ミサイル渋滞中

広島県内の県道の交通電光掲示板に昨日、「ミサイル渋滞中」という情報が30分間表示されていたと。

これを聞いて最初に、6年前の「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-129.html" target="_blank" title="セシウムさんテロップ騒動">セシウムさんテロップ騒動</a>」を思い出しました。

東海テレビが、番組のプレゼント当選者名を「セシウムさん」と表示して放送してしまった件です。

福島原発事故で日本中がピリピリしていた時期だけに、大ひんしゅくの放送事故でした。

職員が、ダミーの当選者名を入力して準備していたものを、新人の手違いでそのまま流したという悲劇です。

手違いや伝達ミスよりも、まず、そのような不謹慎なダミーを着想すること自体が、最大の問題でしょう。

さて「ミサイル渋滞中」ですが、じつは、「ミサイル」と「渋滞中」が交互に表示されていたようですね。

「ミサイル」は、Jアラートのミサイル情報を表示できるようにするための、作業中の誤作動だったとのこと。

なんだ、不適切なダミーがそのまま表示されたのではなかったのか。ちょっとつまらない結末。

これがもしも、「ミサイル」だけが単独で表示されていたら、かなりドライバーを驚かせたことでしょう。

ところが、「ミサイル」に「渋滞中」が続いたことで、ミサイルという言葉の深刻さが中和されたのです。

このさい、「ミサイル」「飛び出し注意」のペアであれば、もっと笑えたかもしれません。

なんなら、「ミサイル」「お先にどうぞ」なんてのもいいな。こういうのはたぶん、熊本県警が得意です。

開院当初を振り返る

10月1日に、つるはらクリニックは開院10周年を迎えます。

その記念祝賀会を、本日、当院スタッフを中心とした身内で行いました。

節目の年なので、開業前後から現在に至るまでの写真や資料を整理して、一冊のアルバムにまとめました。

その、アルバム作成作業を通じて振り返ってみると、10年間は苦労と喜びの繰り返しだと感じました。

熊本市民病院を退職するにあたっては、病院、大学、家族、実家、そして友達への相談や説得が必要でした。

大学の先輩が開業するときの姿を過去に何度も見てきましたが、やっと、先輩たちの気持ちがわかりました。

小児心臓外科医としての仕事には、誇りも責任も愛着もありましたが、信頼できる後輩にバトンを渡しました。

土日祝日は診療日とし、金曜休診・火曜半ドン(午後休診)という、かなり意欲的な診療体制で始めました。

最初の1週間の来院患者数は、月曜16、火曜3、水曜7、木曜12、土曜8、日曜11人でした。

私とスタッフが、診療と電子カルテに慣れるにはちょうど良い(?)患者数だったかもしれません。

当初は、金曜が祝日なら診療を行いましたが、いまは祝日でも休診しています。火曜も休診にしました。

アドレナリンが激しく出ていた開院当初は平気でしたが、だんだんと、疲れが出てくるものです。

それに、スタッフの休日・休息を確保しなければなりません。土日診療には、労務上の苦労も大きいものです。

開院前の研修の中で、職員が短期的・中長期的な目標を言い合いました。私の5年後の目標が、笑えます。

「医療以外の地域貢献、健康・体重維持、託児室・シャワー室・調理室をつくる、スタッフに1カ月の休暇を」

ブログが地域貢献に該当するかどうかは、わかりません。体重はまずまず。長期休暇は、すみません。

腕時計で電話

新型の「iPhone 8」の売れ行きがイマイチなのは、11月に「iPhone X」の発売が決まっているからでしょう。

私も含めてApple信者はiPhone Xを待つだろうし、信者でなければ急いでiPhone 8を買う理由もないわけで。

先週は、iPhone 8と同時に「Apple Watch Series 3」も発売されました。

興味ない人は興味ないでしょうけど、Apple Watch Series 3が「単体の電話」になったのも注目点です。

これまでと異なり、Series 3は、iPhoneとは独立して単独で通話ができるのです。興味ないですか?

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1371.html" target="_blank" title="私のWatch">私のWatch</a>は初代です。ペアリングしたiPhoneが近くにある時にのみ、電話としての着信や発信ができます。

カバンの中にiPhoneがあれば、かかってきた電話をWatchで受け、会話を続けることができます。

ただし、腕を口元に近付けて喋るのは、まるでSFアニメかB級スパイ映画のようで、人前では避けたいもの。

急ぎの電話であれば、とりあえずWatchで喋り始めながら、iPhoneを手に取る、というのが通常です。

ある日、自転車で通勤中に、実家からの着信があったときのこと。

農道で人目が無かったので、走りながら通話を続けました。手をハンドルに置いたままでも、十分話せます。

ところが、話がこじれてケンカ腰になり、気がつくと市街地を大声でしゃべりながら走っていたのでした。

その光景はまるで、大声で独りごとを言い続けながら自転車に乗っている、危ないオッサンそのもの。

街中で人々が、Watchで堂々と通話できるようになるまで、まだしばらくかかりそうですね。

バーボンのあれこれ

愛飲しているのはスコッチウイスキーの<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2134.html" target="_blank" title="シングルモルト">シングルモルト</a>ですが、ときにはバーボン(bourbon)も飲みます。

昔は「アーリータイムズ」とか「ジャックダニエル」とか「ワイルドターキー」を、よく飲んでました。

先日、池上彰氏の番組で、「自由の女神像」はフランスからアメリカに贈られた、という話が出ました。

付け加えるなら、その贈り主は、イギリスに対抗してアメリカを支援していたフランス国王<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1709.html" target="_blank" title="ルイ">ルイ</a>16世です。

後にフランス革命で処刑された、ブルボン(Bourbon)朝の国王ですね。

米大統領は、ブルボン朝への感謝を込めて、ケンタッキー州の郡のひとつを「バーボン郡」と名付けました。

ケンタッキー州のウイスキーは、おもにバーボン郡の港(川の港)から出荷されたそうです。

出荷地の名前が樽に刻印されたため、そのウイスキーは「バーボン」と呼ばれるようになったとのこと。

面白いことにバーボン郡には現在、バーボンの蒸溜所はないそうです。

最近、ジャックダニエル(標準のブラック)を久々に飲んだら、妙に辛く感じてしまいました。

いつもシングルモルトばかり飲んでるから、味覚が変わってしまったのか、体だけでなく舌も肥えたのか。

ジャックダニエルの蒸溜所があるのは、テネシー州ムーア郡。

面白いことにムーア郡は、禁酒法施行以来ずっと、郡内で酒類の販売ができない「禁酒郡」だとか。

子どもの頃好きだったお菓子「ルマンド」の製造元、あれも「ブルボン」ですよね。

調べてみると、「ブルボン朝」か、コーヒー豆の「ブルボン種」の、いずれかにちなんだ命名だとか。

ブルボン種の由来の「ブルボン島」はルイ13世が命名したので、どっちみち元はブルボン朝です。

ブルボン朝つながりですが、バーボンを飲むときのつまみにブルボンのお菓子は、たぶん合わないと思います。

希望のシャンシャン

上野動物園のパンダの赤ちゃんの名前は、「シャンシャン(香香)」に決まりました。

「香」と書いて「シャン」と読むのは、よく行ってた中華料理店「一品香(イーピンシャン)」で知ってます。

選考会はたぶん、すんなり委員の意見が一致して決まる「しゃんしゃん会議」だったのでしょう。

「シャンシャン」の命名を記者会見で発表したのは、ほかならぬ小池百合子・東京都知事でした。

引き続いて小池氏は、自身が立ち上げて代表に就任する新党の名称を、「希望の党」にしたと発表しました。

1日に2つの「命名案件」を、立て続けに晴れがましく披露するとは、なかなか上手い演出です。

どうせなら、旗揚げ会見の場で、「希望の党」のかわりに「シャンシャン」のパネルを出してほしかった。

「あ、うっかり間違いました」とか言って笑ってみせる。すると誰か記者が、

「どうせなら『シャンシャン党』にしてはどうですか」と突っこむ。

「いえ、それでは『シンシン党』に響きが似てて、縁起が悪いです」といなす小池氏・・・(以下略)

「希望の党」ではなくて「野望の党」だ「失望の党」だと、言葉遊びが始まっています。良い傾向ですね。

「○望」という二字熟語を調べてみると、聞いたこともない言葉がたくさん出てきました。

「鶴望」は、首を長くして待ち望むことだそうです。文字面も良いですね。いつか使おう。

「望望」なんてのもある。意味は(1)がっかりするさま、(2)遙かに望み見て思い慕うさま。

2つの意味がだいぶ違いますが、遙かに望み見たけれど叶わずがっかりする、ということなのでしょうか。

「ヒゲ望望」とは、ダンディーになりたくて伸ばしたけれど、結果ガッカリなヒゲのことなんでしょうね。

菊陽のトライアングル

地方都市の、そのまた郊外に住んでいると、どうしても街に出る機会が減ります。

近所に郊外型の大型ショッピングセンターなどがあるので、日頃の生活はほぼ地元で完結してしまうのです。

でもたまには街の空気も吸いたいし、その反対に、もっと田舎の自然を満喫したくもなる。

福岡に住んでいた頃は、たびたび上京して東京の街をうろついたり、阿蘇方面に遊びに行ったりしていました。

熊本に来てからは、ときどき福岡に遊びに出るか、あるいはやはり阿蘇をドライブしたりしてきました。

それから菊陽町に引っ越すと、たまに熊本市中心市街に出かけるか、そうでなければ阿蘇方面を訪れます。

求める街の規模が、だんだんと小さくなっていますが、満喫する自然はいつも、阿蘇なんですね。

それと同時に、自分自身の居住地がだんだんと阿蘇に近づいていることに気付き、愕然としました。

もしかして、終の住み処は阿蘇なのか。そのときは街の空気が吸いたくなると、菊陽に出てくるのか。

最近、菊陽の中でもやや郊外にある、「ドン.キホーテ」「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-743.html" target="_blank" title="ハンズマン">ハンズマン</a>」「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2007.html" target="_blank" title="デサキ">デサキ</a>」の3店舗をよく巡ります。

これを「ド・ハ・デ」トライアングルと命名しましょう。庶民的な客層の店ですが、あなどれません。

ドンキは、一部の銘柄の商品(酒類)が、ネット通販の最安値よりも安いという、穴場なのです。

ハンズマンは、最近特殊なネジを購入したときに、そのありがたみを再認識したばかり。とにかくネジが多い。

デサキは・・・う〜ん、余計な日用品置くのやめて全部文具にしたら、そうとう面白い店だったんですがね。

RSウイルス検査希望

「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2055.html" target="_blank" title="アデノウイルス">アデノウイルス</a>の検査をしてください」という患者さん(の親御さん)が、最近チラホラいます。

高熱を伴う強い咽頭炎・扁桃炎の所見があれば、アデノウイルスの迅速検査をする場合があります。

アデノが出なかったら普通のノド風邪の治療をしますが、アデノが出ても結局は普通のノド風邪の治療です。

じゃあ、検査する意味あるのか、って話です。

患者が保育園に報告するという社会的意義はありますが、治療に結び付く医学的意味は、あまりありません。

「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2146.html" target="_blank" title="RSウイルス">RSウイルス</a>の検査をしてください」という方が、今月はとても多いですね。

0歳で39度以上で咳がひどくて喘鳴が聞こえていれば、まあ、検査します。低酸素があればなおさらです。

ただし、保険が利くのは0歳だけです。1歳以上の方にRSの検査をすると、「自由診療」(自費)となります。

ところが、RSウイルスの検査料を自由診療として患者に負担させると「混合診療」となり、御法度です。

つまり、自費でもいいから検査してくれ、と言われても、自費では検査ができないルールなのです。

結局、検査費用は、保険診療でも自由診療でもないサービス(=医療機関の負担)ということで決着します。

以前は、このようなサービス検査を私もしばしば行っていましたが、最近は減らしています。なるべくしない。

1歳以上で、病状が比較的軽くて入院治療が必要とは思われない場合には、基本的に検査しない方針です。

だって、RSウイルス感染であろうとなかろうと、処方や吸入や点滴などの治療内容に差は無いからです。

いや待てよ、治療中の疾病に無関係な自由診療を行った場合は、混合診療にはならないのではなかったっけ?

たとえば、高血圧の治療で通院している人に、インフルエンザワクチンを接種する時などがそれです。

RSウイルスの検査結果は治療には無関係だから自費検査OKだ、と強弁することはできないのでしょうかね。

口論エスカレート中

「過去最大の水爆実験を太平洋上でやる」と、過去最大の激しい表現を、北朝鮮が繰り出しました。

まったく言い放題やり放題ですが、北朝鮮が何をやっても、それを直接取り締まるすべがありません。

ミサイルを発射し、核実験もやり、非難されたらますますエスカレートする。まるで子どもです。

じゃあ、世界各国が非難もせず、制裁も加えず、報道もせず、ひたすら無視してみたらどうなるんでしょうね。

自国の領土内で何度核実験をしようと、公海上に何発ミサイルを撃ち込もうと、徹底的に無視する。知らん。

いやいやそれだと、他国の領海ギリギリに着弾させたり、核弾頭を公海上に落としたりし始めるかもしれん。

そうこうするうちに、精度の低いミサイルが、どこかの国の領海か領土に落ちたりする。

先日のミサイル発射のとき、着水域を事前通告してなかったのは国際法違反だ、なんて言ってる人がいました。

寝ぼけちゃいけません。国際法なんて、あの国に通用するものですか。

あらゆる国際法が、あらゆる条約が、あらゆる常識が、すべて適用外です。

おまけに、金正恩委員長だけが子どもかと思ったら、トランプ大統領というガキ大将がいるので、ややこしい。

「ロケットマン」→「老いぼれ狂人」→「リトルロケットマン」

と、悪態の応酬が続いてます。容貌容姿に関わる言葉が出始めたので、いよいよ口げんかも末期ですね。

それにしても、このレベルの低さは何なんでしょう。かりにも国家元首ですよ。

顧客ファースト

新入社員が過労自殺した電通の違法残業事件では、今日の初公判で社長が謝罪しました。

「顧客ファースト」で、深夜残業や休日出勤もいとわない考えが蔓延していたと、検察は指摘していました。

顧客のために、顧客の要求に応じて、顧客第一で社員が働いたことが、過重労働につながったのだと。

ところで、「顧客」を「患者」に置き換えてみましょう。

「患者ファースト」で、深夜残業や休日出勤もいとわない考えが、医療界にも蔓延しているからです。

患者のために、患者の要求に応じて、患者第一で医師が働くことが、過重労働につながっているのです。

電通や新国立競技場建設工事での「顧客第一」体質が、新入社員を過労自殺へと追い詰めました。

企業の「顧客第一」はつまり、営利目的であり、社員に過重労働をさせれば糾弾されなければなりません。

一方で東京や新潟の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2137.html" target="_blank" title="医師の過労死">医師の過労死</a>は、残念ながら、電通事件ほど日本中を騒がせる問題にはなりませんでした。

病院の「患者第一」はむしろ、賞賛対象なので、勤務医の過重労働にはメディアも見て見ぬふりなのです。

過労事故を防ぐための、厚労省の「働き方改革」では、医師への規制適用を暫定的に除外してしまいました。

医師には「応召義務」があるので、時間外労働を機械的には規制できない、というのが理由です。

しかしもうそろそろ、応召義務については考え直すときでしょう。できれば、撤廃すべきです。

医師は、その使命感と責任感によって自発的に診療を行うのであって、強制されるものではないのです。

解散に大義はあるのか

衆議院の解散が、迫りつつあります。野党やメディアは「大義なき解散」だと猛烈に批判しています。

しかし、大義はともかく、理由ならあります。今なら勝てるからです。誰もがそう思っています。

来年12月には任期満了となる衆議院で、いつ選挙するのが最善かと考えれば、おのずと答は出るでしょう。

準備がまったく間に合わない野党があと1年待ってくれと言ったって、与党が待つはずがありません。

解散の大義を、なぜいま解散するのか、に求めるからおかしくなるのです。

選挙で大勝したとして、その後何をしたいのか。それこそが解散の大義でしょう。野党はそれを問わなければ。

普通に考えたらそれは、多数勢力に頼った憲法改正(の発議)でしょうね。

「憲法改正が大義である。そのためには発議可能な議席確保が必要であり、だからいま解散するのだ」

そうハッキリ言ってくれればスッキリするものを、安倍首相はどうも、素直じゃない。

消費税の増税分を幼児教育や高等教育の無償化に充てる、などと脈絡もなく言い出すのがダメなのです。

たしかに「日本経済が抱える最大の壁は人口減少だ」と安倍首相が言うとおり、少子化問題は極めて深刻です。

しかし、そんな重要なことを海外の証券取引所で「公約」するものだから、「取って付けた感」があるのです。

ならばそのことを国連でももういちど明言するのかと思えば、国連演説は異常なまでに北朝鮮一色でした。

そこまでトランプ米大統領に迎合したいなら、「ロケットマン」を使ってほしかったな。