院外処方の調剤技術料が院内処方の3倍であることが、最近急に問題視されています。
内閣官房行政改革推進本部が先週提出した、「調剤技術料」に関わる行政事業レビューシートが発端です。
「平均的な技術料」として例示された技術料の比較グラフが、なかなか衝撃的なのです。
院内処方では940円の診療報酬が、院外だと薬学管理用・調剤料・調剤基本料が上乗せされて、合計2,900円。
医療機関に厳しく調剤薬局に手厚い報酬は、医薬分業を進めるためのインセンティブでした。
しかし、医療機関による「薬漬け医療」を撲滅するための方策は、皮肉にも調剤医療費の膨張を招きました。
薬は減っても薬代は上がる。医療機関が儲からなくなったかわりに、調剤薬局が儲かるようになったわけです。
10年前はまだ、医薬分業が強く推奨されていた時期だったので、私は迷わず院外処方を選んで開業しました。
近隣に調剤薬局がなければどうしようもありませんが、さいわい某薬局がクリニックの隣に来てくれました。
その「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1542.html" target="_blank" title="門前薬局">門前薬局</a>」とはもちろん、経営上のつながりはなく、当院の処方箋はどこの薬局でも使える建前です。
しかし事実上、当院の処方箋の多くがその薬局に持ち込まれるので、薬の品揃えは当院と相性バッチリです。
患者さんのデメリットは、院外処方なので全体の医療費が高いということ。これは、いかんともしがたい。
行革推進本部は、院内処方と院外処方のコスト差は妥当なのかと、いまさらのように疑問を呈しています。
そのうち、院内処方への回帰を推進する政策に転換するかもしれません。現場は振り回されっぱなしです。