便秘のお子さんが、浣腸のために来院されることがよくあります。
5日ぐらい排便がなくても元気な赤ちゃんは多いですが、そろそろ浣腸した方がよいでしょう。
5kgの体重の乳児から、50gの便が出たりします。自分の体重に置き換えてみて、あらためて驚きます。
腹痛を訴えて苦しそうな顔つきで来た幼児は、浣腸して排便した後は、明るい表情になって帰って行きます。
浣腸には「グリセリン浣腸液」を使うのが一般的です。成分はグリセリン50%です。
浣腸液を適温に温めて、専用の容器で適度な圧力で直腸内に注入しますが、重要なのは体位です。
左半身を下にした「左側臥位」で行います。この体位なら、浣腸液がS状結腸方向に流れ込み易いからです。
まちがっても、立位のままで注入してはなりません。直腸壁を損傷し、腸管穿孔をきたす危険があります。
このたび「イグノーベル賞」を受賞した「痛くない大腸検査」は、座った格好で行う内視鏡検査法でした。
たぶん、座位なら直腸の角度がちょうど良いのでしょうね。でも浣腸には不向きです。液が垂れますから。
市販の浣腸薬と言えば「イチジク浣腸」ですね。あれも成分はグリセリン50%。医薬品と同じです。
イチジクに似た形の容器が特徴ですが、最近の製品をネットで見ると、いろんな形があるようです。
長いノズルとか、フレキシブルな根元など、イチジクにこだわらない姿勢が見られます。でもイチジク製薬。
子どもの頃、カミキリムシを捕まえるときは、近所のイチジクの木を探せば、たいてい見つかりました。
でも、あのベトベトする樹液は苦手でした。イチジクに限らず、私はベトベトする食べ物は嫌いです。
もう長いことイチジクなんて食べてませんね。たまに店頭で見かけると懐かしく感じますが、でも買いません。
干した実は緩下剤になるといいますから、イチジク浣腸とは便秘つながりがあると言えばあるか(苦しい)。