「ドベイキー」の日

心臓外科手術トラブル逆転修復ドラマ『<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2392.html" target="_blank" title="ブラックペアン">ブラックペアン</a>』第2話は、今日も出血との戦いでした。

術式は突飛だし、あちこちのディテールには閉口しますが、全体の雰囲気は意外と、リアルですね。

左室内に脱落してしまった人工弁を取り出すシーンを書き起こすと、こんな感じでした。

「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1987.html" target="_blank" title="メッツェン">メッツェン</a>、ドベイキー」と指示し、そのドベイキーを左室内に挿入して、人工弁の取り出しを始める渡海。

「ドベイキーで、直接人工弁を捕まえるというのか?!」と驚く手術スタッフ。

「ドベイキーで人工弁を?、弁に絡んでいる心筋が見えているというのか?!」と口にする准教授。

都合3回、何の説明も無く登場した「ドベイキー」が、今日の私の「ツボ」でした。

渡海が、左室内から人工弁をつかみ出すときに使った、そのピンセットの名称こそが「ドベイキー」なのです。

ドベイキーは、細い先端部の内側に細かい歯がびっしりと付いているのが特徴。物をしっかりつかみます。

持ち手の部分にも、他のピンセットには無い独特の窪みがあって、とにかく物をつかむことに徹した構造です。

その名前は、10年前に99歳で亡くなった心臓外科のパイオニア、マイケル・ドベイキー教授に由来します。

心臓外科医にとっては神様みたいな人ですが、ロシアのエリツィン大統領の手術を指揮した事でも知られます。

「大動脈解離」という病気では、「ドベイキー分類」という分類法もよく使います。

「ドベイキー」という言葉がドラマで何度も飛び交うのを見て、「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1953.html" target="_blank" title="サテンスキー事件">サテンスキー事件</a>」を思い出しました。

リアリティーのために、何の解説もなく特殊な用語を連発するという、以前のドラマではあり得ない手法です。