「化血研(化学及血清療法研究所)」は、ご存じのように、「明治ホールディングス」の傘下に入ります。
実際に化血研の事業を引き継ぐのは、熊本に本拠を置くことになる「KMバイオロジクス」という新会社です。
小耳に挟んだ情報に寄れば、KMバイオロジクスの「K」は「熊本」「M」は「明治」から来ているとか。
この時期に思い出すのは、かつて明治製菓が持って来てくれた、バレンタインデーチョコの詰め合わせです。
当時は、お菓子メーカーの明治製菓が、医薬品も製造していたのです(いまは別会社)。
明治のMRさん(営業の方)が毎年、明治製菓のお菓子をどっさりと箱に詰め込んで、持って来てくれました。
もっとさかのぼるなら、研修医時代。明治のプロパーさん(営業の方)が、毎日のように現れました。
彼は研修医部屋(通称タコ部屋)の冷蔵庫に、ギッシリと明治のジュースを詰め込んで帰って行くのです。
来る日も来る日もひたすら、何も喋らず黙々と淡々と、冷蔵庫をジュースで一杯にすることが彼の仕事でした。
当時は他の製薬会社も、それぞれのやり方で、医者を接待するのが常でした。
規制が緩く、おまけに80年代後半のバブル期のことです。研修医ですら、接待攻撃の対象だったのです。
ところがバブル崩壊後、製薬業界の態度が一変します。
まずは、公立病院の勤務医の接待が止まり、大学病院も厳しくなり、やがてすべての接待がなくなります。
もちろん今は、私立病院や開業医も例外ではありません。その点は誤解無きようお願いします。
各社が一斉に接待をやめれば、どの会社も不利にならないという業界の示し合わせ、いうなれば談合ですか。
まあ、いいですけどね。薬剤の情報や話題については、いまやネットで十分な情報を得ることができますから。
医者が使う薬の選択を営業が左右する時代は、終わりつつあるんでしょうね。