サバを読む

今朝はいつもよりも少し早く、台風24号の風雨が強まる前に出勤しました。

実は、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2549.html" target="_blank" title="電子カルテのシステムトラブル">電子カルテのシステムトラブル</a>が、まだ完全には解決していないのです。

もちろん、クライアント兼用として使っていたサーバー機は、サーバー専用として独立して稼働させています。

そのため、クライアント機が一台減って5台になり、月末のレセ時期だというのに、少々困った状況です。

新しいMacを買ってサーバー専用機にするつもりでしたが、最新のOSというのは、何かとトラブるもの。

なので、いま院長室で使っているMacを、新しいサーバー(新サバ)として構築することにしました。

かわりに、院長室用には新しいMacを導入しようというハラです。

そこで今朝から、院長室のMacを電子カルテのLANにつないで、新サバの運用を試してみました。

こういう場合、Macを初期化してOSをクリーンインストールすることから始めるのが、正しいやり方です。

でも、今朝は手抜きして、サーバーのプログラムを追加インストールするだけでお茶を濁してしまいました。

このように安易に構築した、ごまかしサーバー(ごまサバ)がうまく作動するはずがありませんよね。

クライアントの挙動がどうもおかしい。一見うまういったように見えたサバが、生き腐れしていたようです。

というわけで、慌てて旧サバを蘇生して本サバとし、今日の診療を行ったのでした。

やっぱり、サバは血抜きしても手抜きせず、肝腎な部分は締めないといけませんね(しめサバ)。

(おことわり)「関サバ」をうまく挿入できませんでした。

苦肉の策

9月29日のネタとして「苦肉の策」に触れるのは、意外にも、今回が初めてです。

その語源とされている、私の好きな三国志の名場面は、あえて身内を痛めつけて相手をだます計略でした。

偽りのいさかいによって激しくムチ打ちされた部下が敵に偽装投降し、敵陣内で放火を敢行した作戦です。

映画『レッドクリフ』でも描かれた「赤壁の戦い」の中のエピソードなので、結構知られている話ですよね。

投降が偽装であることを悟られないためには、次の条件が重要でした。

(1)ムチ打ちの刑に処されるまでの経緯が自然であること

(2)ムチ打ちの程度があまりにもひどく、敵に寝返ることが自然に見えること

(3)それらの一部始終を、敵のスパイが見ていること

つまり、偽装とは思えないほど重い刑罰を、敵のスパイに目撃させることが、成功の秘訣だったわけです。

身内(=肉)を苦しめれば苦しめるほど、敵はだまされるわけで、ムチ打ちのリアリティーがカギですね。

「苦肉の策」とは、それほどまでに味方を痛めつけることを前提とした計略なわけです。

なので「苦し紛れにひねり出した妙案」ぐらいの意味で「苦肉の策」を使うのは、厳密には間違っています。

苦肉の策とは、「自らを傷つけて相手をだまし、信用させて油断を誘うこと」とすべきでしょう。

その意味では今日のブログも、苦肉の策と言うにはおこがましい、単なる苦し紛れのダジャレネタです。

インフル季節に突入

来月からインフルエンザワクチンの接種を始めますが、すでに熊本でもインフルエンザが発生しています。

当院ではまだインフルエンザと診断した方は出ていませんが、近隣では複数の発症者がいると聞きました。

流行が早ければ、予防接種と並行して治療も行うようなシーズンになるかもしれません。

インフルエンザワクチンのネット予約状況を見てみると、すでに200人程度の予約が入っています。

例年同様に、土日祝日から順に予約枠が埋まっているようですが、まだまだどの日にも空きはあります。

スムーズな接種のために今年とくに工夫したいことは、子どもの定期接種ワクチンとの同時接種です。

当院ではこれまで、インフルエンザと他のワクチンとの同時接種を、積極的に勧めてきました。

効率よく接種を進めることで、できるだけ早く、お子さんの免疫を獲得してもらうためです。

その方針は今後も変わりませんが、予約の取り方には配慮(というか一種の制限)は必要だと思います。

インフルエンザワクチンの接種枠に、多数の同時接種が入り込むと、時間通りに接種できなくなるからです。

同時接種をご希望の方にはぜひ、インフルのネット予約後早めに連絡していただくよう、お願いしています。

インフルエンザワクチンは例年と同様のものですが、治療薬は、今シーズンから大きく変わります。

「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2344.html" target="_blank" title="ゾフルーザ">ゾフルーザ</a>」という、1回内服するだけの、新しい作用機序の抗インフルエンザ薬が加わったからです。

従来の、タミフル・リレンザ・イナビル・ラピアクタ、との使い分けは、患者さんと相談して決める予定です。

12歳以上なら、一番のお勧めはゾフルーザかもしれませんが、長所は「効果」、短所は「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2346.html" target="_blank" title="高価">高価</a>」なのです。

ホワイトボード

文書やパンフや請求書など、あらゆる紙ベースの印刷物を、私は原則としてスキャンして保存しています。

重要なものは紙のオリジナルも保管しますが、実際に参照・再利用するときに使うのはデジタルデータです。

それらはEvernoteなどのアプリで管理したり、pdfファイルのまま整理したりしています。

デジタルデータは、検索や再利用や加工のしやすさに加えて、異なる端末で同期できるところが良いですね。

さらに最近では、ちょっとした覚え書きなどを書くのにも、MacやiPhoneを使うようになりました。

電話は、その内容をMacやiPhoneにメモしながら通話するので、紙のメモのような散逸もなくなりました。

では、これが理想的な状態なのかと言えば、否。デジタルメモではできないこともあります。

何らかの作業において、アイデアやイメージを書き出しながら考えをまとめるのは、紙でなきゃだめですね。

まあiPadを使えば、紙ベースに近い作業ができるかもしれませんが、書き殴り感が十分には表現できません。

さらに、もっとイメージを膨らませようとするときは、ホワイトボードが最もふさわしいと思います。

少なくとも私は、ボードにマーカーで書いたり消したりしながら作業するのが、いちばんはかどります。

ホワイトボードは、複数人数がプレゼンや議論に使うイメージがありますが、一人だけで使っても有効です。

頭の中のアイデアを「ブレインストーミング」的に抽出して、思考を深める作業に使えるからです。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1994.html" target="_blank" title="ドラマ『A LIFE』">ドラマ『A LIFE』</a>では、キムタクが巨大なホワイトボードに書き殴りながら、考え込むシーンがありました。

あれをマネて私も、書斎に大きなボードを設置し、作業中のいろんな事柄を書き込んで、毎日眺めています。

計画やアイデアの全体像を俯瞰できることも、大きなボードの利点。パソコンの画面じゃピンときませんね。

忘れた頃にやって来る

忘れた頃にやって来るもの。それは私の場合、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1873.html" target="_blank" title="電子カルテのシステムトラブル">電子カルテのシステムトラブル</a>ですね。もう何度も書いてます。

MacやiPhoneやクラウドストレージにおける不具合なら、だいたい自分で対処できます。

Evernoteが固まっても、Facebookの挙動がおかしくても、間違えてデータを消去しても、何も慌てません。

データは二重三重に、アプリもバックアップをとっています。ウイルスチェックも繰り返しています。

しかし、電子カルテのシステムトラブルだけは、滅多に起きないのですが、起きたら肝が冷えます。

その日の診療に、重大な支障をきたす恐れがあるからであり、私一人の不便では済まないからです。

今朝7時過ぎに出勤後、電子カルテを立ち上げたところ、いままでに見たこともないアラートが出ました。

受付の端末が立ち上がりません。でも診察室は問題なし。てことは、サーバーやネットワークの問題ではない。

そうこうするうちに、診察室のMacもおかしくなった。最終的には全滅。全身から脂汗。お腹も痛くなる。

職員が出勤してきます。電子カルテのサポートセンターは9時からの営業なので、まだ電話がつながらない。

しかし9時前になると患者さんもちらほら現れる。電子カルテは使えず、診療録の記載どころか受付も不可能。

こうなったら、電子カルテのデータベースを総替えじゃあ。保存してあったバックアップで、まるっと上書き。

おそるおそる立ち上げてみると・・・なんとかなるかも。毎日バックアップしてて良かった。

9時にサポートセンターに電話したら、データベースが壊れていたようなので、私の対処法で良かったと。

どうやら、サーバー機でクライアントも兼用していたのが問題でした。過剰な負担がかかっていたようです。

Macを1台ケチったのが間違い。しょうがないので、サーバー専用機(=新しいMac)を買うことにします。

さて、どれにしようかな♪

噴火警戒レベルは1

ふと空を見上げたら、青空を「くまモンジェット」が飛んでいました。

黄緑色の尾翼のソラシドエア版のくまモンではなく、尾翼に花柄のあるチャイナエアのくまモンジェットです。

しげしげと見たことはなかったのですが、あらためてネットで見てみたら、何とも言えない微妙な図柄ですね。

「三熊友達号」ですか。くまモン以外に、台湾の熊キャラ2匹が描かれているのですが、その片方が怖い。

週3回、台湾・高雄と往復してるようです。火・金・日の午後5時から6時ごろ、熊本空港に居るはずです。

今日は良い天気だったので、久々にBBQをしました。わが家付近からは、阿蘇の外輪山も綺麗に見えます。

最近は、あまり噴火のニュースを聞きませんが、いまの阿蘇の活動状況はどうなんでしょうね。

気象庁のサイトを見たら、「噴火警戒レベル1(活火山であることに留意)」となっていました。

「火山だってことを忘れるなよ」ぐらいの意味ですかね。忘れてはいませんが、だから何、って感じです。

伊方原子力発電所3号機の運転停止を広島高裁が<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2263.html" target="_blank" title="昨年命じた仮処分">昨年命じた仮処分</a>を、その広島高裁判が今日取り消しました。

昨年の仮処分理由は「阿蘇山の破局的噴火で、火砕流が原発に達する可能性は小さくない」ということでした。

それを取り消したのは「阿蘇山の破局的噴火の頻度は著しく小さい」との理由です。

可能性が小さくないと去年は言ったけど、よく考えたらやっぱり小さかったと、そういうことですかね。

科学的な可能性を最大限に追求することよりも、国民がどの程度深刻に考えているかを考慮したようです。

30年以内に70%という首都直下地震の確率ですら、東京での生活を危ぶむほど高い可能性ではないですから。

便秘にイチジク

便秘のお子さんが、浣腸のために来院されることがよくあります。

5日ぐらい排便がなくても元気な赤ちゃんは多いですが、そろそろ浣腸した方がよいでしょう。

5kgの体重の乳児から、50gの便が出たりします。自分の体重に置き換えてみて、あらためて驚きます。

腹痛を訴えて苦しそうな顔つきで来た幼児は、浣腸して排便した後は、明るい表情になって帰って行きます。

浣腸には「グリセリン浣腸液」を使うのが一般的です。成分はグリセリン50%です。

浣腸液を適温に温めて、専用の容器で適度な圧力で直腸内に注入しますが、重要なのは体位です。

左半身を下にした「左側臥位」で行います。この体位なら、浣腸液がS状結腸方向に流れ込み易いからです。

まちがっても、立位のままで注入してはなりません。直腸壁を損傷し、腸管穿孔をきたす危険があります。

このたび「イグノーベル賞」を受賞した「痛くない大腸検査」は、座った格好で行う内視鏡検査法でした。

たぶん、座位なら直腸の角度がちょうど良いのでしょうね。でも浣腸には不向きです。液が垂れますから。

市販の浣腸薬と言えば「イチジク浣腸」ですね。あれも成分はグリセリン50%。医薬品と同じです。

イチジクに似た形の容器が特徴ですが、最近の製品をネットで見ると、いろんな形があるようです。

長いノズルとか、フレキシブルな根元など、イチジクにこだわらない姿勢が見られます。でもイチジク製薬。

子どもの頃、カミキリムシを捕まえるときは、近所のイチジクの木を探せば、たいてい見つかりました。

でも、あのベトベトする樹液は苦手でした。イチジクに限らず、私はベトベトする食べ物は嫌いです。

もう長いことイチジクなんて食べてませんね。たまに店頭で見かけると懐かしく感じますが、でも買いません。

干した実は緩下剤になるといいますから、イチジク浣腸とは便秘つながりがあると言えばあるか(苦しい)。

誤飲と誤嚥

「子どもがタバコを食べた」「オモチャを飲み込んだ」などという電話相談を、ときどき受けます。

毒物か、腐食性があるか、尖っているか、そしてお子さんの様子はどうか。

誤飲・誤食したモノの内容や子どもの病状によっては、日赤などの救急病院に直行していただきます。

子どもが口にするモノは、さまざまです。保護者の方におかれましては、くれぐれもご注意ください。

「誤飲」「誤食」「誤嚥」の3つの言葉は混同されやすく、そもそも、厳密な定義があるのかも疑問です。

昔は、これらの意味をひっくるめて、広い意味で「誤嚥」を使っていたような気がします。

しかし最近では、「誤嚥」は「飲み込むべきモノを誤って気道に吸い込んでしまうこと」の意味で使います。

その一方で「誤飲」は、「飲み込んではならないモノを誤って嚥下してしまうこと」です。

つまり、誤って嚥下してしまったのが「誤飲」で、ちゃんと嚥下できなかった場合が「誤嚥」です。

日本語的には、しっくりきませんね。

「飲み込む(=嚥下する)」ことを英語で “swallow” といいますが、「ツバメ(燕)」も “swallow” です。

当然、両者は同語源かと思いきや、そうでもない。スペルが同じなのは、偶然の一致のようですね。

中学生時代に、スズメの “sparrow” と、ツバメの “swallow” を、私はよく混同していました。

で、私なりの覚え方。「進め!、じゃないのが、座ろう!」

耳うどん使えねえ

新型iPhoneが昨日発売されたというのに、お前のブログには何も書かんのか、というご意見を頂戴しました。

あのね、刺激しないでください。せっかく今回はパスしようと思ってるんだから。<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2536.html" target="_blank" title="先日">先日</a>そう言ったでしょう。

報道も穏やかで、昨年と比べるとまったく盛り上がっていない気もして、私もあえて触れたくないのです。

昨日発売されたiPhoneは、「XS」と「XS Max」の2機種。さらに10月26日には「XR」が発売されます。

あるニュースでは「XS」のことを「エックスエス」と紹介し、番組の最後で「テンエス」と訂正してました。

「XS Max」に至っては、「クリスマス」って言うんじゃないかと、ヒヤヒヤしてました(うそ)。

昨年発売された(そして私も使っている)「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2237.html" target="_blank" title="iPhone X (テン)">iPhone X (テン)</a>」の読み方を、皆さんお忘れなのでしょうか。

「X」は過去最高に良いiPhoneだと、私は思います。もちろん毎年、前年よりも良くなっていくはずです。

不満があるとすれば、診療中にマスク付けたままだと、顔認証が利かないことぐらいでしょうか。

そうそう。不満話で言うなら、イヤホンの「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2475.html" target="_blank" title="AirPods(耳うどん)">AirPods(耳うどん)</a>」では、時々困った目に遭いますね。

いま、たいていの旅客機は、Wi-Fi完備でインターネットにつながるし、Bluetoothによる通信もできます。

ところがたまに、Wi-Fiもなけりゃ、Bluetoothも禁止という、「使えねえ」機材に当たります。

どうやら、通信電波に対する「耐性」が、飛行機によって違うらしいですね。

国土交通省による航空機区分でいうところの「タイプ I 」なら耐性あり、「タイプ II 」なら耐性なし。

B767やB737の一部にタイプ II の機材があり、Bluetoothが使えません。なのでAirPodsも使用不可です。

そんな時のためだけに、AirPodsのほかに有線のイヤホンを持ち歩く気にはなりません。

シンプルでスタイリッシュなライフスタイルを追求すると、ときどきこのような、不便な目に遭うのです。

「耳うどんがスタイリッシュなのか?」とは、言いっこナシです。

母子手帳の2つの番号

熊本市の母子手帳(親子健康手帳)の表紙には、氏名等のほかに熊本市固有の2つの番号が記載されています。

(1)親子健康手帳交付番号(本稿では、母子手帳番号とします)

(2)予防接種・乳幼児健診番号(通称、予防接種番号)

前者は妊娠中には必要かもしれませんが、出産後十数年間ずっと必要なのは後者の予防接種番号です。

問題は、この両者がともに「9」から始まる9桁の数字だということです。見た目がそっくりなのです。

母子手帳番号は、手帳が交付された際に、手書きで記入されます。

予防接種番号は、出産後にシールで交付され、母子手帳の表紙裏にそのシールを貼る場所が作ってあります。

シールを貼れば別の場所に書き写す必要はないので、表面の予防接種番号欄は空欄の場合が多いようです。

その結果、母子手帳の表には、予防接種番号にそっくりな母子手帳番号だけが記載された形になります。

お子さんの予防接種の予診票は、保護者の方(たいていは母親)が記載します。

その予診票に、予防接種番号の記入欄がありますが、ときどき、間違えて母子手帳番号を記入する方がいます。

でも保護者の不注意は責められません。紛らわしい別の番号が存在することが、そもそも問題なのです。

これは明らかに、熊本市のシステムの不備です。危機管理の観点からは、避けなければならないことです。

わざわざ混同しやすい2種類の番号を作った、その企画立案者のセンスを疑います。