予約制の苦労

久々の「休日当番医」でした。さわやかな良い天気で行楽日和なのか、あまり忙しくない日でした。

当院の診療は日頃、ネットや電話による予約制ですが、当番医の日だけは、来院順の診療受付にしています。

なぜなら、この日は当院を初めて受診される方が多く、予約方法のことをご存じないからです。

したがって、当院をかかりつけにしている方にとっては、今日だけは予約が出来なくなる不便な日なのです。

日頃は予約制だと書きましたが、それは「順番予約制」であって「時間予約制」ではありません。

なので電話予約のときなどは、こんな具合になります。

患「診察の予約をしたいのですが」

私「いまだと20番になります」

患「20番というと、何時になりますか」

私「目安としてはだいたい11時ごろですが、診療の状況によっては、時間がずれる場合もあります」

ところが、急患が割り込んだり病状の重い方の診察が続くと、予約していた方の順番がどんどん遅くなります。

「11時と聞いてたのに、どうして1時間も待たされるのか」と苦情が出ます。

いつも予約時間の目安には幅をもたせて言うのですが、なかなか真意が伝わりません。

「目安としてはだいたい11時ごろですが・・・」と言われたら、ちょうど11時だと思うものなんですね。

しかし「順番は20番ですが、何時になるかは申し上げられません」などと突っぱねるのは不親切だし、

あるいは「目安は11時ですが、12時過ぎるかもしれません」などと幅広く伝えても混乱させるだけでしょう。

いつもそんな苦労をしているものだから、当番医の日の「来院順番制」は、ホントに気が楽です。

忘れ去られたカード

街に出かけたときなどに、何らかの特典が目当てで、その場でクレジットカードを申し込むことがありますね。

最近は、そのような理由で新しいカードを作るのは極力控えてますが、以前私は良く誘いに乗ってました。

おかげでクレジットカードが、ザクザク増えて来ます。使わないので引き出しにしまい込んだカード多数。

問題は、年会費です。

1年に1度でも利用すれば年会費は無料ですよ、などという誘い文句にも乗って作ったカードが危ない。

初回の特典さえゲットすれば、来年には退会すればいいと考えて、安易に入会してしまうからです。

ところがそのカードはどこかにしまい込み、カード会員になった記憶すらなくしてしまいます。

Web明細に設定していると利用明細書が郵送されないし、明細メールもうっかり見逃しやすいものです。

そうこうするうちに何年か経ち、期限の更新されたカードが郵送されてきて、思い出すのです。

先日「JQカード」の更新カードが送られてきて、何年か前に博多駅で入会したことを思い出しました。

あ、こんなカードあったなあ、と。そして次の瞬間、ムダに数年間年会費を払い続けていたことに気付きます。

これって、私の不注意のせいだけじゃないでしょう。カード会社にも問題があると思いますよ。

クレジットカードは、会員であることを年に1回ぐらいは確認させる仕組みが欲しいですね。

そして年会費徴収の前月ぐらいには、年次更新してよいかと尋ねるメールをくれませんかね。

あるいは、1年間一度も使わなかったら自動退会にしてもらっても結構。私はぜひ、そうしてもらいたい。

残業300時間

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2137.html" target="_blank" title="勤務医の過労死">勤務医の過労死</a>が問題となっていますが、国立循環器病研究センターの一件がまた、センセーショナルですね。

時間外労働を月300時間まで可能にするような、労使協定(36協定)を結んでいたからです。

月300時間を単純計算すると、土日も含めて毎日10時間の残業となります。

私も、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-395.html" target="_blank" title="大学病院">大学病院</a>に勤務していた頃は、毎月200〜300時間程度の残業をしていました(もちろん手当なし)。

このようなことはもはや自慢にもなりませんが、全国の多くの勤務医が、今も似たような状況だと思います。

今日のNHKニュースでは、学校の教員が部活の顧問などのために、長時間労働していると報じていました。

その解決策として、週に3日は部活をしない日を作って、生徒と教員を休ませようという話でした。

しかしこれを勤務医にも適用して、週に3日は定刻で帰宅させよう、なんてことにはなりませんね。

主治医制が基本なので、担当患者の容態が悪ければ、夜遅くまで病棟を離れることができません。

当直医でもないのに夜の急患に対応することもあるし、緊急手術ともなれば、すぐ夜中になります。

医師は使命感に燃えているので、気が付けば月に200時間でも300時間でも残業してしまうのです。

残業300時間で36協定を結んでいた国立循環器病研究センターは、ある意味、正直というか律儀です。

300時間を堂々と明文化すること自体、一般的には非常識ですが、現場では違和感を感じないのでしょうね。

新聞連載小説

伊集院静氏による、日経の連載小説『<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2144.html" target="_blank" title="琥珀の夢">琥珀の夢</a>——小説、鳥井信治郎と末裔』が、おととい完結しました。

サントリー創業者である<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2136.html" target="_blank" title="鳥井信治郎">鳥井信治郎</a>の生涯を軸に、その息子と孫たちの現在までの活躍も描かれていました。

NHKの『<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1091.html" target="_blank" title="マッサン">マッサン</a>』以来、ウイスキーがマイブームなので、『琥珀の夢』はとても興味深い物語でした。

とは言え、私がジャパニーズウイスキーで飲むことがあるとすれば、マッサンの方(ニッカ)です。

鳥井信治郎氏と、マッサンことニッカ創業者の竹鶴政孝氏とは、こだわりも思想も違います。

しかしこの両者が共にいなければ、世界的評価の高い今のジャパニーズウイスキーはなかったでしょう。

竹鶴氏の強烈なモルトと、天才経営者鳥井氏のグレーンが、見事にブレンドされたわけです(うまくない)。

私がニッカびいきなのは、竹鶴政孝の「鶴」の文字に親しみを感じる面もあります。

銘柄でいうなら、ピュアモルトの「竹鶴」や、ブレンデッドの「鶴」もいい。「鶴」はボトルの形も大好き。

シングルモルト「余市」も、私の名前「由一」を「ゆいち」と読めば、似てなくもない。

さて、日経の連載小説は昨日から、林真理子氏の『愉楽にて』に変わりました。

男女の話から始まったこともあり、なんだかなあ、て感じ。日経の読者層にウケる物語になるんだろうか。

それにしてもこういう新聞連載って、作家は原稿を何日前に書いてるんでしょうね。1週間?、1カ月?

まさか毎回、前日執筆なわけないでしょうけど、もしそうなら、地獄ですね。

医療費助成の拡大

来年1月から、熊本市の「子ども医療費助成制度」が変わります。助成対象が中学3年生まで拡大します。

医科外来の場合、3歳未満はこれまでと同様に無料です。

3歳から小学3年生までは、これまで自己負担の上限が月額500円だったのが、700円に増えてしまいます。

そのかわり新たに、小学4年から中学3年までの月額上限が1200円となり、助成対象が6学年も拡大します。

来年4年生になるお子さんが、いちばんオトク感がありますね。

しかしこのように、医療費助成を手厚くすればするほど、国から自治体への支援が減らされます。

以前にも書いた、「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1649.html" target="_blank" title="国庫負担減額調整措置">国庫負担減額調整措置</a>」というペナルティーです。

医療医助成を増やすと安易な医療機関受診につながるので、ムダな医療費が増える、というのが国の理屈です。

国の理屈が正しいのかどうか、最近調査が行われました。

その結果、低所得者層においては、医療費助成によってむしろ入院医療費が減ったとの結果が出たそうです。

助成があるから早めに受診するので、重症化を防ぐことができ、入院しなくても済んだというわけです。

少しムダ目の医療介入でも、数打ちゃ重症例を減らす効果はあるという、予想通りの結果ともいえます。

「軽い風邪で病院にかかるな」という意見を裏返せば、「風邪がこじれそうなら病院にかかれ」となります。

しかし、軽い風邪か、こじれそうな風邪か、それを患者本人や家族が早い段階で判断するのは難しい。

その判断こそが、医者の仕事です。早めの病院受診が、最終的に医療費を減らすことにつながると思います。

もちろん、ムダな処方や検査は減らすべきですが、受診だけなら、むしろ敷居を低くしても良いのでは?

電磁パルス攻撃

北朝鮮は、「広大な地域への超強力EMP(電磁パルス)攻撃を加えることができる」と主張しました。

出ました!「EMP」。映画『マトリックス』で「センチネル」を撃退したときの、アレですね。

SF上の兵器かと思ってたら、ドラマ『<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-456.html" target="_blank" title="24 -TWENTY FOUR-">24 -TWENTY FOUR-</a>』では、テロ用に使われていました。

核爆弾を、地上数十〜数百キロの高高度で爆発させると、広い範囲にEMP攻撃が及ぶとされます。

EMP実現のためには、ICBMの大気圏再突入技術は不要なので、北朝鮮リスクは一気に高まった気がします。

強力なEMPによって、あらゆる電子機器が破壊され、インフラや経済活動や防衛網も無力化できるとか。

当然、米国などではEMP対策を行ってることでしょうけど、それは国防上の重要拠点など一部でしょうね。

EMPが落雷の親玉みたいなものだとすれば、「電磁シールド」が有効かもしれません。

学校で習った「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-670.html" target="_blank" title="ファラデーケージ">ファラデーケージ</a>」のような、金属製の網で覆われた部屋などなら、安全なのでしょうか。

自動車や航空機に落雷しても、中の人間には影響がありません。でも、EMPだとどうなんでしょうね。

そういえば20数年前頃、私は毎日電磁シールドの中に入って、実験をしていたことがあります。

単離心筋細胞を使って、「パッチクランプ」という方法で細胞膜の単一チャネル電流を調べる研究です。

極めて小さな電流を計測するので、電気的ノイズを徹底的に排除するために、シールド室で実験します。

実験室内に、目の細かい金属の網で四方八方を囲まれた小部屋を作り、その中で作業するわけです。

でもEMP攻撃は、自動車や航空機の電子部品も破壊するらしいので、金網シールドぐらいじゃダメでしょう。

どのぐらい強力なシールドが必要なのでしょうね。鉛入りの壁でできた、レントゲン室なら大丈夫でしょうか。

万一に備えて、予備のパソコンやスマホや電子機器を、レントゲン室に保管しておくと有効でしょうか。

EMPでインフラ(電気、通信)が破壊されたら、パソコンやスマホがあってもあまり役に立ちませんけどね。

ペースメーカーの脆弱性

「セキュリティに脆弱性が発見されたので、リコールしてファームウェアをアップデートします」

ありゃりゃそうですか。じゃあよろしく。パソコンや家電なら、その程度の反応でしょう。

ところが今回、脆弱性解消のためにリコールが発表されたのは、米国某社製の体内植込型<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-929.html" target="_blank" title="ペースメーカー">ペースメーカー</a>です。

不整脈などの治療のために、体内に植込まれ、24時間ずっと心臓の電気活動をサポートする医療機器です。

リコールだと言っても、植込まれたペースメーカーを、体外に取り出してメーカーに送ることなどできません。

体内に植込まれたままの状態で、皮膚の外部から、特殊な機器を使って更新作業をすることになります。

ところが、パソコンでも何でもそうですが、ファームウェア更新中には普通、そのIT機器は作動を停止します。

そこで、停止している間に業務を止めたくなければ、別のIT機器でバックアップすることになります。

24時間稼働中のペースメーカーは、原則として作動を停止することはできません。

かといって、体内に植込まれているペースメーカーは1個なので、別の機器でバックアップはできません。

そんな時などのために、「バックアップモード」という、固定心拍数で作動する緊急モードがあります。

このモードに切り替えている間に、ファームウェアを更新するわけで、その所要時間は約3分間だそうです。

患者さんがどのような疾患・病状であれ、更新作業中の3分間は、一定心拍数で生命維持することになります。

更新に失敗する可能性は低いそうですが、もし失敗すれば、そのペースメーカーは機能を喪失するとのこと。

これを航空機のシステムに例えると、こうなります。

飛行中の旅客機でファームウェアの更新を行うため、3分間ほど、一定速度での飛行モードに切り替える。

更新に失敗する可能性は低いけど、もし失敗すれば、その航空機のシステムは機能を喪失する。

恐ろしい話です。

核実験と地震

北朝鮮の核実験には驚きましたね。

「ICBM搭載用の水爆実験に、完全に成功した」と豪語してますけど、いったいアナタは何したいの、戦争?

先日、ミサイルがグアム方向を避けて発射されたときには、米国を刺激したくないのだろうと報じられました。

それがなんのこっちゃない、米国を刺激しまくりじゃないですか。そろそろ、レッドライン超えじゃないの?

米国が我慢してるものだから、どんどんエスカレートしてきましたが、さてトランプ大統領はどうするのか。

安倍首相も「容認できない」と言ってますけど、これはいつも言ってます。いつも「容認できない」のです。

地震波形が自然地震とは異なることから、人工地震、すなわち核実験であろうと気象庁などは推測しました。

最初の揺れ(<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1675.html" target="_blank" title="P波">P波</a>)に引き続いて大きな揺れ(S波)が来るというのが、学校でも習った自然地震の波形です。

人工地震の場合は、いきなり大きな揺れで始まるのが特徴。今日もテレビでそのように解説していました。

でも、この話をネットで掘り下げると、色んな意味で興味深いページがいくらでも出てきますね。

東日本大震災の地震波形は、いきなり大きな波から始まっており、実は人工地震(米国の核実験)だった、とか。

阪神淡路大震災も、同様に人工地震特有の波形であり、あれも米国の陰謀だったのだ、とか。

このような陰謀論は、その理論武装がキモであり、荒唐無稽であればあるほど読んでいて面白いものです。

東京湾にもすでに、首都直下型地震の「準備」はできているらしいです。

市民病院の外科の今後

「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1957.html" target="_blank" title="熊本市民病院病・病診連携懇話会">熊本市民病院病・病診連携懇話会</a>」(この「病・病」はどうにかならんか)が、昨夜開催されました。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1684.html" target="_blank" title="新病院">新病院</a>は来年建設が始まり、早ければ2019年の秋から診療を始める計画とのこと。

一刻も早い「再稼働」を市民は待望しているでしょうけど、地震から3年半の実質的ブランクはちょっと長い。

働き盛りの中堅・若手医師が何人も、すでに病院を去っています。診療科によっては、全員いなくなりました。

部長もしくはそれ以上の管理職はおおむね残留し、外来診療を受け持っています。

「外来担当医はベテラン揃いです」と髙田院長が語りましたが、私には笑えないジョークでした。

外来はまだしも、入院治療を前提とする外科系の診療科は、ほとんどの手術ができないので壊滅的惨状です。

しかし、手術をあきらめた科が多い中で、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1673.html" target="_blank" title="小児心臓外科">小児心臓外科</a>は熊大病院の手術室を間借りして手術を続けています。

間借り手術では、医師・看護師・技士のチームを編成して熊大に出かけ、すべての診療を独立して行います。

手術室やICUはもちろん病棟でも、1名の心臓手術患者のために、市民病院チームが24時間体制で働きます。

熊大と市民病院のスタッフは、互いに一切の干渉をしない取り決めなので、まことに居心地が悪いそうです。

おまけに、診療報酬の半分は熊大に取られます。なんとも理不尽ですが、手術の灯を消すわけにはいきません。

小児心臓外科が自前手術を続けるのは、県内の他の病院には、小児の心臓手術ができる医師がいないからです。

一方で、胃腸・肺・乳腺・脳神経などの外科疾患は、他の病院にお願いして、手術してもらうことになります。

このように市民病院の外科系は、一部を除いてほとんど、他の医療機関でカバーできているのが実情です。

あと2年間このような状況が続くうちに、市民病院の存在意義がどんどん低下するような気がしてなりません。

また緊縮財政の中で新病院ができても、はたして市民を呼び戻すような魅力的な医療ができるのでしょうか。

優秀で経験豊富な外科医や麻酔科医が、2年後にまた集まってきてくれる保証もないのに。

ゴールド免許喪失

3回連続獲得していた「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-366.html" target="_blank" title="ゴールド免許">ゴールド免許</a>」を、本日の運転免許証更新で、ついに喪失してしまいました。

「ブルー免許」に転落です。その原因は、4年前の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-422.html" target="_blank" title="スピード違反">スピード違反</a>です。痛恨の極みです。

過去5年間に、1度でも違反を犯してしまうと、次の更新ではゴールドはもらえないのです。厳しい掟ですね。

ただし私の場合、軽微な違反が1回のみなので、ブルー免許なのに有効期間は5年です。初めて知りました。

違反が2回以上だったり、軽微でない場合には、ブルーの3年になるようです。

つまり同じブルーでも、比較的優良なブルーと比較的不良なブルーの2種類あるわけですね。

ゴールドは「優良運転者」、ブルーの5年は「一般運転者」、ブルーの3年は「違反運転者」と呼ばれます。

前回の講習は30分でしたが、今日は60分に倍増です。ブルーの3年だと120分も拘束されるところでした。

でも、ブルーの5年って、今後いくら優良な運転を続けても、ゴールドに復帰できるのは5年後なんですよね。

もしもブルーの3年なら、3年後にはゴールドに戻れる(可能性がある)のに。なんか、やりきれません。

2年以上前までに、もう1回違反をしておけば良かったのか。う〜ん、それを知ってたらどうしたでしょうね。

スコッチウイスキーの「ジョニーウォーカー」は、黒ラベルの「ジョニ黒」で有名ですが、別の色もあります。

低価格の方から順に、「レッド」「ブラック」「グリーン」「ゴールド」「プラチナ」「ブルー」です。

最上位の「ブルー」に比べたら、「ゴールド」なんて屁みたいなものですよ。そう思っとこう。