素早く縫合しメッツェンで糸を切る。手術操作のシーンはそればっかりの『<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2434.html" target="_blank" title="ブラックペアン">ブラックペアン</a>』第8話。
ドラマ全体(たぶん、全10話)の終盤に近づいてきたので、人間ドラマ的側面がメインになってきました。
おかげで手術シーンはますます減っています。
おまけに「手術支援ロボット・カエサル」による手術操作が主体なので、術野(心臓)がほとんど見えません。
しかし、術野に頼らず、トラブルと怒号によってリアリティーを出そうという手法は、今日も健在でした。
外科医はしばしば、手術中には人が変わったように、せっかちで、自己中心的で、荒っぽくなります。
自分が思った通りに、助手や看護師やその他のスタッフが動いてくれないとき、ひどくイラつくのです。
いやそれ以上に、自分がイメージした通りに自分の手が動かないとき、もっとイラつき、周囲にあたるのです。
その反対に、自分の手が思い通りに動いたときは、きわめて温和で寛大な気持ちになります。
助手が少々ヘマをしてもすぐ対処でき、イラつきません。手術の出来不出来は結局、執刀医が左右するのです。
逆説的な言い方ですが、いちばんイラつかない方法は、助手をあてにしないことかもしれません。
一流の外科医はしばしば、助手の動きを限定し、基本的には一人で黙々と執刀します。
助手はまるでロボットのように、その手を執刀医に操られ、動かされたり固定されたりします。
ロボットなので、その動きの責任はすべて、執刀医にあります。
もしも執刀医が怒鳴ることがあるとすれば、助手が人間的な(勝手な、未熟な)動きをしたときでしょう。
助手がヘマして執刀医が逆上、そこへ現れた主人公がうまく処理する。ちょうどこのドラマのお約束ですね。