睡眠薬と夢

医学賞のひとつ「ベルツ賞」は、「睡眠制御とその障害の研究」により、筑波大の柳沢教授が受賞しました。

柳沢氏は、人間はなぜ眠くなりどうやって覚醒するのか、その分子機構を究明しました。

これまでの人生で私は、不眠で悩んだことがありません。悩みで眠れなかったことなら、何度もありますが。

脳の興奮を抑え込む「GABA受容体作動薬」が、これまでの睡眠薬の主流でした。もちろん今でも主流です。

ところが最近、まったく作用機序の異なる睡眠薬が、2つ登場しました。

夜になると眠気を催し、朝になると目が覚めるのは、メラトニンというホルモンの働きによるものです。

7年前に発売された「メラトニン受容体作動薬」は、この概日リズムのずれ補正しようという睡眠薬です。

夜型生活等でリズムが乱れた体を、徐々に正常化していく薬と考えてもよいでしょう。商品名は『ロゼレム』。

脳の覚醒を保持する働きをしているオレキシンという脳内物質を、冒頭に紹介した柳沢氏が発見しました。

3年前に発売された「オレキシン受容体拮抗薬」は、脳の覚醒をブロックして眠気スイッチを入れる薬です。

夜に目が冴えて眠くならない人には、この作用機序の薬がうってつけでしょう。商品名は『<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1977.html" target="_blank" title="ベルソムラ">ベルソムラ</a>』。

という具合に、理想的にも思える睡眠薬が次々に発売されたのですが、その効果には個人差が大きいのです。

よく効いた方は喜んでくれますが、作用が弱いとか、副作用を嫌って服用を中止する方も少なくありません。

ロゼレムやベルソムラを飲んで、怖い夢を見たとか、変な夢を見たという人がときどきいます。

他の睡眠薬や<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-444.html" target="_blank" title="禁煙補助薬">禁煙補助薬</a>などでもあり得る副作用ですが、ロゼレムやベルソムラで、わりとよく聞きますす。

睡眠が改善して、夢をよく見るようになっただけかもしれません。<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-469.html" target="_blank" title="夢好き">夢好き</a>の私としては、興味ある副作用です。