熊本市の母子手帳(親子健康手帳)の表紙には、氏名等のほかに熊本市固有の2つの番号が記載されています。
(1)親子健康手帳交付番号(本稿では、母子手帳番号とします)
(2)予防接種・乳幼児健診番号(通称、予防接種番号)
前者は妊娠中には必要かもしれませんが、出産後十数年間ずっと必要なのは後者の予防接種番号です。
問題は、この両者がともに「9」から始まる9桁の数字だということです。見た目がそっくりなのです。
母子手帳番号は、手帳が交付された際に、手書きで記入されます。
予防接種番号は、出産後にシールで交付され、母子手帳の表紙裏にそのシールを貼る場所が作ってあります。
シールを貼れば別の場所に書き写す必要はないので、表面の予防接種番号欄は空欄の場合が多いようです。
その結果、母子手帳の表には、予防接種番号にそっくりな母子手帳番号だけが記載された形になります。
お子さんの予防接種の予診票は、保護者の方(たいていは母親)が記載します。
その予診票に、予防接種番号の記入欄がありますが、ときどき、間違えて母子手帳番号を記入する方がいます。
でも保護者の不注意は責められません。紛らわしい別の番号が存在することが、そもそも問題なのです。
これは明らかに、熊本市のシステムの不備です。危機管理の観点からは、避けなければならないことです。
わざわざ混同しやすい2種類の番号を作った、その企画立案者のセンスを疑います。