「麻しん対策の更なる徹底について(協力依頼)」という通達が、厚労省から出されています。
「更なる」という文言からも、今まで以上の、もっとツッコんだ対策が求められているようです。
厚労省のサイトには、「ゴールデンウィークにおける海外での感染症予防について」というページがあります。
<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2123.html" target="_blank" title="以前">以前</a>ご紹介した、「蚊意外にキケンあり」のようなダジャレ満載のポスターがダウンロードできるページです。
いま修正するなら「蚊以外にキケンあり」でしょうか。麻疹は人から直接、空気感染する病気です。
昨年7月に厚労省が作成した「みんなで目指そう『麻しんがゼロ』」のポスターが、いま再登板しています。
「マジンガーZ」をメインキャラクター(?)にしたそのポスターを、当院でも慌てて2カ所に貼りました。
昨年あれほど大騒ぎしたのに、今年もまた流行しているのは、一定の年齢層の予防接種率が低いからです。
だからいま、30代や40代の成人が、MRワクチンの接種のために毎日のように来院されます。
麻疹の撲滅を目指して、MRワクチンの<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-88.html" target="_blank" title="2回の定期接種">2回の定期接種</a>(1歳と年長)が始まったのは、平成18年度でした。
平成20年からは、2回の接種を受けられなかった世代を救済すべく、中1と高3へも暫定接種が行われました。
この5年間の暫定措置を経て、理論上は、いま27歳以下の方はMRワクチンを2回接種しているはずです。
ところが、当時の高3への第4期の接種率は、あまり高くありませんでした。
その定期接種を逃した方と、28歳以上で麻疹の罹患歴のない方々がいま、麻疹感染のリスクが高い世代です。
その意味では、30代でも40代でもそれ以上でもリスクは同じ。ワクチンの接種が必要です。
現実的な問題は、ワクチンの任意接種料金が高いことです。
比較的安価な麻疹単独ワクチンの流通量がきわめて少なく、代用のMRワクチンだと約1万円かかります。
「麻しんがゼロ」の更なる徹底を目指すなら、風疹同様に、国か自治体の助成制度を立ち上げるべきです。
(補足)医学的には普通「麻疹」と書きますが、お役所文書は「麻しん」表記なのでそのままにしています。
(蛇足)風疹抗体価が低い方は、風疹予防の名目でMRワクチンの助成を受けられる可能性(裏技)があります。