詭弁を弄し通す

官僚の言い訳答弁は、これまでに何度も聞いてきましたが、柳瀬唯夫元首相秘書官には恐れ入ります。

「面会した記憶はない」とに突っぱねてきた柳瀬氏ですが、だんだん言い訳が利かなくなり、

「面会したけどそんなこと言ってない」と軌道修正。それでも言い訳が苦しくなると、

「発言はしたけど趣旨が違う」という具合に、ついに切り抜けてしまいました。

たとえほんの1分前に喋ったことでも、証拠が無ければ、そんな事は言ってないと否定することは可能です。

だれかがその発言をメモしていたとしても、そんな趣旨で言ったのではないと、突っぱねることができます。

面の皮が厚ければ、そしてどうしても否定する必要性があれば、このように切り抜ける事ができるのですね。

重要な会談・面談では、会話を録音しておかなければ、いくらメモが残っていてもダメなのでしょうか。

いやたとえ録音していても、「一部を切り取った」とか「はめられた」などとと否定されるのがオチかも。

官僚の方々は、所属官庁や自分の部署に利益を誘導するための「作文」に長けています。それが仕事ですから。

その才能を生かして口で喋れば、それは「屁理屈」または「詭弁」ということになります。

屁理屈は最後まで押し通し、言い訳は言い切る。その一貫した姿勢が、官僚の強みなのか(弱みなのか)。

まあその官僚も、一部の政治家には負けますけどね。とくに麻生太郎(あさ・なまたろう)氏など。

TVドラマに異議あり

ドラマ『ブラックペアン』に異議ありと、日本臨床薬理学会がTBSに抗議したという話。

架空ドラマにそこまでムキにならなくても、とは思うのですが、学会にも言い分があるのでしょう。

医者への接待を繰り返す「治験コーディネーター」の描かれ方が、現実とはまったく異なるのが問題だと。

医学部や病院や医者をどれほど汚く、あくどく、あるいは荒唐無稽に描いても、だれも文句はいいません。

しかし、あまり知られていない職業の治験コーディネーターを悪く描くと、一般人の誤解を招くというのです。

たしかに『<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2406.html" target="_blank" title="ブラックペアン">ブラックペアン</a>』では、治験コーディネーターの露骨な接待が、強調して描かれています。

しかしこれも、ドラマを面白くするための演出なので、目くじらを立てる必要などまったくありません。

学会の立場や心配もわかりますが、視聴者はそんなに単純じゃないですよ。

破天荒な主人公も、教授たちの確執も、コーディネーターの接待も、みなフィクションだとわかってます。

それぞれが、ひどく極端な人物として描かれていることなど、百も承知。それがドラマなのです。

それを真に受けてテレビ局に抗議するなど、学会は医療ドラマのいい加減さをわかってないのでしょうか。

それとも、アホなフィクションに対してわざとマジギレしてみせるという、学会の高度なジョークなのか。

そして衣笠に並ぶ

当ブログは、6年前の4月16日からずっと、連続投稿記録を更新中です。

今日でちょうど、2215回連続になりました。数の上では、衣笠祥雄氏の連続出場記録に並んだわけです。

衣笠氏が「鉄人」なら、私は「跌人」か。いや、これはウケる。

かように、どうでもいいことを書くのが当ブログの特色ですので、ご存じとは思いますが、念押ししときます。

診療においてはしかし、このようなオカシナ事ばかりを言ってはおれません。

とくにお子さんのお母さん方は、とても真剣です。何でもきちんと説明して、安心させてあげることが大事。

一方で、安定した生活習慣病の中高年女性は、世間話や多少の軽口がお好きなようです。

私がオカシナ事をしゃべっても、笑顔で受け入れてくれるので、助かります。

良い季節なのに、行きがかり上、私はまだ自転車通勤を再開していません。

農道を走る私の姿を今年はまだ見かけないのだが、どうしたのですか、というご指摘も頂戴しています。

開業して10年半を経て、私もだいぶ、地域に溶け込んできたようです。

私事ですが、本日、初孫が誕生しました。女の子です。まだ顔は見てませんが、可愛いにきまってます。

「そして爺になる」なんてフレーズを、軽やかに思い浮かべました。

人生100年時代

「人生100年時代」の到来については、だいぶ前から議論されていますが、いつもホットな話題です。

平成28年簡易生命表によると、日本人の平均寿命は、男が80.98年、女が87.14年でした。

私はいま、57.5歳。<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-938.html" target="_blank" title="平均余命">平均余命</a>は約25.8年なので、平均的には83.3歳まで生きる計算になります。

でもってその83歳になると平均余命はまだ7.3年あり、90歳になっても4.3年、94歳でも3.1年残っています。

さらに97歳になっても2.4年、99歳で2.1年、101歳でも1.7年の余命が残っています。

まるでアキレスと亀のように、余命まで生きたらまた次の余命があり、際限なく生き続けていくのです。

先月、世界最高齢だった鹿児島県喜界島の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2176.html" target="_blank" title="田島ナビさん">田島ナビさん</a>が、117歳8カ月で亡くなりました。

19世紀最後の年(1900年)から今世紀まで、足かけ3世紀生きた方でした。

足かけ3世紀生きた有名人と言えば、英国のトーマス・パーでしょう。愛称「オールドパー」で知られます。

152歳まで生きたというのは伝説だとしても、当時(15〜17世紀)としてはかなり長生きした人物のはず。

彼にちなんで名づけられたスコッチウイスキー(ブレンデッド)は、かつて私のお気に入りでした。

最近は、ウイスキーはその個性的な香りが重要なのだと思って、私は<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2206.html" target="_blank" title="シングルモルト">シングルモルト</a>中心に飲んできました。

しかしたまに、安らぎを求めてオールドパーを飲むと、そのバランスの良い深い味わいの広がりに、驚きます。

長寿社会で大事なのは、晩年の心身が健康であるかどうかです。

平均寿命と健康寿命の差は、男は8.8年、女は12.4年だといいます。女性でとくに長いのが私には意外です。

いやそれとも、男は健康問題を抱えたら一気に弱っていく、と解釈できるのかもしれません。

やがて人生100年が当たり前になるとしても、QOLの低下した晩年が長くなるだけでは、暗い未来ですね。

沖縄の麻疹90人

沖縄での麻疹患者は、合計90人になりました。5月1日〜3日の間に新たに確認された麻疹患者は8人です。

沖縄県地域保健課は、連休中も麻疹の疑い患者の精密検査を行っているようです。ご苦労さまです。

愛知県など、沖縄県外での発生患者も含めると、現在確定している3月以降の国内の麻疹患者数は123人です。

発端者の台湾人男性が沖縄を訪れたのは、3/17のことでした。

沖縄県の集計表を見ると、発端者から感染したいわゆる「一次感染者」は、3/25から症状が出始めています。

つまりこのケースでは、潜伏期は8日でした。教科書的には10〜12日とされているので、8日とは驚きます。

家庭内感染した宜野湾市の3歳女児が、4月2日に発症しています。この子が最初の「二次感染者」でしょう。

その子の感染源は、3/25に発症した一次感染者の6歳男児であろうと推測します。

となると、やはり潜伏期は8日か、兄の発症の前日から感染力があったとしても9日です。短いですね。

麻疹は、発熱の前日、発疹が出る数日前から感染力があり、発疹が消えて平熱になっても感染力が続きます。

まだ無症状なのに麻疹が感染するというのが、この病気の拡散を防ぐ上で、とても難しい点です。

しかも潜伏期は、8〜14日程度の幅をもって考えなければなりません。

いま、熊本ではインフルエンザが局所的に流行していますが、麻疹への警戒も怠るわけにはいきません。

また、ワクチンの接種を希望される方には、1日も早く接種をしてあげるのが、医療機関の務めです。

成人はもちろん、0歳児や、第2期接種を待ちきれない3,4歳児などにも、当院では接種を行っています。

熊本では絶対に麻疹を流行させない。その意気込みで、予防接種希望者は誰も断らないのが、当院の姿勢です。

エコー画像に異議あり

ドラマ『<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2399.html" target="_blank" title="ブラックペアン">ブラックペアン</a>』第3話は、今回も題材は僧帽弁手術。その一貫した姿勢に感服します。

今日は肝心の「ブラックペアン」すら登場しませんでした(たぶん)。

手術患者は2人。「僧帽弁閉鎖不全症」の若者と、「僧帽弁狭窄症」の中年男性(田崎真也氏)。

その若者の術前超音波検査風景が一瞬出ましたが、どう見ても「僧帽弁狭窄症」の画像だったので驚きました。

僧帽弁はひどく肥厚して開口が制限され、逆流もあるだろうけど確実に狭そうな弁。心拍もおそらく心房細動。

僧帽弁閉鎖不全症であれば、逆流所見をカラードプラで見せるのがてっとり早いのに、それも無い。

どこでどう間違えて、あのような画像を使ったのか。

さてはこのドラマ、本筋だけでなく間違い探しでも楽しめる趣向の、一粒で二度美味しい演出なのか。

当院では、開院以来10年間使ってきた超音波(エコー)診断装置を、ようやく買い替えることにしました。

ドラマ『<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1994.html" target="_blank" title="A LIFE">A LIFE</a>』でキムタクが使っていた、GEのノートパソコン型のエコー装置を見て、そう決断しました。

そのドラマで一瞬登場したのは、激しく逆流する大動脈弁のカラードプラ像でした。それが美しかった。

だから言ってるのです。先ほどの若者のエコー像は、色鮮やかな逆流所見でなければならなかったのです。

キムタクのエコーは、調べてみたら「定価」が3,350万円の製品でした。まったく話にならない価格です。

しかし業者から見積をとったら、500万円を切る金額が提示されました。これまたふざけた値引き価格です。

こういった医療機器の定価って、なんなのでしょうね。

結局は、ワンランク下の機種を購入することにしましたが、やはり、その値引き額は意味不明でした。

来週、当院には新しいエコー装置が登場します。やはりGEの画質は美しい、と私は思ってます。

なお、その装置を操作する医師は、キムタクではありませんので(キムタク似かどうかもわかりません)。

こども(減少憂慮)の日

総務省が昨日、子どもの人口が過去最少を記録したと報告しました。

「こどもの日にちなんで、平成30年4月1日現在におけるこどもの数(15歳未満人口)を推計しました」

総務省統計局のサイトにはそのように記載されていますが、まず、「ちなんで」ってところに違和感あり。

「こどもの日」の趣旨は子どもの健全な成長を願うことであり、人口にもっとも影響するのは「出生数」です。

いまさら驚きませんが、子ども(0〜14歳)の人口は37年連続で減少しているようです。

いまの0〜14歳が過去最少なら、20年後には20〜34歳が、30年後には30〜44歳が、過去最少になります。

もうこの先何十年もの間ずっと、大事な生産年齢人口が低迷することが、すでに約束されているわけです。

どうしてこうなる前に、抜本的な少子化対策がとられなかったのでしょうか。37年は長すぎます。

子どもの数を年齢3歳階級別に見ると、0〜2歳 < 3〜5歳 < 6〜8歳 < 9〜11歳 < 12〜14歳、でした。

今後ますます子どもの数が減っていくことが確実な、お先真っ暗な数値です。

全人口に占める子どもの割合は12.3%。米国だと18.9%もいます。国力の差は今後、開く一方でしょう。

いま国がなすべき最優先課題は、何よりもまず少子化対策。こどもを増やすことです。

子どもの人口をV字回復させられる首相がいたら、それだけでも、後世に名を残す功績だと思います。

ドラマの特殊性

あまり見てないのだけど、とか言いながらちょいちょい見ているのが、テレビドラマです。

映画もたまに、休診日にNetflixなどで鑑賞することがあります。映画館にはもう、だいぶ行ってません。

最近の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2399.html" target="_blank" title="医療系ドラマ">医療系ドラマ</a>には、ある程度のリアリティーを感じる反面、ウソのような展開もしばしば見受けます。

それが荒唐無稽なものなら、所詮フィクションかと諦めもつき、漫画を読むような視聴態度になります。

ところが、医学的にはあり得るけど、普通は遭遇しないような疾患が、平然と登場したりするのが困るのです。

そんな稀なことが起こってたまるかい、と私がツッコんで済む事じゃない。一般の方に示しがつきません。

世の中の方は、そのようなひどく特殊な疾患や病状が、日常的に医療現場で現れるのかと錯覚してしまいます。

とは思うのですが、ここで私は何十年ぶりかで、旧友・松谷君の言葉を思い出しました。

「それは描かんのよ」

そうなのです。世の中の病院や手術室で起きていることのほとんどは、そのまま描いてもドラマになりません。

滅多に起きないけどたまに起きる、ドラマティックな出来事を選んで描くからこそ、ドラマなのです。

学生時代に、仲間で8ミリ映画を製作したことがあります。松谷君はそのときの監督です。

スマホ動画でもなければ、ビデオ映像ですらない、当時はまだ、8ミリ映画の時代(の末期)でした。

その頃はよく映画を観に行きました。そして、あとで皆でああだこうだ論評したものです。そんな時代でした。

映画のストーリー展開が作為的である、普通ならこうだ、なんて議論になると、先ほどのセリフが出るのです。

「それは描かんのよ」

無線LANの危険性

街中のFREE Wi-Fiの危険性については、先日NHKも特集していましたが、今に始まったことではありません。

しかしなにしろ便利なので、出先でパソコンを使う時は、ついつい公衆無線LANにつなげてしまいます。

羽田空港でMacを使っているとき、FREE Wi-Fiにつないだらいきなり、ウイルスに感染したことがあります。

ウイルスチェックソフトが、これまで見たこともないような警告を発してきたのです。不正アクセスがあると。

もしかすると、ラウンジにいる誰かが私のMacに侵入しようとしているのかもしれません。誰?

周囲を見回すと、パソコンやスマホをいじっている人、多数。全員、容疑者。

あわててLANを切断し、すぐにウイルスチェックをかけたところ、2匹感染していました。駆除しました。

警告はありがたかったのですが、感染後の事後報告だったところが、惜しいですね。

しかも、全部駆除できたという保証もない。しばらくは毎日たびたびウイルスチェックを繰り返しました。

それでも不安なので、ウイルスチェックソフトを、それまでのESETからウイルスバスターに切替中です。

院内でも、無線LANは暗号化してはいますが、絶対安全かどうかはわかりません。

なのでインターネットにつながっている端末にはすべて、ウイルスチェックソフトを入れています。

例外的に、ネット予約システム「アイチケット」表示用のWindowsにはインストールしていません。

このPCは、アイチケット以外には利用していないので問題はないと、私はタカをくくっているのです。

だって、理論上わかっている危険性に、いちいち警戒していたら、キリが無いですよね。

・・・こういうのを「油断」というのかもしれません。

アップル売上高最高

「アップル売上高最高」という、今日の日経の見出しには、笑いました。

だってつい先日は「やはり期待外れのiPhone X」だと、Appleの凋落ぶりを同じ日経が論じていたからです。

先月Appleの株価が急落した頃に書かれたその記事を読み返してみると、おおむね次のような分析でした。

・台湾の部品供給メーカーの決算を受け、iPhone Xの販売が低迷しているとの観測が広がった。

・そもそも北米では999ドルの価格は高すぎる。中国の消費者にとっては画面が十分に大きいとはいえない。

・Appleは5月1日に決算発表を予定しているが、説得力ある巻き返し策をどこまで提示できるか。

で、ふた(決算発表)を開けてみたら、iPhoneは全体的には過去最高の売れ行きだった、と。

加えて、App StoreやApple Musicなどのサービス事業が大幅に伸びたようです。

まあ、そんなことだろうとは思っていました。Appleの業績評価は、昔からずっとこの調子です。

勢いは止まった、と言われたかと思ったら業績は見事に回復。でもまた下がる。また上がる。その繰り返し。

先進的だったMacは、90年代に低迷し、Windowsに逆転され、一時はApple身売り説までささやかれました。

どんどんWindowに流れていく友人たちを尻目に、ずっとMacを使い続けたのは、いうなれば意地でした。

そのつぶれかけた会社が、いまや株価総額世界一になりましたが、それがずっと続くとは思えません。

むしろAppleは、大きくなりすぎました。よほどのカリスマCEOがいなければ、個性は保てないと思います。

Appleの魅力はあくまで、その製品とサービスであり、私はその売上や企業規模に興味はありません。