいき特典」というべきかもしれませんが、予約数はなかなか増えません。

本格的には明日の朝、診療予約のためにアイチケットを見た方が、予約を入れ始めるだろうと想像しています。

ならばその前にもうひとつ、「読者特典」を。というわけでこのブログを見た方は、いますぐ予約をどうぞ。

出張中のブログ投稿

東京には定宿があります。どこのホテルかは、ここには書けません。パパラッチやテロ等を防ぐためです。

決して高級ホテルではありません。交通の便が良く、清潔であること。それが第一です。

もうひとつ。ホテルに求めるのはネット環境です。最近はたいていWi-Fiが完備されているので助かります。

少し前までは、LANケーブルでネット接続するホテルもありましたが、今はあまり見かけませんね。

ネットにつながらないと、ブログが投稿できなくなって、大変なことになります(どんだけブログが大事?)。

これまでに、出張や旅行の際にも、なんとか工夫して(何が何でも)投稿を続けてきました。昨日もです。

そうそう。昨日の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2540.html" target="_blank" title="バースデーフライト">バースデーフライト</a>のブログですけどね、あれは締切ギリギリのヒヤヒヤものでしたね。

東京のホテルに着くのは深夜になるので、実はブログの前半は、出発前までに書いておいたのです。

重要なのは後半部分ですが、これは実体験を元に書くしかない。その実体験の詳細は、昨日書いたとおり。

嬉しい気分のままホテルにチェックインした後、余裕をかまして23時半ごろまで、ホテルのバーにいました。

ソーセージの盛り合わせを食べながら、アードベック・テンのストレートをチビチビやっていました。

そのとき突然、気付いたのです。持って来たMacBookの中に、半分まで書いていたブログ原稿がないことに。

私のブログ原稿は、どのMacでも随時編集できるように、クラウドストレージのDropboxに入れています。

ところが、出張・旅行用に最近買ったMacBookにだけは、Dropboxをインストールしていなかったのです。

これは、パソコンの盗難や紛失を考慮した危機管理です。重要データは原則として持ち出さないわけです。

そのことを忘れていたものだから、持って来ているMacBookに原稿がないことに、気付いてなかったのです。

もう、バーから大慌てで部屋に戻り、酔った頭でブログを一から書きました。投稿時刻は23時59分でした。

バースデーフライト

誕生日に飛行機に乗る「バースデーフライト」。今日の「熊本–羽田」便が、まさにそれでした。

念のため申し上げておきますが、今日は私の58回目の誕生日です。ありがとうございます。

日ごろ学会等の所用で上京するときは、火曜か金曜の休診日に往復しています。日帰りの強行軍です。

でも今日のように休前日(休診日の前日)が祝日の場合には、最終便で東京入りできることに気づいたのです。

土日祝日の診療終了時刻は、平日よりも2時間早い、午後5時に設定しているからです。

そんなわけで今日は、午後6時前に診療を終えると、ダッシュで熊本空港に向かいました。

いつもはわりと閑散としているのに、この時間帯は混み合ってますね。祝日なのに?祝日だから?

私が今日、誕生日であることに、空港の誰かが気づいてくれるかどうか。

搭乗者の個人情報が、どこまで伝わっているのか。それを検証するフライトでもありました。

とくに受託手荷物はないので、チェックインカウンターは経由せず、直接保安検査場に向かいました。

「ピンポーン。お誕生日おめでとうございます」なんてアラームが鳴るわけがありません。

いつものように粛々と、保安検査場を通過。係員からは何のコメントもなし。当たり前か。

ついで搭乗口です。ここは一人一人の個人情報が漏れている可能性がある部署。通過してみると、

「お客様、お誕生日おめでとうございます」なんてコメントもなく、これまた淡々とゲート通過。

さて、機内に入ると、CAさんたちが出迎えてくれました。

彼女たちは、乗客名簿を持っています。それにはもしかすると、生年月日が記載されているかもしれません。

いや、そんな情報はないかも。ならば、旅の恥はかき捨て。乗り込むときに自分から伝えてしまえ。

というわけで、そこにいたCAさんに、今日は誕生日なんですよね、と一方的に情報提供してみたのです。

で、どうなったかと言うと、羽田到着時に、手書きのメッセージカードと、プレゼントをくれたんですね。

何でも言ってみるもんです。

ワクチンの需給バランス

インフルエンザワクチンの接種は、まだ予約できないのかと、お問い合わせをいただくようになりました。

お待たせしておりますが、ようやくワクチン入荷のメドが付いたので、今週中に予約受付を開始できそうです。

それにしてもこのワクチン、製造がギリギリなので出荷もギリギリ。入手できるのか毎年ヒヤヒヤします。

インフルエンザワクチンの製造量は、5年前の3388万本をピークに、毎年だんだんと減っています。

一方でワクチン使用量は、この数年間、全国でおおむね毎年2600万本程度でした。

3年前は、製造量3072万本に対して、使用量は2565万本。500万本以上の余裕、というか余剰がありました。

2年前は、製造量2784万本に対して、使用量は2642万本。この年も100万本以上余りました。

ところが<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2212.html" target="_blank" title="昨年">昨年</a>は、トラブルがあって製造量は2643万本。節約して接種したので、使用量は2491万本でした。

なんだ、昨年も結局は50万本以上余裕があったじゃん、というのは間違いです。

製造されたワクチンが、全国各地の需要に応じて完璧な配分で供給されるはずがないからです。

需給バランスは地域によって異なり、同じ地域内でも医療機関によって異なります。

ワクチンの納入本数以上に接種することは不可能なので、多くの医療機関で接種は頭打ちとなりました。

当院もそうです。例年よりも早い時期に在庫はゼロとなり、泣く泣く接種を打ち切ることになりました。

ところが全国的には、52万本余った計算です。つまり、どこかの医療機関では余剰在庫が出たのです。

このことは、50万本程度の余裕では、全国的な安定供給を確保できない、ということを意味します。

今年の製造予定量は2650万本だそうです。昨年のようなトラブルがないのに、昨年並みじゃないですか。

ということは、需給バランスも昨年並み。実質的にはまた、ワクチン不足になるのでしょうね。

厚労省は今年も「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2153.html" target="_blank" title="13歳以上の接種回数は1回">13歳以上の接種回数は1回</a>」とアナウンスしきりです。

2年前までの、「13歳以上65歳未満の接種回数は1回または2回」という規定は、どこかに消えました。

「ワクチンは足りているが1回接種で十分なのだ」と言う厚労省。まったくご都合主義としか思えませんね。

「1期初回」問題

医師系サイトでも話題になってますが、「ちょっと変だよ『初回接種』」は今に始まった問題ではありません。

お役所仕事を象徴する、国民の常識とは少しズレた、オカシな言葉遣いの問題です。

子どもの定期予防接種には、ワクチンごとに定められた接種スケジュールがあります。

それらは「1期」と「2期」の接種時期が設定される場合があります。

さらに「1期」は「1期初回」と「1期追加」に分かれます。

問題は、「1期初回」接種が、さらに2回か3回の接種で構成されているということです。

4種混合ワクチンであれば、「1期初回1回目」「1期初回2回目」「1期初回3回目」の3回です。

その1年後に「1期追加」があり、厳密には少し違いますが、2種混合ワクチンが「2期」の位置付けです。

ヒブと肺炎球菌ワクチンも同様に「1期初回」が3回あり、「1期追加」まで合計4回の接種があります。

日本脳炎ワクチンだと「1期初回」が2回目までで、1年後に「1期追加」、さらにその5年後に「2期」です。

でも「1期初回2回目」なんて変な言葉です。「初回」が2回も3回もあるって、日本語としてどうなんですか。

ある先生は、「初回」のかわりに「基礎」としてはどうかと提案してます。あ、それいいね。

「1期基礎1回目」「1期基礎2回目」「1期基礎3回目」「1期追加」「2期」という流れですか。

まあ、だいぶわかりやすいですが、いっそのこと「1期」を外してしまっても、いいんじゃないですかね。

「基礎1回目」「基礎2回目」「基礎3回目」「追加」「2期」ですよ。う〜ん、こうなると「2期」が唐突か。

「基礎1回目」「基礎2回目」「基礎3回目」「追加1回目」「追加2回目」でどうですか。うん、スッキリ。

地場産品の定義

国から地方に交付される財源に国民の意思も反映できるようにするのが、ふるさと納税の当初の趣旨でした。

なので特定の市町村に寄附金が集中しても、それは国民の意思。総務省にとやかく言われる筋合いはないはず。

しかし寄附金が大きくなりすぎると、総務省の地方財源への支配力が減るので、総務省的には面白くない。

そこで、寄附金額が大幅に伸びている自治体を標的にして、しめつけてやれ、ということなのでしょう。

たとえば「大阪府泉佐野市」と「佐賀県みやき町」は、総務省のターゲットとなっている代表的な自治体です。

昨年度の寄附金額は、それぞれ135億円と72億円。自治体の予算規模からすると、とても大きな額です。

野田総務相の示した返礼品の条件は、(1)<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2535.html" target="_blank" title="調達費を寄附額の3割以下に">調達費を寄附額の3割以下に</a>、(2)地場産品に限る、の2点。

このうち「地場産品ルール」については、定義も曖昧だし、各自治体とも簡単には譲れないところでしょう。

かく言う私も各地に寄附していますが、地場産品とは思えない返礼品を、当たり前のように受け取っています。

泉佐野市からは、泉州タオルという有名な地場産品のほかに、ビールも届きました。しかもアサヒビール。

みやき町からは、ダイソンのドライヤーをいただきました。風力が強くて髪がすぐ乾くので、重宝しています。

泉佐野市にビール工場があるかどうかは知りませんが、みやき町にダイソンの工場はないでしょう。

みやき町長の理屈は、「町内の電器店で(ダイソン製品を)取り扱っている」からだそうですね。ウケる。

このほか、某市からは有名なシャンパンを、別の町からは私の好きな銘柄のスコッチを送っていただきました。

それぞれ、ガラス製品やハム製品との組み合わせですが、そんな「地場製品」など方便のようなものです。

真の意味での完全な地場産品なんて、かなり限られます。ゆかりのある製品、ぐらいの定義でよいでしょう。

金額規制はともかく、地場産品規制はほどほどでお願いします。

新型iPhoneは静観予定

本日午前2時、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1067.html" target="_blank" title="米太平洋夏時間(PDT)">米太平洋夏時間(PDT)</a>だと9月12日の午前10時、Appleの新製品発表会が開催されました。

いつもこの時期に新型iPhoneが発表され、数日中に予約開始、その1週間後頃に発売となる流れです。

今回は、明日<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1281.html" target="_blank" title="16時01分">16時01分</a>(日本時間)から予約受付、その1週間後(9/21)に発売開始となります。

思えば2008年に日本でiPhoneが発売されて以来、2009年を除けば毎年、私は最新機種を購入してきました。

2年間隔で買えば十分だという意見もあるでしょうけど、その時々で買い替えたくなる理由があったのです。

(1)2008年7月:<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-10.html" target="_blank" title="iPhone3G">iPhone3G</a>:発売日に家電量販店に並んで購入。

(2)2010年8月:<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-30.html" target="_blank" title="iPhone4">iPhone4</a>:先代を買って2年経ったので、順当な機種変更です。

(3)2011年10月:<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-144.html" target="_blank" title="iPhone4S">iPhone4S</a>:ジョブズ追悼(4S=for Steve)の思いで、発売日に購入。

(4)2012年9月:<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-352.html" target="_blank" title="iPhone5">iPhone5</a>:フルモデルチェンジして、大きく薄く軽くなったので、つい。

(5)2013年9月:<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-723.html" target="_blank" title="iPhone5s">iPhone5s</a>:指紋認証機能「Touch ID」が搭載されました。これは買うしかない。

(6)2014年9月:<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1083.html" target="_blank" title="iPhone6 Plus">iPhone6 Plus</a>:フルモデルチェンジなので買いました。Plusはめっちゃデカイ。

(7)2015年9月:<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1452.html" target="_blank" title="iPhone6s Plus">iPhone6s Plus</a>:本体素材が硬くなったので(6 Plusは曲げてしまった)。でも落とした。

(8)2016年10月:<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1830.html" title="iPhone 7 Plus">iPhone 7 Plus</a>:「Apple Pay」搭載。当然、買いでしょ。

(9)2017年11月:<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2229.html" target="_blank" title="iPhone X">iPhone X</a>:全面有機ELスクリーンに顔認証 (Face ID)。買わない理由が見つからない。

で、今回の「iPhone XS」なんですけどね。スペックアップ以外には新味が無い(気がする)。

じゃあ「iPhone XS Max」ならどうだ、と言われるとちょっと悩みますが、今回はパスします。

それよりも、フルモデルチェンジした「Apple Watch」を買い替えようかと思ってたりして。

ふるさと納税の楽しみ

野田聖子総務相が昨日、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2155.html" target="_blank" title="ふるさと納税">ふるさと納税</a>制度見直しの方針を表明しました。返礼品競争を解消するためです。

「ふるさと納税はショッピングではない」と野田氏は言いますが、そんな制度に誰がした、って話ですよ。

そもそも、本来のふるさと納税の趣旨を考えれば、返礼品自体が間違っています。

礼を言いたけりゃ礼状でいいはず。百歩譲って、その土地の絵ハガキか写真付きカレンダーぐらい。

ところが野田氏が明言した「3割ルール」は、「3割までの返礼品OK」のお墨付きを与えたことになります。

各自治体は今後、返礼品を3割に合わせてくることでしょう。

3割の返礼品を付けなければ、相対的にみすぼらしく映り、他の自治体との競争に負けてしまいます。

あるいは、調達業者から返礼品を買いたたき、見かけ上3割に押し込めてくるかもしれません。

結局、競争は続くのです。

返礼品競争が、本当に国民のためにならないのか。突き詰めて考えると、どちらとも言えないかもしれません。

3千円相当の肉に進んで1万円を払い、それが届くのを心待ちにする。新たな娯楽のジャンルとも言えます。

いったん立て替えるにしても、最終的にはほとんど懐を痛めない、実に楽しく安全な買い物なのです。

そんなことは最初から(ふるさと納税制度を設計したときから)、官僚たちにはわかっていたはずです。

今頃になって「ふるさと納税はショッピングではない」と野田氏は言ってますが、それはまやかしです。

「3割ルール」はまさに、ふるさと納税のショッピングの要素を国が認定したことに等しいものです。

私も、返礼品目当てにふるさと納税してる人間の一人ですが、返礼品をいただくだけではありません。

寄附金の支払いに、ポータルサイトを利用してポイントを稼ぎ、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2245.html" target="_blank" title="クレジットカード">クレジットカード</a>でまた稼いでいます。

そんな小さな裏技も含めて、庶民の楽しみなのです。

航空会社の医師登録制度

旅客機内で「お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんか」という場面に遭遇した<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2278.html" target="_blank" title="顛末">顛末</a>は、前に書きました。

昨年は、東京に2往復しただけというわずかな私の搭乗歴のなかでそれが起きたのは、奇跡的な出来事です。

ドクターコールのアナウンスよりも前に、すでに私が心肺蘇生を開始していたことも、特筆すべきでしょう。

ただし日本では、善意で診療行為をしても、その内容に問題があれば、医師の責任になる可能性があります。

一方で米国には、善意で行った場合には結果が悪くても免責されるという「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2040.html" target="_blank" title="善きサマリア人の法">善きサマリア人の法</a>」があります。

救命のために果敢に手を貸す医師を守り、ひいては急病人をできるだけ救けようとする考え方です。

日本では法整備が遅れているので、医師がドクターコールに名乗りを上げることを躊躇しがちです。

国内線の機内に準備されている救急キットだって、貧弱すぎます(少なくともANAの場合には)。

昨年末のケースでは、気管内吸引が必須の病状でしたが、吸引装置が機内にはありません。口で吸うわけ?

呼吸が停止していましたが、気管内チューブもなければ喉頭鏡もない。アンビューバッッグで押し続けるのみ。

機内でどのような急病人が出るかわかりませんが、心肺蘇生を行うには、現状では厳しい環境ですね。

でもそれなのに、JALもANAも、2年前から医師登録制度を始めています。

あらかじめ医師が搭乗していることがわかれば、乗員には安心材料でしょうけど、医者にとっては微妙です。

そんな議論の余地のある医師登録制度ですが、私はこのたび「ANA Doctor on board」に登録申請しました。

どうやら昨年末の一件以来、私が医者であることが、乗客名簿に書かれているフシがあるのです。

医者であることがバレてるのなら、今後知らんぷりもできないので、いっそのこと自発的に登録した次第です。