だれでも管理者

Macの新OS「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1715.html" target="_blank" title="macOS">macOS</a> High Sierra」が、だれからでも簡単に乗っ取られる仕様になっていたと、大騒ぎです。

所有者のパスワードを知る必要はなく、「root」と名乗れば管理者ログインできるという、驚くべき脆弱性。

セキュリティを回避した進入経路を「バックドア」と呼びますが、今回はそれとはレベルの違う話です。

玄関ドアは厳重に施錠できるけど、横の窓にはカギがかかってないですよ、みたいなものでしょうか。

いや、ちょっと違うな。

ともかく、このOSのMacが乗っ取られるのを防ぐには、他人に自分のMacを使わせないことしかありません。

ある専門家は、「root」というユーザー名を作成してパスワードを設定することを勧めています。なるほど。

Appleは大慌てで修正プログラムを作成して、配布を始めたようですが、前代未聞の大失態でしょう。

開発段階での暫定的な仕様が、最終チェックをスルーしてそのまま発売されたということなのでしょうか。

このバグを発見した人が、Appleに報告したようです。善良な人でよかった。たぶん、善良な人。

こういう人たちって、OSの脆弱性を見つけてやろうと、常にいじくり回しているのでしょうね。

幸か不幸か、使っているソフトとの兼ね合いで私はまだHigh Sierraを導入しておらず、難をを逃れました。

すぐ最新版に飛びつく癖のある私ですが、OSの場合はとくに、一呼吸おいてから導入すべきなのでしょうね。

日馬富士引退

横綱・日馬富士は、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2239.html" target="_blank" title="暴行問題">暴行問題</a>の責任をとって、日本相撲協会からの処分を待たず、引退の道を選びました。

「弟弟子の礼儀と礼節がなっていないとき、それを正し、教えてあげるのは先輩横綱の義務だと思っている」

そう語る日馬富士の気持ちはわかりますが、やり方が悪かったのか運が悪かったのか、結果的にはNGでした。

貴乃花と相撲協会との確執が、事を荒立てた面もあるでしょう。

最終的に、貴ノ岩の頭の傷の写真が報じられてから、日馬富士の旗色が悪くなったような気がします。

しかし私は今回の報道を見て、暴行・傷害という人を傷つける行為の軽重については、疑問を感じました。

傷の写真にインパクトがあったとしたら、体表の裂創の大きさが、その暴行の重大さに比例するのでしょうか。

あんな傷よりもずっと辛くて陰湿ないじめや精神的暴力が、世の中にはいくらでもあるはずです。

それに比べたら今回は、ついカッとなって殴った的な、悪質度の低い事件に思えてきます。

白鵬に「もうあなたたちの時代じゃないでしょ」と言えるなんて、それほど悪い人間関係でもないと思います。

後輩へのひどい傷害でも表沙汰にならなかった事件が、相撲界には過去にもたくさんあったことでしょう。

そのような悪習を一掃することが、白鵬の言う「膿を出す」ことになるのか、今後を見守りたいところです。

ただ、暴力は悪いにしても、日馬富士の引退は惜しまれます。

恐怖を煽る本の恐怖

『ワクチン副作用の恐怖』という本が出ました。著者は『患者よ、がんと闘うな』等で有名な、近藤誠氏です。

タイトルを見ただけで批判的な気分になりましたが、正しく内容を判断するために、敢えて買って読みました。

そして、驚きました。内容が正しいとか正しくないとか言う以前に、とても読みやすかったからです。

平易な文章でありながら、論理展開がしっかりしているのて、近藤氏の持論がとてもよく理解できるのです。

だからこそ、その読みやすくて誠実に感じる文体で、科学的には誤った情報を書いている点が問題なのです。

持論を展開するために、インパクトのある事例や、統計学的には有意とはいえないデータを駆使しています。

これはちょうど、HPVワクチン問題で、メディアが衝撃的な映像を何度も何度も放送した手法と同じです。

科学的(医学的・統計学的)に正しくないことでも、それを信じ込ませるだけの文章に仕上がっています。

ただし、一部のワクチンや行政問題など、共感できる記述も混在しているので、この本を全否定はしません。

近藤氏の理論は、感染症そのものよりもワクチンの方を極端に怖がる、そのバランスの悪さが最大の欠点です。

現行のすべてのワクチンの必要性を否定するか、あるいは有害なので接種してはならないと言い切っています。

小児科医に予防接種を勧められたら、次のように言い返せば医者は沈黙するそうです。

「子どもに後遺症がでることはない、万一でたときは損害賠償をする、と一筆書いてください」

ワクチンを接種せずに感染症に罹って、死んだり後遺症が残ったお子さんへの賠償は、誰がするのでしょう。

抗インフル薬注意喚起

「抗インフルエンザウイルス薬の使用上の注意に関する注意喚起の徹底について」

厚労省は今日、このような通知を出しました。

以前から問題となっている、抗インフルエンザウイルス薬投与後の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1964.html" target="_blank" title="異常行動">異常行動</a>の発現についての、注意喚起です。

この異常行動は薬を服用していない子でも見られており、インフルエンザよる<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1507.html" target="_blank" title="熱せん妄">熱せん妄</a>と考えられています。

そのことをわかっている厚労省ですが、自分たちがタミフルに濡れ衣を着せたことは認めません。そのかわり、

「抗インフルエンザウイルス薬の種類や服用の有無によらず」注意喚起を徹底せよと言っています。

タミフルは無実とは言わないけれど、タミフル以外にも原因を拡大して、なんとなくウヤムヤにする作戦です。

「具体的な注意喚起の例」として厚労省の通知では、転落防止等を考慮して、以下の2項目をあげています。

(1)高層階の住居においては(略)ベランダに面していない部屋で療養を行わせること

(2)一戸建てに住んでいる場合は(略)出来る限り1 階で療養を行わせること

どうでもいいとは言いませんが、なんかスケールの小さな、本質を見失った通知に思えてなりません。

もうそろそろ、異常行動はタミフルのせいではありませんでしたっ!、と明言してもらえませんかね。

なぜなら現実には、異常行動の原因はタミフルだと思い込んでいる患者さんが、いまだに多いのです。

裏を返せばそれが、タミフルさえ飲まなければ異常行動の心配はない、という誤解につながっています。

タミフルだけが10代への処方が禁止されていることが、問題の根源ですが、いつ解禁されるのでしょうね。

誤って止めてしまったタミフルを、まだ再開できずにいる厚労省の姿は、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1918.html" target="_blank" title="HPVワクチン">HPVワクチン</a>の場合と同じです。

国税納付でポイント?

国税をクレジットカードで支払ったという話を<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2243.html" target="_blank" title="一昨日">一昨日</a>書きましたが、実は微妙な懸念があります。

(税務署・国税庁関係の方は、この先を読み進まないよう、お願いいたします)

小心者なので、税金をカードで払って付いたポイントに課税されないだろうかと、心配しているのです。

カード決済で得たポイントは所得にならないのかという一般的な議論は、厳密には決着していないようです。

期待できる材料としては、ポイントは「値引き」に相当するので所得ではない、という理屈があります。

値引き方法の選択は販売業者の経営判断によるものであり、現金値引きもポイントも同じだという考え方です。

しかし昨今、ポイント制度が普及・発展し、あたかも現金のように(あるいはそれ以上に)便利に使われます。

当然、国税当局は、ポイントへの課税に目を付けているはず。近い将来、法整備がなされることでしょう。

それどころか当局は、現行法下でもポイントに課税できるように、理論武装しようとしています。

もしかすると、課税の最初のターゲットは、国税のカード払いで得たポイントかもしれません。

国税に値引きの概念はありません。そこが問題です。ただし、幸か不幸かカード払いには手数料がつきます。

その、トヨタファイナンスに支払う手数料分を、仲介したクレジット会社が値引きする、という理屈はどうか。

これがOKだとしても、手数料を超えたポイントは、問題になるかもしれません。

なので弱気な私は今回、0.5%という低いポイント率のカードを使い、手数料を超えない配慮をしました。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2155.html" target="_blank" title="ふるさと納税">ふるさと納税</a>では3割の返礼割合がまかり通っている現状ですから、ポイントぐらいは、お目こぼし願います。

院外処方は3倍高い?

院外処方の調剤技術料が院内処方の3倍であることが、最近急に問題視されています。

内閣官房行政改革推進本部が先週提出した、「調剤技術料」に関わる行政事業レビューシートが発端です。

「平均的な技術料」として例示された技術料の比較グラフが、なかなか衝撃的なのです。

院内処方では940円の診療報酬が、院外だと薬学管理用・調剤料・調剤基本料が上乗せされて、合計2,900円。

医療機関に厳しく調剤薬局に手厚い報酬は、医薬分業を進めるためのインセンティブでした。

しかし、医療機関による「薬漬け医療」を撲滅するための方策は、皮肉にも調剤医療費の膨張を招きました。

薬は減っても薬代は上がる。医療機関が儲からなくなったかわりに、調剤薬局が儲かるようになったわけです。

10年前はまだ、医薬分業が強く推奨されていた時期だったので、私は迷わず院外処方を選んで開業しました。

近隣に調剤薬局がなければどうしようもありませんが、さいわい某薬局がクリニックの隣に来てくれました。

その「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1542.html" target="_blank" title="門前薬局">門前薬局</a>」とはもちろん、経営上のつながりはなく、当院の処方箋はどこの薬局でも使える建前です。

しかし事実上、当院の処方箋の多くがその薬局に持ち込まれるので、薬の品揃えは当院と相性バッチリです。

患者さんのデメリットは、院外処方なので全体の医療費が高いということ。これは、いかんともしがたい。

行革推進本部は、院内処方と院外処方のコスト差は妥当なのかと、いまさらのように疑問を呈しています。

そのうち、院内処方への回帰を推進する政策に転換するかもしれません。現場は振り回されっぱなしです。

ネット納税あれこれ

「ふるさと納税、返礼品見直しで『減少』6割 」

新聞の見出しを見て最初は、6割も減ったのかと驚いたのですが、ちょっと違う。

「6割減少」ではなくて「『減少』6割 」。前年よりも減ると予想する自治体が、6割だということ。なんだ。

返礼品競争の加熱に対して自粛を求めた総務省の通知によって、返礼品の内容はたしかに、渋くなっています。

毎年ふるさと納税している私から見ても明らかに、最近は質が落ちてますね。

かといって怒るわけにもいきません。本来のふるさと納税の趣旨からは、返礼品など関係ないはず、ですから。

そんなことを思いながら今日は、年末駆け込みのふるさと納税をしました。戦利品は、鶏肉と米とジュース。

納税と言えば、今年から国税のクレジットカード納付ができるようになってますね。

そこで今日は「国税クレジットカードお支払サイト」から、消費税と法人税などの納付もしてみました。

サイト自体は、トヨタファイナンスが運営するものなので、さすがに官製のものよりもソフトな仕上がりです。

しかし、詳しいマニュアルや見本がないのは不親切。記入しながら不安になりました。

税目ごとに最初から全部入力しなければならないシステムも、かなり面倒。来年以降の改善に期待します。

カード納付の最大の問題点は、決済手数料がやたらに高いことですね。

「手数料は国の収入になるものではありません」という国税庁。つまり、トヨタファイナンスに入るわけです。

その手数料の総額って、膨大でしょうね。それをトヨタファイナンスが独り占めですか。

トヨタといえば、自民党への政治献金のトップ企業。納税の手数料は、最終的に自民党に流れるのでしょう。

座面が揺れるイス

毎日「イス」に何時間座っているんだろうと、ふと思いました。

圧倒的に長時間座ってるのが診察室、次がダイニング、書斎、院長室、リビング、車、トイレ、風呂・・・

開業したときにこだわったのは、診察室のイスです。「デュオレスト」という、独特の形のイスを選びました。

背もたれが割れていて、腰背部をマッサージする効果のある優れものでしたが、何年も使ううちに壊れました。

院長室のイスは、開業した頃にテレビドラマで出てきたイス(重役室にあった)に一目惚れして買ったもの。

真っ白でゴージャスに見えますが、合皮なので意外と安い。いまも使ってますが、まったく古びていません。

自宅の書斎には、「エルゴヒューマン」の黒いオフィスチェアを、数年前に買いました。座り心地は普通です。

ダイニングのイスは、デザイン優先で「ヒュルスタ」を選んだのですが、長く座ってるとひどく疲れます。

診察室のイスを買い替えたのは数年前。「ヒューマンスケール」という、白くて上品なオフィスチェアです。

短時間なら問題無いのですが、何時間も座ってるとお尻の皮がヒリヒリしてきます。メッシュの欠点です。

「イング( ing )」という新しい発想のイスを、今月コクヨが発売したので、衝動買いしました。

座面が前後左右にグラインドする、ちょうどロデオのような乗り心地、じゃなくて座り心地です。面白い。

座っているだけで僧帽筋や脊柱起立筋が活動するので、4時間座れば1.5km歩行のカロリーを消費するとか。

診察の合間には、大きく体を揺らしながら座っています。まったく落ち着かないのに、なじむイスです。

1日の1/4〜1/3の時間を過ごすベッドは大切だと言いますが、診察室のイスに私は1日の半分も座っています。

そう考えるとイス選びは大事です。3台(脚)目でやっと、満足できるイスに出会ったような気がしてます。

スマホの料金設定

初めて買ったiPhone 3G以来、、9年間ずっとソフトバンクと契約を続けています。

6年前からauが、4年前からはドコモもiPhoneの販売に加わり、スマホの料金体系はとても戦略的で複雑です。

通話と通信とさまざまなオプションに対して、客はショップ店員から言われるがままに契約しがちです。

私は最近、ショップで買わずにネットで買うようになったので、新たなムダはなくなったと思っていました。

ところが先日、念のため説明を受けにソフトバンクショップに行ったら、ずいぶんムダをしていました。

とくに通信料。iPhone 7 Plusまでは20GB契約だったのを、今回5GBに変えたのですが、それでも多かった。

店員に調べてもらったら、私の通信量はなんと、月平均0.5GBでした。

じゃあ、契約は1GBでいいじゃん、て話。ところが1GBにすると本体の割引が利かなくなる、というのです。

じゃあ、2GBにしますと言うと、それでは通話料金プランが高くなりますと、どうしてもうまくいかない。

最終的に、料金総額が最低になるような、通話プランと通信プランとオプションを組み合わせて契約しました。

こういう工夫は、ネットで購入したのではなかなか難しい。

iPhoneが3社体制になってからは、乗換え優先の料金設定となり、機種変更の私は悔しい思いをしてきました。

渡り鳥のように、毎年別の会社に乗換えて儲けてやろうかと、そう思ったこともありました。

これだけスマホ市場が成熟した今ですから、そろそろ乗換えよりも機種変更の客を優遇してほしいものです。

最近は、各社が旧機種を数万円で「下取り」してくれる機種変更プランもありますけどね、アレはだめです。

旧機種は決して手放さず、折に触れて愛でるのがApple信者ですから。下取りなんて、論外です。

診療と病名

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2239.html" target="_blank" title="貴ノ岩のケガや診断書の件">貴ノ岩のケガや診断書の件</a>は、新情報が次々に出てくるので、真相がよくわからなくなってきました。

リアルタムでブログを書くと間違った論評になりそうなので、しばらく経過を見ることにします。

診断書を書く以前に、医師は患者の病状や診断等について、患者本人に十分に説明しなければなりません。

また同時に、病状や検査結果や診断や治療内容について、記録を残さなければなりません。それがカルテです。

さらに、保険者に対しては診療の要点を報告し、診療報酬を請求します。これがレセプトです。

「のどが痛い」という人を診察して咽頭発赤があれば、「急性咽頭炎」などの診断を付け、薬を処方します。

「のどが痛い」という人ののどが赤くなくても、痛いと言うのであれば何らかの薬を(控えめに)出します。

後者の場合、問診すなわち患者の訴えに応じた処方であり、現症つまり診察所見によるものではありません。

今朝頭痛があった、昨日下痢した、ときどきめまいがあるなど、今現在は無症状という方も、意外と多い。

このような方に、少し様子を見ましょうと無処方にしてもよいですが、それでは杓子定規な対応ともいえます。

軽い頭痛薬を少し出しておきます、整腸剤を飲んでみましょうなどと、念のための処方を行う方が親切です。

そして処方を行った場合には、その根拠となる「傷病名」が必要です。「頭痛」とか「胃腸炎」などです。

このような、保険診療上の暫定的な傷病名が「レセプト病名」であり、しばしば大げさになりがちです。

検査を行うための「疑い病名」も含むので、患者さんには見せられないほど盛りだくさんになってしまいます。

件の診断書に多くの病名が記載されているのも、あるいはそのような医者のクセが原因かもしれません。