高齢者の交通事故は、最近とくに加害者(=運転者)としての自動車事故が、よく報じられます。
アクセルとブレーキを踏み間違えたように見えるケースも多く、車種はプリウスが多い印象があります。
プリウス自体に問題があるのか、販売台数が多いことや高齢者が選びやすいだけなのかは、わかりません。
加齢によって、判断力や反射神経が鈍ってくるのは避けられないので、車の安全性をもっと高めるべきです。
自動ブレーキ機能は、高齢者が運転する車では必須の要件でしょう。そのへんは法制化できないのでしょうか。
あっ、と思ってブレーキを踏もうとして、逆にアクセルを踏み込んでしまうなんてのは、あり得る話です。
パニック状態になると体が固まり、頭ではわかっていることでも、とっさには行動に移れなくなるのです。
実は私もつい最近、身をもって経験した「事故」があるので、その不幸な出来事を報告いたします。
言い訳にはなりませんが、その日はとても急いでいたのです。しかも天気が崩れそうな雲行きでした。
家を出るときに、イヤな予感はしてました。だからこそ、あえて落ち着いた行動を心がけたのです。
まず玄関口で、靴に撥水スプレーをかけることを忘れませんでした。なにしろお気に入りの革靴ですから。
その、まだ新しい水色のスエードの靴に勢いよくふりまいたスプレーはしかし、黒い靴墨でした。
鮮やかな水色のスエードが真っ黒に染まったその瞬間、何が起きたのか、理解できませんでした。
理解できないのだから、スプレーのボタンを押す指の力も緩みません。むしろ、力が入ったかもしれません。
その次の瞬間には事の重大さに気付きましたが、スプレーをふりかけている手の動きがまだ、止まりません。
見る見るうちに、靴の先から左側面全体が黒ずんでいきます。そこまできて、ようやく手が止まりました。
あわててスプレー缶を放り出し、玄関にへたり込んでしまったのでした。