「1時間弱」という言葉を、「1時間と少し」の意味だと思っている若い人が結構いると聞いて、驚きました。
NHKの調査によると、20代の4分の1、10代の3分の1が、「1時間弱」の意味を取り違えていたとのこと。
若い人の誤解の原因をNHKは分析していませんでしたが、私には思い当たる節があります。
それは「震度6弱」などの震度表現です。
1996年の震度階級改定によって、震度5と震度6が、それぞれ「弱」と「強」に細分化されました。
「震度5弱」は、従来の震度5よりも弱いのではなく、震度5のカテゴリーのうちの弱い方という意味です。
その「震度5弱」のノリで、「1時間弱」を「1時間台前半」のように感じる人がいるのかもしれません。
これは震度階級の命名法が悪いですね。改定の際には、「1時間弱」などの言葉の存在を考慮すべきでした。
「震度5」を細分化するならば、例えば「震度5」と「震度5強」の二つにするのでも良かったと思います。
「年若い者」の意味の「若年」を、「弱年」とも書きます。この場合の「弱」は、「若い」の意味です。
まだ若くて成熟していないという意味で、「1時間若(弱)」は「1時間足らず」を表すのかもしれません。
「1時間弱」と同様に、「半分弱」と聞けば、若い人には「半分より少し多い」と理解する人が多いそうです。
ちなみにオジサンは、「半分弱」と聞いたら「范文雀」を思い出します。