書斎のバー化

未開栓のウイスキーを、20年以上自宅で寝かせて(=放置して)いたものが何本もあると、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2092.html" target="_blank" title="以前">以前</a>書きました。

栓のコルクが傷んで気密性が悪くなり、中身が揮発して、未開栓なのに内容量がだいぶ減ってたりします。

密閉できてないくせにガラスにしっかり貼り付いたコルクが抜けなくなり、砕けてしまうこともしばしばです。

そのコルク抜きの<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2107.html" target="_blank" title="苦労談">苦労談</a>は前に書いたので、今回は別の話を。

まず、すでに開栓して日頃ときどき飲んでるウイスキーボトルの扱い、とくに密栓法をどうするか。

1,2カ月で飲み干すつもりなら特段の工夫は必要ないでしょうけど、開栓後何年も保管するとなると問題です。

私が自宅でウイスキーを飲むとき、1銘柄につき1杯25mlほど、それを3,4銘柄というパターンが多いです。

大衆的な銘柄はたびたび出番が来ますが、ちょっと高級なヤツは月に1回飲むかどうか、という頻度です。

それが750mlのボトルだと、月に1回の飲み方では飲み干すのに30カ月かかる計算。中身の揮発が心配です。

そこで、コルク栓の気密性を補強するために、周囲に巻き付けて使うのが「パラフィルム」なのです。

医学・生物学や化学実験の経験がある方なら、おなじみですね。試験管やフラスコの口を密閉するシールです。

手で引っ張るとグニューンと伸びて、色んな形状の部分に密着し、その内部を密閉し、しかも剥がれません。

幅4インチのパラフィルムを長さ1インチほど切り取り、コルク栓の根元に巻き付けて綺麗にシールできます。

もちろん、ボトルの保管場所(=書斎)の温度管理にも気を付けています。夏場はエアコンつけっぱです。

もともと暗い部屋ですが、窓には常にシャッターを下ろし、日光が入らないようにしています。

書棚にはウイスキーボトルを産地別に整然と並べ、地震で落ちないように、棚にはチェーンを張ってます。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2150.html" target="_blank" title="先日">先日</a>は糸を張っていると書きましたが、どうも見栄えが悪いので、すべて黒いチェーンに取り替えました。

かくしてわが書斎は、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1681.html" target="_blank" title="震災後の混沌">震災後の混沌</a>から立ち直ったどころか、いまや私には快適なバーと化しているのです。

どうなるザらス

米国の「トイザらス」が、経営破綻したザらス。Amazonの激流に、押し流されてしまったらしいザらス。

破産手続きの対象は米国とカナダの店舗だけで、日本法人の営業は継続するらしいザらス。くどいザらスか?

当院の隣には「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1917.html" target="_blank" title="ゆめタウンサンピアン">ゆめタウンサンピアン</a>」があり、そこに「トイザらス」と「ベビーザらス」が入居しています。

昭和の時代、この地には地元スーパーのニコニコ堂が経営する「サンピアンプール」があったそうですね。

いろいろあってプールは廃止され、1996年に「ニコニコドーサンピアンシティモール」ができました。

そのニコニコ堂が2002年に経営破綻し、イズミグループの「ゆめタウンサンピアン」となったわけです。

トイザらスとベビーザらスが近いのもメリットと考え、私はその隣で、2007年にクリニックを開院しました。

ところが3年前、熊本市の比較的中心部に「ゆめタウン大江」ができると聞き、戦々恐々としたものです。

その新しいショッピングセンターに、トイザらスたちが移転してしまうのではないかと思ったからです。

さいわい移転はなく、ほっと胸をなで下ろしたと思ったら、昨年の熊本地震。

老朽化していたサンピアンは構造が損壊したので、完全に建て替えるのではないか、という噂も聞きました。

それだと、営業再開まで年単位かかるでしょう。今度こそ、ザらスたちが逃げてしまうのかと心配しました。

ところが、サンピアンは持ちこたえました。地震の4カ月半後には、トイザらスも<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1794.html" target="_blank" title="営業を再開">営業を再開</a>しました。

彼らは残ってくれたのです。可愛いやつらです。応援シナケレバ。

考えてみると、クリニックの備品のオモチャを最近は、Amazonで買ってましたね。これはいけませんザらス。

世界最高齢ナビ

鹿児島県の田島ナビさんが世界最高齢の人物となり、久々に日本人が一位の座を奪還しました。

1900年(明治33年)生まれの117歳。この方に比べたら、57歳の私など、ひよっこ同然です。

「日本で存命する最後の19世紀生まれ」とも言われています。面白い。足かけ3世紀生きてるわけですか。

ナビさんの夫(故人)の名前が富二子さんというのもまたウケます。富二子は「とみにし」と読むそうです。

世界最高齢って地位は、ひとたび獲得すると生涯破られることのないタイトルですよね。誰も追い越せない。

だからナビさんは安心して、のんびりと、こんどは史上最高齢記録の122歳を目指していただきたい。

長寿世界一(または二位)の日本です。平均寿命が伸びればおのずと、世界最高齢になる確率も上がります。

しかし、生存年齢には個人差が大きく、平均値が伸びることと、最高齢記録の数値は必ずしも相関しません。

現に昭和の時代にも110歳以上生きた日本人は多数いるし、過去最高記録の118歳は昭和30年代のものです。

明治33年生まれと聞いても、実は私には驚きがありません。以前は明治生まれなど珍しくなかったからです。

子どもの頃、身近にいた高齢の方の多くが、慶応生まれでした。言うなれば、江戸時代の生まれです。

そんな時代と比べ隔世の感があるのに、最高齢記録(正式な記録)の数値自体は、意外と伸び悩んでいます。

120歳あたりが、ヒトという生物の寿命の限界なんでしょうか。

科学が進歩して、150歳や200歳まで生きる時代は来るのでしょうか。それもどうかとは思いますが。

誕生日に台風

私の57回目の誕生日を、はるばる祝いに来たかのようなタイミングで、台風18号が九州に襲来しました。

鹿児島・宮崎、この時間帯だと四国方面の方が大変だと思いますが、熊本が直撃を免れたのはさいわいでした。

なにしろ熊本のあちこちではまだ、震災後の復旧作業が続いている現状なのです。そこは勘弁してください。

メールやFacebook等で、お祝いのメッセージをいただきました。みなさん、ありがとうございます。

しかしこの数年、私自身は、Facebook等で知人・友人の誕生を祝うことを控えてきました。

その理由は<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1810.html" target="_blank" title="1年前">1年前</a>に書いた通りです。ていうか、面倒くさがりなんですね、私は。

台風18号は、南方海上でしばらく力を蓄えた後、いきなり東へと舵を切り、列島を駆け抜けつつあります。

私は24歳で医者になり、ずっと心臓外科医の道を歩んできましたが、47歳で突然開業して現在に至ります。

まだ、駆け足段階とは思いませんが、時間を無駄にしている場合でもないことは、十分承知しています。

最近読んだ『定年後』(楠木新著・中公新書)によれば、60歳から74歳が「黄金の15年」だそうです。

50代までは、そのとき輝くための助走期間だと。ならば私はすでに、準備の仕上げ段階というわけですか。

・・・などという意識をもちつつ、さてこの1年で、何をやらかそうか。

収穫加速の法則

日産自動車のMr.ビーンこと、カルロス・ゴーン氏が、2022年に完全自動運転を実用化すると表明しました。

また、自動車販売台数の3割を電動車にするとも。

なにしろ英仏は40年までにガソリン車の販売を禁止するわけだし、世界の流れは完全に、そっち向いてます。

こういうのを「パラダイムシフト」というのでしょうか。この変化はもう、止まらないどころか加速しますね。

ゴーン氏は「自動車産業はこの先10年、過去50年よりも多くの変革を経験する」とも語りました。当然です。

技術革新は年々加速し、指数関数的に発展していきます。これを「収穫加速の法則」というそうです。

指数関数のグラフは、あるところから急に立ち上がるように見えるので、そこを「特異点」と言ったりします。

しかし私はただそれだけで、「技術的特異点(<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1861.html" target="_blank" title="シンギュラリティ">シンギュラリティ</a>)」だとする理論には賛同できません。

だって指数関数のグラフって、縦軸をぐっと圧縮すれば、カーブはまたなだらかになるからです。

将来、22世紀の人が21世紀を振り返ったら、あの時代はずいぶんのんびりしてたなぁ、と思うでしょう。

しかし23世紀の人から見れば、22世紀までの技術的進歩は緩やかだったね、などと言うはずです。

それぞれの時代の住人が、こりゃ大変革が来るぞ、シンギュラリティだと、その都度思うだけの話でしょう。

ただ、今世紀のシンギュラリティでAIが人類を超えてしまう点が、人類にとっては大問題ですけどね。

22世紀以降は、AIが勝手に技術革新を進めていくので、人間がいたとしてもただの傍観者かもしれません。

虫の音(おと)

「イグ・ノーベル賞」の受賞者が発表され、日本人の研究者らが「生物学賞」に輝きました。

「オスとメスが逆転した昆虫『トリカヘチャタテ』の発見」が、その受賞理由です。

メスが細長い「交尾器」をオスの体内に差し込んで、オスから精子(と栄養)を受け取るそうです。

諸事情によってメスの方が交尾に積極的になり、ついに、構造が逆転したと考えられています。

「性別を取り換えて育てられた男女」を描いた古典『とりかへばや物語』にちなんで名付けられたとのこと。

私の興味はしかし「トリカヘ」の方ではなく、「チャタテ」です。「チャタテムシ」の方です。

トリカヘチャタテは新種ですが、チャタテムシ目に属する昆虫は、世界で数千種類もいるそうです。

わが家でもときどき、わりと古い本の間で見かけます。あれはダニじゃなくてチャタテムシらしいですね。

捕まえようとするとページの間に入り込んでしまい、不本意ながら、そのままページを閉じることになります。

なんで「チャタテムシ」というのか調べたら、障子にとまった虫が茶をたてるような音を出すからだとか。

「茶をたてるような音」というのがよくわからないのでYouTubeで見たら、カサカサいってました。

カビを食べてくれるらしく、まんざら悪い虫でもなさそうです。目に付かない所に、ひっそり居てほしい。

虫といえば<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-572.html" target="_blank" title="以前">以前</a>、小麦粉に湧いたゴマみたいな虫のことを書きましたが、あれは「シバンムシ」のようです。

時計の秒針に似た音をさせるところが、死神の秒読みの音を連想させ、「死番虫」となったとのこと。

そういった小さな音から、昔の人は想像を膨らませたんですね。

セイタイ調査

厚労省が3年ごとに行っている、「医療施設静態調査」の調査票が届きました。

医療施設の「分布及び整備の実態を明らかに」して、「診療機能を把握」するための調査です。

先日ブログに書いた「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2145.html" target="_blank" title="患者調査">患者調査</a>」はサンプル調査ですが、「静態調査」の方は全ての医療機関が調査対象です。

考えてみると、両調査はいずれも3年毎に行われているので、おそらく両者を統合して分析するのでしょう。

問題点が2つ。まず「静態調査」って言葉ですよ。「動態調査」と対をなす用語でしょうけど、聞き慣れない。

「セイタイ」と聞いてふつう思い浮かぶのは、生態か生体か、せいぜい声帯か整体でしょう。

これまで五十数年の人生で私が目にした「静態」は、この厚労省が使っている「静態調査」の時だけです。

医療機関などの開設・廃止などの調査が「動態調査」で、診療内容の調査が「静態調査」らしいですけどね。

例によって「オンライン回答」が推奨されていますが、これがまた問題。<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1114.html" target="_blank" title="Excelファイル">Excelファイル</a>での提出なのです。

Windows環境で厚労省サイトから回答用Excelファイルをダウンロードして、記入して、アップロードしろと。

だから、口を酸っぱくして言ってますけど、Excelのファイルで回答させるのはもう、やめてくれませんか。

先の「患者調査」でも、Macなので回答できないと申し入れたら、回答用紙がドサッと送られてきました。

紙への記入だと、こっちもだいぶ手間がかかりますけど、そっち(厚労省)の方も面倒じゃないの?

百歩譲ってExcelを使うとしても、マクロを埋め込まない単純なワークシートにはできないのですか。

そうすれば、Macの表計算ソフトが使えるんですけどね。

それが無理なら次回からは、Macユーザーは調査対象免除、ってことにしてくれませんかね。

iPhone 10周年

発売10周年の節目となる新型iPhoneの名称は、「iPhone X」でした。「X」は「テン(10)」ですね。

この10周年記念モデルについては、この数カ月間ずっと、リーク情報と臆測がネットを賑わせてきました。

デザイン、機能、認証方法、充電方法、そして名称について、さまざまな可能性が議論されていました。

「7s」をとばして「8」か「X」だ、なんて話が出てましたが、結局、「8」と「X」の両方でしたね。

そのうちの「X」の方がまさに、10周年記念と言える斬新なモデルのようです。もう、買うしかありません。

デザインは事前情報通り、全面フル有機ELのベゼルレス。「7 Plus」よりも小さなボディで大きな画面です。

とはいえ、完璧なベゼルレスではなく、周辺に1ミリか2ミリの縁があるのが、惜しい。

ホームボタンの場所が無くなるわけで、「指紋認証(Touch ID)」はどうなるのかという心配がありました。

画面の中に認証部分を設置するのは、技術的に困難だったようですね。

そこで「顔認証(Face ID)」です。顔に3万以上の見えないドットを投写して、赤外線カメラで読み取るとか。

髪型やメガネを変えても認証するといいます。これで精度が完璧で速度が速ければ、すごい技術ですけどね。

それを検証するためには、自分で(買って)試すしかありません。

予約開始は10月27日。<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1802.html" target="_blank" title="いつものように">いつものように</a>金曜日(=休診日)です。また頑張ろうっと。

野菜不足に野菜ジュース

Amazonから、おかしなメールが届きました。妙なメールは<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2050.html" target="_blank" title="スパム">スパム</a>の疑いが濃厚なので、注意が必要です。

慎重に開けてみると、「Amazon定期おトク便」に関連した、以下のような内容でした。

「『<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1061.html" target="_blank" title="伊藤園 1日分の野菜">伊藤園 1日分の野菜</a> 900g×12本』について、ご注文商品が発売元で発売中止となりました」

「『伊藤園 1日分の野菜 900g×12本』を『伊藤園 1日分の野菜 900g×12本』に変更させていただきました」

う〜ん、なんでしょう。Amazonからの純正のメールのようですが、内容的には、ほぼスパムです。

「商品『A』は発売中止になったので、かわりに商品『A』を送ります」という、文章の意味がわからない。

おまけに『伊藤園 1日分の野菜』なら昨日、いつものように12本、自宅に届いてますけどね。

なんのこっちゃと思いながら、キッチン横の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2151.html" target="_blank" title="パントリー">パントリー</a>を見るとしかし、新旧のボトルの外見が微妙に違う!

今月届いた『伊藤園 1日分の野菜』のボトルの左肩には、「管理栄養士推奨」の文字があります。これか!?

メーカーのサイトを見ると、今月からパッケージを一新したと書いてありました。

それと同時に商品コード(JANコード)も変更されたので、Amazon的には別商品扱いになったのでしょう。

「管理栄養士推奨」の根拠は、267人の管理栄養士への、アンケート調査結果を受けたもののようです。

「野菜や栄養が不足している方に『1日分の野菜』を紹介したいと思いますか?」というのが、その質問。

野菜不足の人に野菜ジュースを推奨するなど当たり前。そんなことでこの商品を「推奨」したことになるのか?

緊急停止が悪いのか

小田急線沿線の火災が電車に燃え移った昨日の事故が、ひとつ間違えば大惨事だったと報じられています。

消防隊員から要請されて警察官が非常停止ボタンを押したら、電車が火災現場の真ん前で止まったようですね。

安全に現場を通過できたはずの電車が、わざわざ危険な場所に長居したというのは、いかにもマズイ話。

火災現場の建物で何かが爆発したりすれば、それこそ一大事でした。

自動停止するよりも、指令所と<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1287.html" target="_blank" title="運転士">運転士</a>の判断で安全な場所に止めるべきだった、という意見も出ています。

でも、後からなら何とでも言えるのです。

今回は、火災現場が1カ所だけだったので、たしかにできるだけ速やかにその場を離れるべきでした。

しかしもっと大規模な災害、大地震やテロやミサイル着弾などの場合、最適な停止位置を誰が判断できるのか。

目先の火炎や煙だけを避けて走り続けたら、もっと悲惨な被災現場に突っ込むような事だってあり得ます。

緊急事態において、いちばん時間を浪費するのは「人が判断するために要する時間」だと思います。

「Jアラート」だって、なるべく人的な判断を介さず、できるだけ自動的に発令するから、意味があるのです。

火事でも航空機の墜落でもゴジラの出現でも、何か重大な異変が起きた時は、乗客の避難が最優先。

誰かが何かを判断する時間がもったいないなら、とりあえず、すぐ電車を停止させるのは正しい選択です。

指令所が運転士に指示を出す前に、現場の消防隊員が電車の停止を要請したことは、責められないのです。

それよりも、沿線火災ぐらいAIが判断して、その場を避けて自動停止するような仕組みにはできませんかね。