選挙工作あれこれ

習近平氏は満場一致で国家主席に、プーチン氏は圧倒的な得票で大統領に、それぞれ再選されました。

習氏は終身国家主席となり、プーチン氏は大統領4期目に突入。日本の近隣は、独裁国家だらけになりました。

とくに中国の満場一致には恐ろしいモノを感じますが、一方でロシアにはどこか、不安要素がありそうですね。

ロシア大統領選挙のインチキ投票の映像には、呆れるというか、笑えます。まるでコントじゃないですか。

選挙管理委員会は、疑惑調査の結果によっては選挙結果を無効にすると言っています。

こうなると、選挙管理委員長が不審な死に方をしないことを祈るばかりです。

選挙不正といえば、最新の話題は、英国のデータ分析会社による外国の選挙への工作疑惑でしょうか。

同社のCEOが、おとり取材に対してうっかり語った選挙工作の手口は、じつに生々しい。

政敵に不正行為や破廉恥な行為をそそのかし、それを隠し撮りして映像を公開して陥れる。

映画やドラマでよく見る工作ですが、現実の世界でも行われているというわけです。

だからこそ、権力者を脅かすような人物に降って湧いたスキャンダルには、いつもうさん臭さを感じます。

例の文科省前事務次官の人格を問題にする報道も、官邸サイドからのリークのように、つい思えてしまいます。

私たちは逆に、「そのスキャンダルで誰が得をするのか」について、常に配慮すべきなのかもしれません。

春ときどきPET

約2年ぶりに「PET-CT検査」を受けてきました。愛犬の精密検査ではなく、自分のがん検診の一環です。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1704.html" target="_blank" title="前回">前回</a>は、熊本地震から復旧したばかりの、日赤の健康管理センターで検査しました。前々回も日赤です。

ところが1年前に、日赤のPET-CT診断センターは業務を止めたので、今回は済生会病院に行きました。

まず、菊陽から行くには少々遠いですね、済生会。

遅刻しないように早めに家を出たら、早く着きすぎました。とにかく、待ち時間ばかりの1日でした。

(1)受付前で、1時間待つ

(2)血液検査などの予備検査

(3)PET検査室の前で、1時間待つ

(4)説明を受けた後、ブドウ糖に似た「FDG」に放射性同位元素「フッ素18」をつけた薬剤を注射

(5)FDGが全身にいきわたり、もしもがん細胞があればそこに集まるのを、1時間ほど安静にして待つ

(6)スキャナーの中に入り、約30分かけて陽電子放出断層撮影(Positron Emission Tomography)する

(7)また安静にして1時間待つ

(8)食事

(9)1時間待つ

(10)結果説明

読み物(文庫本)を持って行くのを忘れたので、(1)と(3)と(9)は雑誌熟読でしのぎました。

PET検査中の(5)と(7)は、読書もスマホも音楽も禁止なので、ボーッと寝てるしかありません。

フッ素18の半減期は110分。明朝には、私から出る放射線量は2800分の1以下になってますので、ご安心を。

心房細動週間

昨年も書いたように3月9日は「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1983.html" target="_blank" title="脈の日">脈の日</a>」、その日から始まる1週間(3/9〜15)は「心房細動週間」でした。

このことから、脈についての最も関心をもつべき疾患は「心房細動」だと言うこともできます。

心房細動とは、心房の電気的活動が細かく不規則になり、心房が震えるように収縮する(細動)状態です。

その不規則な興奮が心室に伝導する過程で、一定の制御がかかるので、心室までが細動することはありません。

しかし心室の拍動(心拍)は不規則となり、手首で触れる脈はひどく乱れています。

このように心房細動は、脈だけでほぼ診断がつきます。だから心房細動週間は、脈の日から始まるのでしょう。

心房細動では動悸や心機能低下も起きますが、最も重要なのは心房内での血液の「うっ滞(よどみ)」です。

血液というのは、よどむと凝固して血栓ができやすくなるのです。

左心房内にできた血栓が、左心室に入り、大動脈へ拍出され、どこかに流れていくと、血管に詰まります。

それが脳の血管に詰まった場合には、脳梗塞(脳塞栓)を起こしてしまいます。

このような、心臓が原因で起きる脳梗塞を「心原性脳塞栓」といい、脳梗塞全体の2,3割を占めます。

脳血管の動脈硬化が原因で脳内で血栓ができる「脳血栓」に比べて、心原性の方が血栓が大きいのが問題。

同じ脳梗塞でも、心原性の方がより広範囲の脳が障害されるので、重篤な後遺症が残りやすいのです。

ですから心房細動の治療では、不整脈を止めることよりも、心原性脳塞栓症を防ぐことが最重要となります。

まずは、脳を守るために抗凝固薬を飲む。その次に、可能なら脈そのものを落ち着ける治療が検討されます。

抗凝固薬は、以前は「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-479.html" target="_blank" title="ワーファリン">ワーファリン</a>」だけでしたが、最近は「NOAC」という種類の新薬もよく使われます。

ワーファリンは投与量の調節のためにたびたび採血が必要で、納豆厳禁となりますが、とても安価な薬です。

一方でNOACは、用量調節不要で納豆OKですが、半減期が短いので飲み忘れると大変。しかも高額な薬です。

いずれにしても、ほぼ無症状の方に一生飲んでもらう大事な薬なので、処方の際には丁寧な説明が不可欠です。

残念ながら世の中には、心房細動なのに無治療の方がとても多いそうです。皆さん、ときどき脈を診ましょう。

A型インフルまた流行?

熊本では昨日、去年よりも15日早く、桜の開花宣言が出ました。開花が早いのは全国的な傾向のようです。

真冬の寒さと春先の暖かさが開花を早めたのだと、気象予報士の方が説明していました。

休眠していた花の芽が、一定期間の真冬の寒さによって目覚め(休眠打破)、温かい春先に成長すると。

それにしてもこのところ、昼間はそこそこ暖かいのに、朝だけはひどく寒い日が多いですね。

朝晩の血圧記録のグラフが、ひどくギザギザしている(朝が高い)患者さんが、ここにきて増えています。

おまけに、終息していたかと思っていたインフルエンザがこの数日、また流行の兆しです。

今日1日だけでも、新規のインフルエンザ患者が8名来院。すべてA型でした。

もしも当院がインフルエンザの定点医療機関なら、過去1週間の報告数は優に警報レベルを超えますけどね。

昨年11月頃、A型が出始めたかと思ったらすぐB型も流行し、1月からはB型が主流になって、いまはA型。

いったいどうなってるのか、国立感染症研究所の「ウイルス分離・検出状況」を見て、謎が解けました。

年末のA型がほとんど「A(H1)pdm09」だったのに対して、今のA型は「A(H3)」に切り替わっています。

前者はいわゆる「新型(ブタインフルエンザ)」で、後者は昔からの「季節性(A香港型)」です。

こういう流行のしかたって、最近では珍しいパターンです。

前シーズンのA型はほぼすべてA(H3)だったし、その前はすべてA(H1)pdm09で、その前はA(H3)のみ。

1年毎に交互にA(H3)とA(H1)pdm09が流行してきたのに、今期は正月をまたいで両方が流行しているのです。

もしかするとA(H3)は、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2304.html" target="_blank" title="前に危惧(予言)">前に危惧(予言)</a>したように、米国からの輸入かもしれません。

今シーズン、A型とB型の両方に罹るだけでなく、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2336.html" target="_blank" title="A型に2回罹る">A型に2回罹る</a>方も増えるかもしれませんね。ご用心を。

コンビニの客層解析

コンビニ大手3社が、10年ぶりにレジを刷新しています。

そのうちファミリーマートとローソンが、レジの客層ボタン(年齢キー)を廃止したことが話題です。

店員が客の年齢を想像してキー入力し、それを見て客が一喜一憂するという、あのボタンですね。

実際このボタンは、客の購買内容や日時と年齢を関連づけてデータ収集・解析するための、うまい仕組みです。

ボタンの撤廃を最初に決断したファミマの目的は、レジ操作を簡略化して店員の作業量を減らすことだと。

そのかわり、Tカードを使った客のカード情報から、年齢データを拾い出そうというわけです。

たしかに、客の外見で年齢を判断するのって、かなり主観的ですよね。客を観るというのに客観的じゃない。

レジが忙しいときは、店員もテキトーにボタンを押している、という話もある(ネット情報)。

それならば、ポイントカードの年齢情報を使えばいいじゃん、という発想なんでしょうね。たしかに合理的。

しかし、必ずしもカードを使わない客層があり、データ収集が偏ることを心配する向きもあります。

現に私も以前からTカードを持ってますが、一度も使ったことがありません。じゃあなぜ持ってるのかって話。

ならば、ですよ。AIで客の年齢を判定するシステムを作ってはどうでしょう。

防犯カメラの映像などを解析して、客の年齢を瞬時に判定し、レジの時点でその情報を入れ込む仕組みです。

その客がポイントカードを使えばカード情報から年齢がわかるので、AIの判断の「答合わせ」もできます。

そのようにして、AIが日々学習を繰り返せば、年齢判断の精度はますます向上するでしょう。

これって、いいアイデアじゃないですか。ていうか、もうやってたりして。

スギ花粉症がピーク

第10週(3/5〜3/11)の定点あたりインフルエンザ報告数は、第9週と比べると、さらに減っていました。

熊本市:10.96→7.04、熊本県:12.70→7.78と、熊本では警報レベルが解除される10以下となりました。

北日本ではまだ報告数が多いようですが、全国的にはようやく、流行が終息しそうです。

インフル流行期には、普通の風邪の方は受診を控える傾向があります。感染を警戒してのことでしょう。

しかし今週は、熱や上気道炎症状で来院される方が、インフルエンザではないケースが増えてきました。

そしてそれ以上に、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1986.html" target="_blank" title="スギ花粉症">スギ花粉症</a>と思われる、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目の痒みで困ってる方がとても多い。

「花粉症のようですね」と私が告げると、

「えっ、私は花粉症じゃありませんよ」と否定する方がいます。

「では、今年から花粉症なのかもしれませんね」と説明すると、なおさら困惑されることになります。

花粉症は、アレルギー体質(素因)の方が、長い年月をかけて花粉を浴びることによって起きます。

体内に、花粉に対する十分な強さの抗体が出来て初めて、花粉症の症状が出始めめるわけです。

だからスギ花粉症が50代で始まっても、何の不思議もありません。ようやくその歳になったということです。

スギのほとんどは、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-886.html" target="_blank" title="戦後に植林">戦後に植林</a>されたものだといいます。

これからは花粉の少ないスギを植林する方法によって、遠い将来、スギ花粉症は激減するかもしれません。

しかし、今後しばらく(数十年?)は、スギ花粉の飛散量は増える一方だとも言われます。悲惨です。

旧友と痛飲

「旧友と痛飲」とタイトルを書いたら、「休養と通院」というフレーズを思いついたので書き留めておきます。

今夜は、学生時代の友達との飲み会です。彼とは高校時代の3年間同級で、大学でも同じ下宿でした。

しかし学部も違う彼とは、進路もまったく異なり、今日まで30年以上、ずっと会っていませんでした。

年賀状のやりとりをするだけの関係が、30年以上続いていたわけです。

卒業し、就職し、結婚し、子どもができ、その子どもたちも、成長し、就職・結婚しました。

しかし2人の男が再会して、子育ての苦労話ばかりするわけではありません。じゃあ、何の話なのか。

実はまだ、飲んでません。出かける前に、あらかじめブログを書いているところです。

飲んで帰宅後に執筆できる自信がないので(時間的にも肉体的にも)、今のうちに書いているのです。

大いに酒を飲むことを、なぜ「痛飲」というのでしょう。

飲み過ぎて、嘔吐(胃痛)・下痢(腹痛)・二日酔い(頭痛)が起きるからなのでしょうか。

転倒打撲による全身痛もあり得ます。あと、懐も痛みますね。

辞書によると、「いたく感動した」の「いたく(痛く・甚く)」と同じく、「ひどく」の意味のようですね。

「いとおかし」の「いと」とも同語源とか。なるほど。

「痛飲」のほかに、多量の酒を飲むという意味の「○飲」という表現を探してみると、たくさんありました。

「大飲」「満飲」は良くて、「乱飲」「暴飲」は良くない。「豪飲」は中間。あきれるほど飲めば「飽飲」。

牛が水を飲むが如く飲酒することを「牛飲」というそうで、さらに「鯨飲」なんてのもある。

今宵は、心楽しく飲む「楽飲」となることでしょう。

KMバイオロジクス

「化血研(化学及血清療法研究所)」は、ご存じのように、「明治ホールディングス」の傘下に入ります。

実際に化血研の事業を引き継ぐのは、熊本に本拠を置くことになる「KMバイオロジクス」という新会社です。

小耳に挟んだ情報に寄れば、KMバイオロジクスの「K」は「熊本」「M」は「明治」から来ているとか。

この時期に思い出すのは、かつて明治製菓が持って来てくれた、バレンタインデーチョコの詰め合わせです。

当時は、お菓子メーカーの明治製菓が、医薬品も製造していたのです(いまは別会社)。

明治のMRさん(営業の方)が毎年、明治製菓のお菓子をどっさりと箱に詰め込んで、持って来てくれました。

もっとさかのぼるなら、研修医時代。明治のプロパーさん(営業の方)が、毎日のように現れました。

彼は研修医部屋(通称タコ部屋)の冷蔵庫に、ギッシリと明治のジュースを詰め込んで帰って行くのです。

来る日も来る日もひたすら、何も喋らず黙々と淡々と、冷蔵庫をジュースで一杯にすることが彼の仕事でした。

当時は他の製薬会社も、それぞれのやり方で、医者を接待するのが常でした。

規制が緩く、おまけに80年代後半のバブル期のことです。研修医ですら、接待攻撃の対象だったのです。

ところがバブル崩壊後、製薬業界の態度が一変します。

まずは、公立病院の勤務医の接待が止まり、大学病院も厳しくなり、やがてすべての接待がなくなります。

もちろん今は、私立病院や開業医も例外ではありません。その点は誤解無きようお願いします。

各社が一斉に接待をやめれば、どの会社も不利にならないという業界の示し合わせ、いうなれば談合ですか。

まあ、いいですけどね。薬剤の情報や話題については、いまやネットで十分な情報を得ることができますから。

医者が使う薬の選択を営業が左右する時代は、終わりつつあるんでしょうね。

森友問題急展開中

森友文書改ざん問題。急展開しつつあるのでコメントするのは早計とは思いますが、いちおう書いておきます。

官邸と財務省に、自民党と国交省と検察と会計検査院までからんできて、いよいよ複雑な様相ですね。

ざっとまとめると、

安倍首相に対して財務省が忖度→問題発覚(最初の森友問題)→忖度の証拠隠滅→隠滅がバレた(今回の問題)

権力者から見て忖度は、結果が良ければグッジョブ。問題が起きたら、余計なことしやがって、となります。

忖度なんていうのは本来、形のないモノ。証拠など残らないはず。残さないからこそ忖度でしょう。

それなのに、忖度することをきちんと文書にしたのが間違い。どうしても役人は、文書で残しちゃうんですね。

だから「廃棄した」と局長が言ったとしても、実はどこかに原本があるのです。

本気で証拠隠滅をしようという場合ですら、きっと誰かがどこかに残すのです。それが役人のサガなのです。

「省益あって国益なし」と揶揄された官僚主導から政治主導への転換は、当初は歓迎されていました。

それが政治主導になってみたら、霞ヶ関は官邸のご機嫌伺いばかりしていると、忖度だというわけです。

でもまあ、いいじゃないですか。内閣人事局長にしても総理大臣にしても、元々は国民が選んだ人ですから。

どうせ、永久に続くわけじゃなし、次の選挙で答が出るのです。最近は、そう考えるようにしています。

ただし選挙の段になると、どういうわけか野党もガタガタになるんですけどね。

雑誌いろいろ

朝刊(日経)はいつも1面から見ますが、トップニュースはすでに電子版(ネット)で読んだ記事です。

なので目線は下の方に降りて、コラム(春秋)を読み、ついでにその下の、書籍や雑誌の広告を眺めます。

今日は月刊誌等の広告が6枠並んでいました。この欄でいつも目にする雑誌広告を、いくつかあげてみると、

『Samgha Japan(サンガジャパン)』(仏教のリアルを探す総合誌)

今回の特集は「医療と仏教」のようです。気になりますね。立ち読みしても、バチは当たらないでしょうか。

『月刊 養豚界』(養豚の現場がわかる・見える)

毎日のように豚肉を食べているというのに、養豚業界については何一つ知らない私です。

養豚界と聞いても、「酔ぉとんかい?」みたいなフレーズが思い浮かぶだけです。

『Wan』(ひとつの犬種を総力特集する愛犬情報誌)

これは土曜日に広告が出てました。今回はヨークシャー・テリアが特集。「ヨーキー」って言葉、知りました。

フレンチ・ブルドッグが特集のときには、買うことにしよう。

『製菓製パン』(お菓子とパンの情報発信誌)

和菓子特集は「珈琲風味の和菓子集」。和菓子x珈琲が「新たなトレンド」だとか。へぇ。食べてみよう。

『卓球王国』(こだわりの卓球情報誌)

ロゴが面白い。「国」という字の点が、ピンポン球みたいな球形なんですよね。

調べてみると日経の一面では、1枠の広告料は746,000円だとか。いつか当院も、広告を出してみますか?

『月刊 ひまわり通信』(医療界のリアルを総力で探すこだわりの情報誌)

特集は「降圧剤丸わかり この冬処方したいクスリ 超簡単○×検証 最新配合剤徹底レポート」

第2特集「インフル検査 陽性を出すための技術、ポイントは右手首のスナップ(実技DVD付き)」