ブラックアウト

「ブラックアウト」という言葉は様々な状況で使われますが、今回は広範囲に一度に起きた停電のことでした。

北海道の大地震によって、北海道全体が瞬時に、真っ暗になりました。文字通りのブラックアウトです。

その原因は、北海道内の発電が、震源地近くの苫東厚真発電所に一極集中していたためだとされています。

泊原子力発電所が稼働していなかったために、高効率の苫東厚真発電所がフル稼働していたのも遠因とか。

停電には2種類あることを、このたびのブラックアウトで知りました。

ひとつは発電所や送電網等のトラブル。今回の、苫東厚真発電所の、地震による稼働停止はそれですね。

そしてもうひとつが、電力需給のバランスが崩れて発電機に負担がかかり、自発的に発電を停止するもの。

発電機は、過大な電力需要に耐えられないとき、自らを守るために発電を停止する機能があるようです。

1カ所が停止すれば残りの発電機にはますます負担がかかるため、結局全部が止まってしまうわけです。

もしも苫東厚真が止まった時点で、すぐ北海道の半分を停電にすれば、需給バランスを保てたかもしれません。

たとえば今回、札幌以外を全部強制的に停電にすれば、札幌だけは停電を防げたんじゃないでしょうか。

苫東厚真発電所が止まったら、残りの発電所も全部止まることは、理論的には十分に想定できていたはずです。

なのに対策をしてこなかったのは、科学的には想定できても、心情的に想定しようとしなかったからでしょう。

極端にひどい災害だとか最悪のケースというのを、どうしても想定したがらないのが日本人の特徴なのです。

あれだけの大地震や津波や豪雨災害を経験したのです。そろそろ真剣に最悪の事態を想定しませんか。