ムンプス難聴を防ごう

「おたふくかぜ(ムンプス)に罹ると<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1417.html" target="_blank" title="難聴">難聴</a>になる危険があります。ワクチンで予防しましょう」

何年も前からずっと、全国の小児科医たちが叫び続けています。私もこれまでに4回、当ブログで書きました。

日本耳鼻咽喉科学会の調査で、昨年までの2年間に全国で300以上が難聴になったことがわかりました。

以前は、毎年千人がムンプス難聴になるなんて言ってましたが、多少は減ったにせよ、まだまだ多いです。

「おたふくかぜは予防するよりも、罹って免疫を付けた方がいいのでしょう?」という方が、いまだにいます。

「子宮頸がんは予防しなくても、罹ったら早期発見して手術すればいい」という考えにも似た、誤解です。

水痘が、ワクチンの<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-810.html" target="_blank" title="定期接種化">定期接種化</a>によって激減した今、罹って免疫を付けようという人は、ほとんどいません。

ほんの数年前までは、「水痘は罹った方が強い免疫が付くのでしょう?」という方が<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-626.html" target="_blank" title="多数いた">多数いた</a>のに、です。

鍵を握るのはワクチンの定期接種化です。定期接種には、無料&<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-264.html" target="_blank" title="国のお墨付き">国のお墨付き</a>、という意味合いがあります。

しかし定期接種であるはずのHPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)は、接種が完全に止まっています。

そのような不可解なことが起こり得る国なので、おたふくワクチンの定期接種化は、ハードルが高いのです。

日本の子どもたちの難聴を一刻も早く減らすために、ここは国が腹をくくるしかありません。

(1)早急に定期接種化し、しばらくの間は幅広い年齢層への接種も無料化または費用を助成すること

(2)副反応が問題になっても、それが欧米諸国と同程度と判断されれば、接種の勧奨を止めないこと

Amazon Key

Amazonのジェフ・ベゾスが、またビル・ゲイツを抜いて世界一の富豪になったとのこと。はあ、そうですか。

そのAmazonが来月から、米国内で「Amazon Key」サービスを開始すると報じられました。

荷物の配達員が、受取人不在時に無線で玄関の鍵を解錠できるという、とても便利なシステムです。

ハッキングや配達員の不正が心配になりますが、そこは暗号通信や監視カメラ等を駆使して対処するようです。

宅配に限らず清掃でもなんでも、居住者不在時に業者が自由に出入りできる仕組みにもつながりそうです。

このニュースを聞いて私は、Amazonの深慮遠謀を感じました。次はおそらく「ホームセキュリティー」かと。

防犯上、最も大事な玄関ドアの解錠・施錠をAmazonが管理し、技術的には24時間監視できるからです。

初期費用250ドルのみというAmazon流の驚異的な低価格で、Amazon Keyはどんどん普及していくでしょう。

この仕組みを、他のドアにも窓にも、あらゆる家電・家具などの利用監視にまで広げることなど、簡単なこと。

ひとたびAmazon Keyを導入したものなら、あとはなし崩し的に家中がAmazonの監視下に入るのです。

ここに「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2209.html" target="_blank" title="Amazon Echo">Amazon Echo</a>」を併用してAmazon Keyと協調させれば、「スマートホーム」はほぼ完成します。

宅配がいっそう便利になりますよと、猫なで声で玄関から入り込む、Amazonらしい戦略です。

ジェフ・ベゾスの大富豪世界一の座は、しばらく安泰でしょうね。

それにしても、10兆円持ってるのにまだ精力的に事業を拡大しようという神経が、凡人にはわかりません。

加熱式タバコ問題

「加熱式タバコ」が広まりつつありますが、その問題点について啓発する動きも、このところ活発です。

当院でも<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2094.html" target="_blank" title="禁煙外来">禁煙外来</a>を行っており、加熱式タバコについての理解を深めるための院内勉強会を、先月行いました。

禁煙外来には、紙巻きタバコと加熱式を併用している方が、時々いらっしゃいます。

喫煙本数としては、どのようにカウントすればいいのでしょうね。

喫煙には、喫煙者本人の健康問題と、周囲の人の健康問題(環境問題)があります。

煙の出ない加熱式に変えた方には、周囲には迷惑をかけないのだからいいだろう、という意識があります。

さらに言うなら自分の健康被害も、紙巻きタバコよりはマシだろうという思い(願い)があります。

いずれも誤解です。

加熱式タバコでも受動喫煙があります。煙が見えないのでそれを自覚しにくく、かえって危険かもしれません。

紙巻きタバコより健康被害が少ないと誤解することで、喫煙量がむしろ増えてしまうリスクさえあります。

「タバコはもう加熱式に変えましたよ」と、まるで禁煙が半分成功しているようにおっしゃる方が時々います。

これも大きな誤解です。実際には、禁煙のキの字にもなりません。まあ、言葉の上では禁「煙」ですけどね。

危険なモノは「見える化」して避けるべきなのに、加熱式タバコはそれを「見えない化」しているのです。

無資格者の不正従事

スバルも日産と同様に、無資格者が完成検査に携わるという不正を行っていたことが判明しました。

社内試験には合格して、一定の知識・技能があると判断された、研修中の従業員が検査を行ったとのこと。

似たような事例を思い出します。

医学部の卒業試験には合格して、しかしまだ<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-897.html" target="_blank" title="医師免許">医師免許</a>を取得していないうちに働いていた、研修医時代を。

私は昭和60年の4月から大学病院で働き始めましたが、医師として認められる医籍登録日は5月20日でした。

約1カ月間、患者の診察や検査のみならず、採血や注射から手術の助手までを、主治医として行っていました。

指導者の下で行う医療行為は、それが未資格者であっても、修練のためなので許容されていたわけです。

手術助手以外はすべて、指導医不在の場所で1人で行っていましたが、それでも指導下と見なされました。

外科医が一人前になる過程で、未経験の術式の執刀をひとつひとつ経験していくことも、似たようなものです。

ベテラン外科医ではなく未熟な医師が執刀をすることは、患者の利益だけを考えたら、問題があります。

サポートについている指導医がカバーしきれないヘマを、若手医師が術中にやらかす危険は、常にあります。

それでも外科の世界では、あえて若者に手術をさせます。次世代の外科医を育てるためには、必要だからです。

似たような感覚で、自動車会社でも若手に検査を任せていたのかもしれません。たぶん、悪気は無いのです。

人手不足も原因のひとつでしょうけど、それは医師も同じ。たとえ無資格であっても病院に必要な戦力です。

無資格者が検査したから全車リコールだというのは、潔い態度ですが、本当にそこまで必要なのでしょうか。

それよりも、品質データを改ざんして不良品を出荷した神戸製鋼所の方が、はるかに悪質で問題です。

日産やスバルの対応を考えたら、神戸製鋼製の部品を使った車や列車や航空機だって、全部リコールでしょう。

iPhone X 予約済

いろいろ心配もあって悩んだ末に、やはり画期的なiPhoneなので予約してしまいましたよ、「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2171.html" target="_blank" title=" iPhone X"> iPhone X</a> 」。

iPhone Xの特徴は、全面有機ELスクリーン、顔認証(Face ID)、耐水・防塵、ワイヤレス充電などです。

専門家は、顔認証用の「True Depthカメラ」とCPU「A11 Bionic」の性能がすごいといいます。

ただしそのTrue Depthカメラの製造が難しくて、初期の出荷台数はかなり少なくなりそうで、品薄必至です。

最近、True Depthカメラの生産性を上げるために、その要求精度を引き下げたらしい、と報じられました。

Appleはこれを全面的に否定していますが、顔認証の精度については、疑問の声が上がり始めています。

少しぐらい遅くなってもいいから、完成度の高い製品を販売して欲しいものです。

そんな気持ちで臨んだ今日の予約開始は、例年とは異り、あわてず騒がず自然体で受付時刻を待ちました。

昨年の「 <a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1802.html" target="_blank" title="iPhone 7 Plus">iPhone 7 Plus</a>」は、予約したのが9月9日で、自宅に届いたのは28日後の10月7日でした。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1281.html" target="_blank" title="16時01分">16時01分</a>からのオンライン予約受付に対して、苦労の末に申込が受け付けられたのは16時10分23秒でした。

受付開始から9分23秒遅れで予約を完了したら、商品は28日後に届いたというわけです。

ところが今日は、16時01分46秒に受理されました。すんなり46秒での予約完了は、どう考えたらよいのか。

よほど運が良かったのか、はたまたiPhone Xの人気がないのか。顔認証の精度が、 ますます心配になります。

ワクチン不足の報道

昨夜のNHKニュースが、今年の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2212.html" target="_blank" title="インフルエンザワクチン不足">インフルエンザワクチン不足</a>の問題を報じていました。

こういうことをタイムリーに、そこそこ詳しく取り上げるのは、NHKのいいところ。

ワクチンの製造量と使用量の年次推移のグラフは、厚労省のものよりもずっとわかりやすい。さすがです。

ところが、ワクチン不足になった原因の説明は、かなり貧弱で意味不明でした。

難解になるのを避けたのか。日ごろ地震のメカニズムとか素粒子とかは、詳しく解説してくれるくせに。

東京のあるクリニックの取材シーンあたりから、ワクチン不足のテーマからはだいぶズレていきます。

そのクリニックの薬剤保冷庫が貧弱、ていうかミニ冷蔵庫。しかもドア開けっ放し。見ててヒヤヒヤする。

最後に、「インフルエンザの予防接種」と書かれたフリップを使ってまとめていたのは、次の3点でした。

(1)接種してもインフルエンザにかかる場合もあるので、まずは手洗い・うがいなどで予防を

ワクチン不足の問題に対して、もともとワクチンはあまり効きませんから、という論理。なんか違うと思う。

(2)大人は1回の接種で5カ月前後有効、厚労省は1回で十分効くと言っている

ワクチン不足の問題に対して、もともとワクチンは1回で効きますから、という論理。(1)と矛盾してます。

(3)子ども・高齢者などは、接種時期などを早めにかかりつけ医に相談を

ワクチン不足の問題に対して、本気で予防したけりゃ急いで接種しろと、ワクチン不足の不安をあおります。

類似名称回避責任

紛らわしい名称は、ミスを誘発します。当たり前のことです。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-799.html" target="_blank" title="医薬品の取り違え">医薬品の取り違え</a>では6月に重大事例が起き、最近になって注意喚起の文書が出されました。

肝性脳症治療薬「リフキシマ」を使うべき患者に、抗凝固剤「リクシアナ」を誤って調剤した死亡事故です。

血液サラサラにする薬を、そうでなくても凝固機能の低下しがちな肝不全患者に投与してしまったわけです。

処方や調剤をする際は注意せよ、なんて精神論では解決しません。電子カルテ等でチェックする仕組みが必要。

しかしそれよりも、製薬会社が薬剤名を決める時に、類似名称がないかを十分にチェックすることが大事です。

今回の2剤でいうと、リクシアナは販売開始から数年たってますが、リフキシマは昨年11月の発売です。

新しい方の薬(リフキシマ)のメーカーには、一定の責任(類似名称回避責任?)があるでしょう。

厚労省は、医薬品の取り違えを防ぐために、「医薬品類似名称検索システム」なるものを構築しています。

このシステムの詳細がいまひとつわかりませんが、それでチェック漏れしたのなら、国にも責任がありますね。

リフキシマは、一般名(成分名)「リファキシミン」が命名の由来ですが、もうちょっと考えてほしかった。

まさかリクシアナと取り違えるやつはいないだろうと、タカをくくったのか。それならば、想像力不足でした。

人がすることには、うっかりミスや勘違いや思い込みがつきもの。予想外のことは、起きるのです。

間違えないように注意喚起するよりも前に、そもそも間違いにくいようにしておくべきです。

「じゃあ、お前なら何て名前をつけるんだ?」とお尋ねでしょうか。待ってました。

「リファノーショー」でどうですか。まるで小林製薬ですが、こういうのが、間違えないんです。

ワクチン確保で苦労中

「インフルエンザワクチンは、ありますか」というお問い合わせを、よくいただきます。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2204.html" target="_blank" title="今年のワクチン不足">今年のワクチン不足</a>は前にも書いた通りですが、当院でもかなり厳しい状況になりつつあります。

薬品卸に何度もお願いして、ネット予約受付済分+65歳以上定期接種分だけは、なんとか確保しています。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2093.html" target="_blank" title="日本脳炎ワクチンも品薄">日本脳炎ワクチンも品薄</a>でしたが、その際には厚労省は、総数は足りており偏在の問題だとの一点張りでした。

ところが今期のインフルエンザワクチンは、総数が足りない。なので厚労省のお達しが、とても厳しいのです。

(1)13歳以上は1回または2回接種すると法律で定めているので、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2153.html" target="_blank" title="1回が原則">1回が原則</a>である

法律文には「必ず2回」とは書かれていないので1回なのであるという、初めて聞く理屈です。

(2)同一バイアル(薬瓶)から複数回使用し、効率的な使用に努めること

「最初の薬液吸引から24時間を経過したら廃棄すること」と、わざわざのお達し。24時間まで使えってこと?

(3)医療機関は、前シーズンの使用実績を上回るワクチン発注や必要以上に早期の注文は、厳に慎むこと

「発注は接種希望者からの申込があった時点で行え」といいますが、その予約者分の確保が困難なのですよ。

(4)シーズン終盤に余ったワクチンを卸売業者に返品した医療機関は、名称を公表する

ワクチンを余らせたら罰するという、まるでバイキング店で食べ残した時のようなペナルティーです。

インフルエンザが流行期に入ると、その初期には接種希望者が駆け込みますが、以後の希望者は減ります。

ネット予約にも、流行が早まればキャンセルが相次ぐことになり、どうしてもワクチンは余るのです。

予約者には必ず希望日に接種し、しかしワクチンはちょうど使い切るなんて芸当が、可能なんでしょうかね。

家庭料理としてのカレー

家庭料理に「ニラレバ」が出ることが、わが家ではほとんどありません。家人がレバー嫌いだからです。

どうしても食べたければ、私の場合は居酒屋に行くしかありません。

仮定料理「タラレバ」・・・ふと思いつき、そのまま埋もれさせておくには惜しいので、書いておきます。

「ニラレバ」と「レバニラ」のどちらが正しいのか本家なのかは知りませんが、似たような事例があります。

「カレーライス」と「ライスカレー」です。

私が子どもの頃は後者でしたが、いつの間にか前者が普通になり、最近では「カレー」単独も多いですね。

カレー会社のサイトなどに、その「カレー用語」の考察が書かれているので、私は掘り下げません。

「ライスカレー」と呼んでいた子どもの頃、自宅のカレーはいつも、冷やご飯にかけてありました。

当時私は、カレーは冷たい(室温の)ご飯にかけて食べるものだと、思っていました。

いま自宅のカレーは、必ずしも「カレーライス」ではありません。しばしば「カレーブロッコリー」です。

ブロッコリーの上にカレーをかけるやり方です。満腹食べても、あとですぐお腹がすきます。

これを「ブロッコリーカレー」というと、ブロッコリーをトッピングしたカレーとの区別ができません。

その理屈で言えば、「ライスカレー」よりも「カレーライス」の方が、正しい表現なのかもしれません。

今夜のわが家のメニューは「カツカレー」です。なぜなら、昨夜が普通の「カレー」だったからです。

もちろん明日は「カレードリア」に決まっています。そういうシステムなのです。

「ゆ党」

衆院選は、ある程度予想されていたように、与党圧勝・希望惨敗・立民躍進、という形になりそうですね。

「私自身もおごりがあったのではないかと反省している」

希望の党の小池氏はこう発言しましたが、手遅れ。後悔先に立たず。敗因は、例の「排除」発言でしょうか。

その前までは、希望の党は大躍進するのではないかと思ってたんですけどね。流れというのは怖い。

「勝って兜の緒を締めよ」

自民党の圧勝を受け、また自身も選挙区で大勝したというのに、小泉進次郎氏はこう述べました。

小池氏が誤らなければ政権交代もあり得たと、皮肉ではなく謙虚な言葉。たいした人物です、小泉進次郎。

反安倍政権で盛り上がっていた野党が、選挙直前に分断したために、結果的に自民を利することになりました。

各小選挙区の得票率の棒グラフを見ると、希望と立民を合計すればたいてい、自民に勝ってるんですけどね。

希望の党は、昔で言う「中道」と呼ばれる政党なのでしょうか。独自性を出すのが難しい立ち位置です。

「野(や)党」と「与(よ)党」の中間だから「ゆ党」だと、誰が言い始めたのか、最近よく耳にしますね。

今朝の日経のコラムで、「ゆ党」の「ゆ」に当てる漢字が「ぬるま湯」の「湯党」では困る、とありました。

蓋を開けてみると、希望の党に限って言えば、「油断」の「油党」だったようです。