ぞろぞろ投票の不思議

「テロ等準備罪」を新設する「改正組織犯罪処罰法」が、徹夜審議の末、今朝参議院で可決・成立しました。

さて、久しぶりに国会のインターネット中継(録画)を眺めてみましたが、おかしな流儀があるものですね。

【参議院本会議】昨日午前10時より

まず6つの法律案は、委員長の報告を受けて「押しボタン式」投票での採決が行われました。これは合理的。

ところが「国務大臣山本幸三君問責決議案」の段になって、おかしなことが始まります。

「議事における発言時間は趣旨説明については十五分、討論その他については一人十分に制限することの動議」

なるものが提出され、しかも、「表決は記名投票を持って行われたいとの要求」が出されたのです。

議員がぞろぞろ歩いて投票する作業が始まりました。点呼・投票・計算から議長による結果宣告まで約13分。

重要法案の採決ならともかく、こういう枝葉末節な動議は、ちゃっちゃと押しボタンで採決したらどうなの。

動議の可決後にようやく趣旨説明と討論が行われ、またぞろぞろと記名投票。当然ですが決議案は否決ですよ。

結果の見えていることに、2度もぞろぞろ投票するバカらしさ。そうこうするうちに、昼になり休憩。

【参議院本会議】昨日午後6時21分より

こんどは「法務大臣金田勝年君問責決議案」からです。

まず例の、発言時間を制限する動議。ぞろぞろ投票。可決。決議案の趣旨説明と討論。ぞろぞろ投票。否決。

いよいよ「改正組織犯罪処罰法の中間報告を求めることの動議を議題にすることの動議」が提出されます。

ぞろぞろ投票が行われ、可決。

つづいて「議院運営委員長山本順三君解任決議案」です。

さっそく、発言時間を制限する動議。ぞろぞろ投票。可決。決議案の趣旨説明と討論。ぞろぞろ投票。否決。

結局、本筋の討論に入らないまま、議長は「本日はこれにて延会する」と宣言。午後9時42分。

疲れたので、以下駆け足で。

昨日午後11時32分に、衆議院本会議に緊急動議「安倍内閣不信任決議案」が提出され、そのまま延会。

翌日未明から、衆議院本会議での審議がおこなわれ、午前1時36分に記名投票により、決議案は否決。

それを受けて、参議院本会議で、「改正組織犯罪処罰法」に関する審議が始まりました。

流れは同じ。以下同文です。最終的に「改正組織犯罪処罰法」の表決は、今朝7時46分。

議員の皆さま、お疲れさんでした。でも、よく歩きましたね。良い運動にはなったでしょう。