新入社員が過労自殺した電通の違法残業事件では、今日の初公判で社長が謝罪しました。
「顧客ファースト」で、深夜残業や休日出勤もいとわない考えが蔓延していたと、検察は指摘していました。
顧客のために、顧客の要求に応じて、顧客第一で社員が働いたことが、過重労働につながったのだと。
ところで、「顧客」を「患者」に置き換えてみましょう。
「患者ファースト」で、深夜残業や休日出勤もいとわない考えが、医療界にも蔓延しているからです。
患者のために、患者の要求に応じて、患者第一で医師が働くことが、過重労働につながっているのです。
電通や新国立競技場建設工事での「顧客第一」体質が、新入社員を過労自殺へと追い詰めました。
企業の「顧客第一」はつまり、営利目的であり、社員に過重労働をさせれば糾弾されなければなりません。
一方で東京や新潟の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2137.html" target="_blank" title="医師の過労死">医師の過労死</a>は、残念ながら、電通事件ほど日本中を騒がせる問題にはなりませんでした。
病院の「患者第一」はむしろ、賞賛対象なので、勤務医の過重労働にはメディアも見て見ぬふりなのです。
過労事故を防ぐための、厚労省の「働き方改革」では、医師への規制適用を暫定的に除外してしまいました。
医師には「応召義務」があるので、時間外労働を機械的には規制できない、というのが理由です。
しかしもうそろそろ、応召義務については考え直すときでしょう。できれば、撤廃すべきです。
医師は、その使命感と責任感によって自発的に診療を行うのであって、強制されるものではないのです。