夏休み中には、小中学生の予防接種が多いのは、毎年のこと。
その多くが、11〜12歳で接種する二種混合ワクチンと、9〜12歳で接種する日本脳炎ワクチン(第2期)です。
いま二種混合ワクチン(DT)接種をしているのは、過去に三種混合ワクチン(DPT)を接種したお子さんです。
標準的には、0歳時にDPTを3回、1歳時にDPTを1回、11歳でDTを1回接種するというスケジュールです。
<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-387.html" target="_blank" title="約6年前">約6年前</a>からは、DPTに不活化ポリオワクチンが加わった四種混合ワクチン(DPT-IPV)が導入されています。
念のため説明を加えておくと、D:ジフテリア、P:百日咳、T:破傷風、IPV:不活化ポリオ、です。
さて、これらの不活化ワクチンは、何度も接種しなければ免疫が付かず、しかもなかなか長持ちしません。
現行制度では、DとTは標準的には0歳・1歳・11歳で合計5回接種しますが、PとIPVは4回止まりです。
小中高校生や大学生、成人での百日咳流行を考慮すると、Pの接種回数が不足していることは明らかです。
なので小児科学会では、11歳のDTの代わりに、DPTを任意接種することを提唱しています。
さらに、1歳までにDPT-IPVの接種を完了したお子さんの場合、就学前ごろには免疫低下も危惧されます。
なので5〜6歳児へのDPTとIPVの接種が推奨されます。これは先進諸国の多くですでに行われています。
じゃあ年長児にDPT-IPVを接種すればいいのかというと、現状ではそれはできません。
5回目のDPT-IPV接種は、まだ認められていないからです。よって、DPTとIPVを別々に接種します。
このような用途もあって、かつて<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-912.html" target="_blank" title="一度は廃止された">一度は廃止された</a>DPTが、今年から製造再開されています。
ややこしい話なので、まとめておきます。
(1)定期接種としては、DPT-IPV(四種混合)を、0歳で(3カ月から)3回、1歳でもう1回接種
(2)免疫低下対策として、5〜6歳時に、DPT(三種混合)とIPV(不活化ポリオ)を任意接種
(3)百日咳の免疫低下対策として、11〜12歳でのDT(二種混合)定期接種の代わりに、DPTを任意接種