判官贔屓を反省

勝って当然の大阪桐蔭と、奇跡的な快進撃で史上初の東北勢優勝を目指す金足農業。

第100回全国高校野球選手権記念大会の決勝戦は、点数が大きく開く結末となりました。

数日前から今朝まで、メディアは金足農業の快進撃を詳細に報じ、その優勝をおおいに期待する論調でした。

強豪に対して果敢に挑む弱者に同情し応援する、日本人特有の「判官贔屓」の世論が盛り上がっていました。

大阪桐蔭に恨みはないですが、私も金足農業の優勝を期待して、テレビの前に座って応援しました。

ところが、結果はご存じの通りの一方的な展開となりました。

初回のワイルドピッチでイヤな雰囲気になり、4回には3ランを打たれても、まだ逆転を期待しました。

しかし、5回に6点という大量点をとられて12対1となった時点で、私は試合を見るのを止めました。

負けに傾いている金足が、執拗にに打ちのめされ続ける光景を、辛くてもう見ることができなかったのです。

金足の頑張りを最後まで見届けなかったのは、申し訳ありませんでした。

もちろん、単に両校の歴然とした実力差を見せつけられただけかもしれません。

トーナメントの決勝戦は、理論的には段違いの実力差があるチームの決戦となる可能性はあります。

今日の一方的な試合展開の原因には、両校の選手層の違いや試合スケジュールの問題もあるのでしょう。

試合直前まで金足農業を「判官贔屓」して加熱していた報道は、大阪桐蔭の選手には申し訳ないことでした。

修善寺の増進会

「名門Z会、とまらぬ膨張」という日経記事に、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1317.html" target="_blank" title="Z会">Z会</a>にハマっていた高校時代を懐かしく思い出しました。

私がハマっていた理由は、

・全国の会員のレベルがきわめて高く(開成・灘・ラサールなどが常連)、チャレンジしがいがあった

・点数順に名前(ペンネーム)が掲載され、励みになった

・満点であれば、答案の先着順に掲載されるので、時間との闘いになり、それも楽しかった

いまでこそ幅広く事業展開しているZ会ですが、当時は高校生向け添削コースのみの、通信教育会社でした。

問題用紙が自宅に届くと、それを学校に持って行き、下校時に図書館に寄って答案を書くのが常でした。

図書館から帰る途中で郵便局に直行し、Z会に速達で返送します。

満点を取った場合に備えて、ランキングのトップに名前が掲載されるために、一刻も早く返送するのです。

そのようにして後日、成績が掲載された冊子が届くと、自分の順位がトップかどうかを真っ先に確認しました。

満点の受験生だけでも何十人もいるので、その中の1位になったときには、喜びもひとしおでした。

そういえばZ会の答案の送り先は、静岡の修善寺郵便局管内だったと記憶します(たぶん)。

全国の受験生を相手にする会社が、どうして修善寺のような田舎にあるんだろうと、当時は思ってました。

いま調べたら、最初は新宿にあったものの、戦時中に伊豆に疎開したそうですね。いまなお本社は静岡県です。

通信教育ですから、日本のどこにあっても大差ないのかもしれません。IT化が進めばなおさらですね。

個人情報漏洩携帯端末

「GAFAと呼ばないで」

少し前に目にした日経の見出しですが、これ絶対、昔のドラマ『パパと呼ばないで』に引っかけてますよね。

そのドラマに子役で出ていた杉田かおるは当時7歳ですか。あの頃は可愛かった(今は見る影もありません)。

それはともかく、「GAFA」というのは、Google/Apple/Facebook/Amazonという、ITの巨人の頭文字。

良くも悪くも、世界の人々の生活を一変させ、経済活動をも牛耳ろうとしている企業です。

さらに、検索歴や、購買歴や、SNSなどから、あらゆる個人情報を収集しまくっているともいわれます。

ただし、私がApple信者だから言うわけじゃありませんが、Appleだけは<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2369.html" target="_blank" title="個人情報では商売しない">個人情報では商売しない</a>企業のはず。

前述した「GAFAと呼ばないで」の記事も、Appleを他の企業と一緒くたにするな、という趣旨でした。

AppleのクックCEOはかなり堅物なので、彼の目の黒いうちは個人情報に関する方針転換はないでしょう。

その頑固な理念が原因で経営が傾いたら、彼もかつてのジョブズのようにAppleを追い出されるのでしょうか。

Appleの対極にあるのが<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2390.html" target="_blank" title="Facebook">Facebook</a>。もともと個人情報を扱うのが目的の企業ですが、近年やり過ぎ気味です。

ユーザーは20億人を擁し、投稿などの内容だけでなく、スマホやパソコン内の情報も取得しているとか。

アドレス帳やメールの履歴からアドレスを探り、世界中の人々の「人間関係」を分析しているともいわれます。

さらに、最近読んだIT記事では、Facebookが最近、次のような不気味な特許を取得・出願したとありました。

・2つのスマホが同時に同じ場所に存在していることで「知り合いかも」の候補を見つける

・2つのスマホの加速度計とジャイロスコープで、2人が向かい合ってるか一緒に歩いているを判断する

・カメラに付着したホコリを基に、異なる端末から画像をアップロードしても、同じカメラで撮影したと判断

われわれは常に、自分の位置・向き・加速度・音声の情報を、無意識に、どこかに送り続けているわけです。

個人情報の漏洩を防ぐためには、スマホの利用を制限するしかないですが、現代人にそれができるかどうか。

トンボ王国・さが

「ブン蚊都市」と言えば、佐賀市の別称でした。なにしろクリークなどの水路が多くて、蚊の天国なのです。

そこで佐賀市は、「トンボ王国・さが」事業を、平成元年に始めました。

水辺の浄化運動のシンボルとして、蚊を捕食するトンボを育てて増やそうというわけです。

トンボが蚊を食べるだけでなく、トンボの幼虫「ヤゴ」は蚊の幼虫「ボウフラ」を食べてくれます。

私は平成4年からの3年間、佐賀市に居住していましたが、蚊で悩んだ記憶がありません。

すでにその頃には蚊が減っていたか、単に私が覚えていないだけか、どちらかです。

いま通勤時に自転車で走る農道では、ちょうどこの時期ぐらいから、赤トンボがたくさん飛んでいます。

私の顔に衝突してくる「ユスリカ」も、トンボが多少は食べてくれているのかもしれません。

今日のネット記事に、「アメリカザリガニ」がヤゴを食べてしまう問題が、紹介してありました。

ザリガニのいる川では、ヤゴが減ってボウフラが多いとのこと。これはいけませんね。

こんなことなら子どもの頃に、ザリガニをもっとたくさん捕まえときゃよかった。

それどころか私は、幼少期にヤゴも捕まえてました。トンボが益虫だとは知らなかったのです。申し訳ない。

トンボに糸をつけて飛ばすのは、子どもの定番の遊びですが、今思うとちょっと、かわいそうです。

でもアレを何匹か窓際で飛ばせば、蚊の侵入を防止できるかもしれませんね。やりませんけど。

蚊の時期到来

今日は良く晴れたわりに、昨日までよりも少し、空気を涼しく感じました。

午前中に散髪して、帰り道でふと空を見上げると、秋っぽい雲が高く薄くたなびいていました。

そして、庭に出ると、蚊です。猛暑のために活動が低下していた蚊が、そろそろ活発に動き始めそうです。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2506.html" target="_blank" title="3日前にBBQ">3日前にBBQ</a>をしたときには蚊の心配がありませんでしたが、今後は確実に虫除けスプレーが必要ですね。

奇しくも2日前、熊本県に<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-702.html" target="_blank" title="日本脳炎注意報">日本脳炎注意報</a>が発令されました。

県内のブタの血清から、日本脳炎ウイルス遺伝子が検出されたためです。

このようなブタを吸血した蚊がウイルスを媒介し、次に刺したヒトに感染させます。

多くは不顕性感染(感染しても発症しない)ですが、100〜1000人に1人が発病するとされています。

6〜16日の潜伏期の後、高熱・神経症状・痙攣・意識障害などが起きます。

2010〜2017年の発症者は42人(年平均5.25人)。患者数が多いのは、福岡・長崎・熊本の3県でした。

やはり熊本のお子さんには、早めの予防接種をお勧めしたいところです。

日本脳炎ワクチンは、3歳・3歳・4歳・9歳、と4回の接種を受けるのが標準的な定期接種のタイミングです。

しかし近年、1歳児や<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1445.html" target="_blank" title="0歳児">0歳児</a>が日本脳炎を発症したことを考慮すると、3歳からの接種開始では遅いようです。

当院では、BCG接種の4週間後(0歳6カ月)からワクチンの接種を始めるよう、お勧めしています。

過去の一時期、積極的勧奨接種が中断されていたため、日本脳炎ワクチンには<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-635.html" target="_blank" title="特例接種">特例接種</a>が設定されています。

勧奨接種中断中に定期接種の機会を逸したお子さんを、救済するためです。

毎年の患者数が5人程度だというのに、日本脳炎の予防に対してはかなり手厚い救済措置となっています。

一方で、毎年の患者数が1万人で、そのうち3千人が亡くなっている感染症の予防接種が、滞っています。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2339.html" target="_blank" title="HPVワクチン">HPVワクチン</a>(子宮頸がん予防ワクチン)です。もう5年以上も、積極的勧奨接種が中断しています。

いつになったら勧奨接種が再開するのか。いいかげん真面目に考えてもらえませんかね。もちろん救済措置も。

新元号の発表時期

「次の元号を(早々と)発表するのは(今上天皇に)失礼だ」

小林よしのり氏が、昨日のブログでそう書いていましたが、惜しい。もっと踏み込んでほしかった。私なら、

「次の元号を発表するのは、改元の当日(5月1日)の朝に限る」

官公庁等の情報システムの改修に要する時間を考慮して、4月1日に新元号を公表するのが政府の方針です。

もう、カレンダー業界は完全に諦めてますね。来年は、元号抜き・西暦のみの表記にするしかありません。

カレンダーが西暦単独の年表示になれば、国民の元号への親しみが減ってしまうことになるでのしょうか。

このまま元号は急速に形骸化して、単なる文化遺産になるのでしょうか。いや、私はそうは思いません。

その証拠に、平成の元号が発表されたのは平成が始まる前日でしたが、平成はその後しっかり定着しました。

平成元年のカレンダーには、少なくとも発売当初は、平成の「へ」の字もなかったはずなのに、です。

昭和天皇が崩御した昭和64年1月7日に「昭和」が終わり、その翌日から日本は「平成」の世に突入しました。

小渕官房長官(当時)が閣議後に提示した新元号「平成」の2文字に、国民は新時代への希望を抱きました。

天皇崩御という暗く重い出来事に沈む日本を立ち直らせるためにも、改元は大きな意義があったと思います。

古代から、改元には新しい時代を築く役割と力があったはずです。

だからこそ、早々と新元号が発表されてしまうと、残る平成の日々がレイムダック化してしまうと思うのです。

人々が新元号に未来を感じて希望を託す一方で、平成という言葉は急速に色あせて陳腐化することでしょう。

平成の終焉を最後まで見届け、新しい時代に希望を託すためには、新元号の発表は遅ければ遅いほど望ましい。

だから新元号の発表は、改元の当日(5月1日)の朝がベストだと思います。

施行上の問題があるのなら、百歩譲って改元前日(4月30日)の夜ではいかがですか。それ以上は譲れません。

ボランティアの師匠

山口県の周防大島町で3日前から行方不明になっていた2歳の男児は、今朝無事発見されました。よかった。

外傷や溺水や熱中症も心配される状況でしたが、発見時に脱水はあったものの比較的元気だったとのこと。

男の子は山口県防府市に住んでおり、周防大島町は母方の実家がある場所でした。

防府市といえば、私が小・中・高校時代を過ごした故郷であり、周防大島町は私の父の実家がある場所です。

偶然とはいえ、男の子と私にはそのような共通点があり、今回の出来事も他人事ではありませんでした。

夏休みになると毎年、私は約1カ月間、大島の父の実家で過ごすのが恒例でした。

農作業に出かける祖父に連れられて近所のみかん山に登ったり、従兄弟と海で泳いだりする日々でした。

私もみかん山で道に迷ったことがありますが、急斜面が多くて、歩き回れば回るほど体力を消耗します。

山道を走って降りてたら転んで斜面をズズ〜っとすべり、危うく崖から落ちそうになったこともありました。

男の子を発見したのは、大分県から捜索に来ていたボランティアの男性。尾畠さん78歳。いまや有名人です。

「子どもというのは不思議なもので、上に上るのが好き」と考えて、上の方を探したら見つかったとのこと。

そう簡単に言いますけど、大規模な捜索でも発見できなかった男児を、あっさり見つけたのはほぼ神業です。

これまでも、震災や豪雨などの被災地にかけつけて、ボランティア活動をしてきた方だそうですね。

趣味で始めた登山から、登山道の整備活動に入り、その活動範囲がさらに広がって現在に至るのでしょう。

ボランティアに「プロ」はないでしょうけど、エキスパートですね。仲間からは「師匠」と呼ばれていたとか。

熊本地震のときにも来てくれていたようで、まことにありがとうございました。

猛暑のBBQ

バカみたいに暑かった今日、よりによってBBQを敢行した私はバカでしょうか。

今日は娘夫婦が泊まりに来たので、夕方はBBQです。炎天下、汗だくになりながら準備しました。

日頃のBBQでは炭火からの輻射熱がひどく熱いですが、今日の熱さは別格。なにしろまず大気が熱すぎる。

ステーキとローストビーフは、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2061.html" target="_blank" title="肉の中心温度">肉の中心温度</a>を測定しながら焼くのがいつもの手順。

タニタの温度計をときどき肉に刺すのですが、刺す前から表示温度がすでに42度だったのには驚きました。

だから最初のうちは、温度計を肉に刺したら温度計の温度がどんどん下がるという、見慣れぬ光景でした。

そうこうするうちに、中心温度が54〜56度になったところで火からおろします。

アルミホイルに肉を包み、木のまな板の上にしらばく置いて内部まで火が通るのを待ちます。

ステーキもローストビーフも、今日はわずかに火が通り過ぎだった気もしますが、おおむね良い火加減でした。

トウモロコシは、ちょっと目を離しているうちに黒焦げになりましたが、食べてみると香ばしくて美味かった。

考えてみると、今日は炭の燃え方が異常に早かった気がします。環境温が高かったせいなのでしょうか。

追加の炭をだいぶ投入しましたが、それが間に合わないぐらいでした。

さいわいに、BBQの最中に蚊に刺されることがありませんでした。

気温が35度を超えると、蚊の活動性が低下するそうですね。これは猛暑の、数少ないメリットですかね。

お盆に片付け

朝からの<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2140.html" target="_blank" title="お墓参り">お墓参り</a>は例年通りですが、その後、昨年のようにサイクリングをする気にはなれませんでした。

まあ暑い。「今年は特に暑い」と感じるのは、たぶん錯覚だと私は思ってるのですが、とにかく暑い。

熊本市営の桃尾墓園は、数年前はまだ空き地も多かったのですが、いまではお墓がびっしりです。

雑草が伸び放題に伸びていて、ひどく暑苦しい状態でした。草刈りをしてもたぶん、すぐ伸びてしまうのです。

カンカン照りの日差しで肌に痛みを感じる中、上空を飛ぶジェット機の轟音がでからだが焦げそうに感じます。

この墓園は熊本空港にほど近く、滑走路の西の延長線上にあるので、旅客機はかなり低空で真上を飛ぶのです。

飛行機から見ると、西側から着陸する場合は、まず墓園が目に入り、ゴルフ場が見えたらすぐ着陸です。

今日、その熱い音源を見上げると、Solaseed Air機が、いまから着陸しようとしているところでした。

こういうのはどうしても、あとから便名などを調べてしまいますね。どれどれ、羽田からの到着便ですか。

このB737-800は、今日は羽田-熊本間を2往復したあと、羽田-宮崎を1往復したようです。お疲れっす。

墓参りのあとはクリニックで書類整理をして、午後は珍しく、自宅の書斎を片付けました(少し)。

これだけ暑いと、掃除も冷房を効かせてやっても、汗だくです。休憩ばかり取ることになります。

ちぇすと行け!

大河ドラマ『西郷どん』の締めはいつも、「ちぇすと!、きばれ!」という西田敏行氏のナレーションです。

「ちぇすと」という鹿児島弁の意味は、なんとなくわかります。気合いを入れるための、かけ声でしょうね。

あらためて調べてみたら、その語源には諸説ありました。

(1)「強くすっど」→「つぇすっど」→「ちぇすと」

(2)「知恵を捨てよ」→「ちぇすてよ」→「ちぇすと」

(3)「胸(CHEST)を狙え」

このうち私は、いちばん突拍子もない(3)を支持しますね。だって鹿児島弁の語源が英語だなんて、面白い。

日常語で「胸」と言えば、おもに上半身の前の部分を指しますが、これは英語では “breast” です。

英語の “chest” は日本語とは異なり、頚部と腹部の間の胴体全部を指します。

医学用語では、胸部にはしばしば “thorax” という言葉を使い、「胸部外科」なら “thoracic surgery” です。

『CHEST』という名前の医学雑誌があります。胸部疾患に関する臨床・研究論文を掲載する英文雑誌です。

実はこれは、私が医者になって最初に著者に名を連ねた英文誌です。

もちろん自分では何も執筆しておらず、先輩医師のお情けで「共著者」にしてもらっただけです。

でも、その有名な医学雑誌に自分の名前が印刷されているのを見ると、励みになりましたね。

次は自分が「筆頭著者」になる!(=自分が論文を執筆するぞ!)と、やる気が出てくるものです。

前述の先輩は、『CHEST』は意外と審査が甘いから、頑張って論文を投稿したらどうかと勧めてくれました。

まさに「チェスト行け!」なわけですが、残念ながら私は、先輩の期待に沿うことはできませんでした。