「なんなら」の用法

朝からお墓参りをすませ、午前中は部屋の片付けなどして、なんなら午後から炎天下をサイクリングしました。

それもこれも、夕方のビールを旨くするための仕込みです。なんなら今年初めての鰻もいただきました。

こんな感じの「なんなら」の誤用を、ネットでよく目にしますね。誤用なんだけど、なんなら嫌いじゃない。

辞書で「なんなら」を引くと、その意味は2つ書いてあります。

(1)もしよければ。「なんなら私の方からお電話しましょうか」

(2)もしイヤなら。「ビールがなんなら日本酒にしましょうか」

面白いですね、正反対の気持ちを同じ「なんなら」で表すとは。外国人には聞き分けが難しそうです。

たとえば接待の酒席を始めるとき、「お飲み物はビールでよろしかったですか」などと店員に尋ねられた際に、

(1)相手が日本酒好きと知ってて、「なんなら日本酒にしましょうか」(日本酒から始めてよければ)

(2)相手がビール嫌いと知ってて、「なんなら日本酒にしましょうか」(ビールを飲むのがイヤなら)

冒頭に書いたような誤用は、それどころか、とか、さらに言うと、のような意味で使われているようです。

ネットから拾ってきた用例には、「彼女とは何でもないよ。なんなら手もつながなかったし」なんてのもある。

なんなら=もしよければ→もしよければさらに言わせていただきますが、みたいな変化なのかもしれません。

それにしても、ひつまぶしが旨かった。なんならビールも。