血圧人体実験

ナイスじゃないカップ麺について、昨日書きましたが、塩分が多い食事を摂ると、ただちに血圧が上がるのか?

これは科学的に検証する必要があります。つまり、実験です。人体実験です。

そこで今晩、問題のカップ麺摂食前後の血圧、とくにスープを飲む前後の血圧を精密に測定してみました。

血圧は、オムロンの上腕式血圧計HEM-7600Tを使って、毎回2度計測してその平均値を測定値としました。

この血圧計は、測定値がBluetoothによってリアルタイムにiPhoneに送信され、記録・管理できます。

入浴後、ビールを2本飲み、地鶏焼きとカボチャコロッケと佐賀牛を食べ終わってから、実験開始です。

「カップヌードル ナイス 濃厚! ポーク しょう油」を、硬麺の状態で食べました。汁は全部飲みました。

まず、言いたい。塩辛いことこの上なし。カップの底に、濃厚な辛いスープが沈殿しており、のどが痛みます。

コクやうま味よりも、とにかく塩辛い。やっぱりダメでしょう、この味付けは。で、血圧は、

食前:116/73 → 麺食直後:108/68 → スープ飲んだ直後:101/62 → その30分後:108/70

めちゃ塩辛いスープを飲んだ直後は、血圧はむしろ下がっています。カーッとして、血管が拡張したのか。

その後、スコッチをロックで2杯飲み、1時間後に血圧を測ってみると、血圧はさらに下がって94/65。

食塩摂取による血圧上昇は、もっと後で起きるのでしょう。飲酒による血圧低下作用の方が強く現れています。

アルコールって、思いのほか血圧下げますね。飲酒後の入浴が危険なはずです。

ナイスじゃないカップ麺

「カップヌードル ナイス」が、バカ売れしていると聞きました。「こってり濃厚だけどヘルシー」だと。

食べることの「罪悪感」を払拭すべく、糖質40%、脂質を50%減らしてヘルシーにしたというカップ麺です。

一見ナイスな話ですが、問題は塩分。濃厚でこってりな味にするために、塩分を増量しているからです。

通常のカップヌードル1個当たりの食塩含有量4.8gに対して、ナイス2種の食塩含有量は5.3gと5.6g。

ダメでしょう。塩分増やしちゃ。どうしてそれで「ヘルシー」なんですか、「ナイス」なんですか。

WHOが推奨する食塩摂取量は、1日当たり5gです。その量を、カップ麺1杯で超えるとは。血圧が心配です。

高血圧症の治療は、生活習慣の改善と、必要なら降圧剤によって行います。塩分制限はとくに重要です。

治療経過を見るために、患者さんには自宅で朝晩の血圧を測ってもらいます。

専用の手帳に、できれば折れ線グラフで記録してもらうと、血圧の推移の全体像がつかめます。

ときどき血圧が、ビュンッ、と上がっている朝がありますが、たいていその前の晩が飲み会だったりします。

飲み会翌朝の血圧上昇は、多くの患者さんで見られる現象です。原因はおそらく、塩分の摂りすぎでしょう。

居酒屋等のメニューを、しかも暴飲暴食して、おまけに締めのラーメンを食べたりすると、効果てきめんです。

その締めのラーメンを、「ヘルシー」だからと「カップヌードル ナイス」に変えても、ダメなのです。

通常品よりもある意味不健全なこのカップ麺を、「ヘルシー」だと強調して販売するのは問題でしょう。

少なくとも高血圧や腎臓病の方にとっては、ナイスじゃないッス。

禁煙外来、次も来てね

「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1910.html" target="_blank" title="禁煙外来">禁煙外来</a>」における診療報酬「ニコチン依存症管理料」の算定要件が、今年から厳しくなっています。

禁煙外来は、5回の通院によって、問診・診察・呼気一酸化炭素濃度測定と禁煙治療薬の処方を行うものです。

ところが、途中で禁煙に失敗(または早々と成功)して、通院を自己中断する方がけっこう多いのです。

それどころか、初回だけ受診して、2回目からはもう来なくなる方も時々います。こういう方が問題です。

昨年の診療報酬改定によって、通院回数が少ない医療機関では、診療報酬が減額されることになりました。

過去1年間の禁煙外来の通院回数が、一人当たり平均2回未満の医療機関は、管理料が7割しか算定できません。

このたび厚生局から、昨年度の平均継続回数を算出して提出するようにと、調査用紙が届きました。

当院の実績を計算したところ、平均継続回数は2.75回。今年度の診療報酬は減額されずに済みそうです。

もしこの数値が2を下回ったら、全ての禁煙外来受診者に対して診療報酬が減額されるので、大変なことです。

それを防ぐためには、禁煙外来には必ず、少なくとも2回は通院してもらわなければなりません。

1回でやめるのは、禁煙治療を始めたものの禁煙できそうな気がしなくて、早々と治療を諦める方でしょう。

そのような、1回だけで通院をやめるケースが多い医療機関は報酬を減らすぞ、と厚労省は言うのです。

でもどうなんでしょう。1回だけでやめるかどうかは、その人の問題であって医療機関の問題ではありません。

確実に2回以上禁煙外来を受診できそうな人にだけ、禁煙治療薬を処方せよというのもおかしな話です。

むしろ、禁煙が成功する自信は無いけど禁煙治療にチャレンジしたい、という人を応援すべきじゃないですか。

禁煙治療の導入に積極的な医療機関ほど、禁煙外来の平均継続回数は減るんじゃないかとさえ思えるのです。

日本脳炎ワクチン厳しい

全国的には不足していないと厚労省が強弁している「日本脳炎ワクチン」。現場ではまったく足りていません。

ワクチン不足の理由は、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2045.html" target="_blank" title="前に詳しく書きました">前に詳しく書きました</a>が、もういちど簡単にまとめるなら次の3つです。

(1)<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1607.html" target="_blank" title="0歳6カ月からの接種を推奨">0歳6カ月からの接種を推奨</a>する動きによって、乳幼児へのワクチン接種が拡大した

(2)これまで定期接種が行われていなかった北海道での、日本脳炎ワクチンの定期接種が始まった

(3)震災で製造を中断していた化血研が、復旧後から製造を再開したものの、できあがるのは来年1月

日本脳炎ワクチンの製造元は、阪大微研と化血研の2社。化血研のシェアは、かつて36.2%でした。

地元のメーカーということもあり、当院ではおもに化血研製の日本脳炎ワクチンを使っていました。

ところがその化血研製が完全に欠品となり、日本脳炎ワクチンの流通は阪大微研製だけになりました。

当院では、阪大微研製ワクチンを大慌てで薬品卸各社に発注したのですが、各社とも厳しい対応でした。

「申し訳ないですが、先生のところにはこれまで、阪大微研のワクチンを納入していなかったものですから」

つまり、納入実績が無い医療機関への新規納入は、現時点では難しいというのです。

薬品不足の際にはいつも、薬品卸はこのような態度になります。既存の顧客を優先するわけです。

そうは言っても、夏を前にして日本脳炎ワクチンの接種数がいちばん増える時期です。なんとか確保したい。

薬品卸各社に何度も何度もお願いして、少しずつ少しずつ、ワクチンを手に入れているところです。

当院かかりつけのお子さんへの接種分だけでも、と思って確保していますが、かかりつけ以外の方も来ます。

他の小児科で日本脳炎ワクチンの接種を断られた、と当院に来られる方にも、できれば接種してあげたい。

少なくとも乳児の場合には、人道的理由で、なるべく希望者全員に接種を行う方向で受け入れています。

今月はどうにかしのげました。来月も何とかなりそうですが、8月以降はかなり厳しくなると思います。

厚労省の言うようにワクチンが不足していないというのなら、余っているところから当院に回して欲しい。

秘蔵のスコッチ

ショットバーなどに(ごくまれに)行くと、壁の棚にズラッと、さまざまな色や形のボトルが並んでますね。

できれば壁がガラス張りで、向こうに夜景が見渡せるような高層ビルの店が、自宅徒歩圏内に欲しいものです。

さて、現実にはほぼ毎晩「家飲み」の私です。日頃はビール。たまにワイン。ただし庶民的な価格帯のもの。

数年前からウイスキーに目覚め、休前日には<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-583.html" target="_blank" title="スコッチ">スコッチ</a>とバーボンを交互に呑んだりしています。

最近ふと、わが家の納戸に高価なウイスキーが数本、眠っていることを思い出しました。

それらはバブル時代に、誰かからもらったか免税店で買ったような、いずれも名の知れた高級スコッチです。

以前はスコッチに興味が無く、でも高価な品なのでずっとこれまで、保管(秘蔵)し続けてきたのです。

その間に何度引っ越したことか。そのたびに、スコッチはうやうやしく梱包されて運ばれ続けてきました。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1852.html" target="_blank" title="熊本地震">熊本地震</a>のとき、その1本が床に落ちて割れ、家中にスコッチのスモーキーなフレーバーが充満したものです。

納戸の高級スコッチはどれも、いま通販で買えば当時(30年前)の2割程度の価格。まことにガッカリです。

さいわいウイスキーの良いところは、何年経っても劣化しない(はず)、ということ。

そこでこのたび、その秘蔵のスコッチを開封して飲むことにしたのです。

まず1本目。プラスチックシールを剥がしてコルク栓をねじると、見事にコルクがねじ切れてしまいました。

気を取り直して2本目。シールを剥がしてコルク栓をねじると、これまたねじ切れました。

コルクが劣化していたようです。そんなコルクは、うかつにねじってはならないことを、あとで知りました。

ねじ切れてボトルに残ったコルク栓をなんとか除去した苦労話は、また後日書くことにしましょう。

ウイスキーとは、飲まずに秘蔵するものではなく、ときどき開栓して味わってやらなければならないのですね。

小田原のドンペリ

いつも年末になってバタバタ駆け込んでいる私の「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1967.html" target="_blank" title="ふるさと納税">ふるさと納税</a>」ですが、今年は早い出足です。

先月発注したのは、毎年お世話になっている「佐賀牛」。ところがこれが、美味しいのだけど、もたれます。

上等な肉がドーンと届くものだから、つい食べ過ぎてしまう。消化機能は年々衰えてきているのに、です。

やはり旨い肉は、少しずつ有り難がって食べるのが良いのでしょう。

果物とか肉とか野菜などの、定期便コースもいいですね。

忘れた頃にひょっこりと、美味しいハムやフルーツが届いたりすると、けっこう嬉しいものです。

できれば次は、自腹では買わない(買えない)ようなマンゴーを発注してみたい。

ワインとかシャンパンも良いなと思って検索してたら、小田原市では「ドンペリ」が返礼品でした。

ドンペリって何?って人もいるかもしれませんが、シャンパンの銘柄「ドン・ペリニヨン」のことです。

バブル時代には、巷にあふれていましたが、近年、あまり口にすることがなくなりました。

でもまさか、ドンペリって小田原の特産品?、いやよく見たら、特産品はシャンパングラスのようです。

小田原の返礼品は正確には「高級シャンパングラス(ドン・ペリニヨン付き)」でした。

でもこれって、実質的には「ドン・ペリニヨン(高級シャンパングラス付き)」って意味ですよね。

農産物の特産品がなくても、上手い(えげつない)工夫をこらしている市町村があるようです。

なるべく定刻診療

厚生労働省は来月から、午後8時に庁舎を一斉消灯・施錠する取り組みを始めるそうです。

「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1364.html" target="_blank" title="強制労働省">強制労働省</a>」と揶揄されるほど、中央官庁でも断トツの残業時間で知られる厚労省が、まさかの荒行。

ただし、午後8時消灯を毎日実施できるはずはなく、月1回ですらなく、年に1回以上行う計画だと。はあ?

残業を減らして職場環境を改善したいのは、当院でも同じです。

そのために「どうやったら定刻に診療が終了できるんでしょうね」と書いたのは、ちょうど<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2029.html" target="_blank" title="2カ月前">2カ月前</a>のこと。

そこで連休中から、診療をできるだけ定刻の30分過ぎまでには終わるように、調整してみました。

具体的には、予約人数から診療終了時刻を予測して、あらかじめ、予約の受付を早めに終了したわけです。

定刻よりも前に予約受付を終了する。この当たり前のようなことを、じつは初めて私は実践しました。

それ以前は、診療がすべて終了した時点で予約受付も終了する、というスタイルだったのです。

なにしろ、夜遅くなっても診療の予約は断らない、というのが当院開院当初からの原則(ウリ)でしたから。

医者が院内にいるのに受付をお断りするなんてことは、厳密には医師の「応召義務」違反です。

しかし今後は、それもやむを得ません。応召義務よりも、過重労働の回避の方が、いまは重要なのです。

本心ではまだ心苦しいのですが、どうかご理解いただきますよう、お願い申し上げます。

リボ払いしません

今からでも<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1598.html" target="_blank" title="リボ払い">リボ払い</a>に変更できますよ、みたいなメールが、カード会社から何度も何度も届きます。

リボ払いなんてうかつにしたら、金利は付くし支払期間はどんどん長くなってしまいます。

こんな借金を巧妙に勧める悪質な勧誘は、いいかげんに法律で規制してもらいたいものです。

リボ払いに切り替える気なんて私にはサラサラ無いので、どうかそのような確認メールは今後ご遠慮願います。

このようなことは、あらかじめこちらの意向を尋ねてくれませんかね。たとえば次のように。

お客様の、今後のリボ払いについてのご意向をお尋ねします。次の中からお選びください。

□ 1.私に確認することなく、今後はつねにリボ払いにしてほしい。

□ 2.今回の支払を、リボ払いに変更します。次回以降の支払では、その都度また確認してください。

□ 3.今回の支払では、リボ払いへの変更は希望しません。次回の支払では、また確認してください。

□ 4.このカードでの支払では、今後もリボ払いはしませんので、毎回の確認メールは不要です。

□ 5.貴社との取引において、リボ払いをする気は一切ないので、しつこい勧誘はやめてくれ。

□ 6.クレジットカード全社において、リボ払いなどする気なし。各社に伝えとけ。( ← 私はコレ)

2万円の札束

加藤一二三・九段と、籠池泰典・森友学園前理事長。昨日はこの二人のおかげで、笑わせていただきました。

最多連勝記録に並んだ藤井聡太・四段よりも、テレビ的にはずっと面白いのが「ひふみん」こと加藤九段。

将棋では、藤井四段の方がもはや強いとしても、おちゃめ度では、ひふみんの方が圧倒的に上でしょう。

あちこちの報道番組などに登場し、生放送にもかまわずしゃべり続けるので、見てる方がヒヤヒヤします。

いっとき加計学園に負けていた森友学園ですが、ここに来て存在感を見せてくれたのが籠池氏でした。

昨夜は、三流手品師でも使わないようなフェイクの札束を持参して、安倍首相に返すと息巻いていました。

表と裏だけが本物(たぶん)で、残りは全部白紙という札束を、自らパラパラっとめくる大胆さには驚きます。

首相に返したいと警護の警官に差し出すも、受け取れませんと断られ、「しゃーないな」みたいに諦める。

受け取られない予定のパフォーマンスでしょうけど、もし受け取られたらどうするつもりだったのか。

素晴らしいのは、やはり藤井四段です。次も勝てば、単独最多記録を樹立します。

「デビュー戦以来の連勝記録」は、負けたらそこで途絶えます。プレッシャーはかなり大きいはず。

その藤井四段と対局する相手の棋士たちにも、たぶん大きなプレッシャーがあることでしょう。

オレが彼の連勝を止めてやる、みたいな気負いのせいで、実力者たちは次々と敗れてきたのかもしれません。

できればオレは藤井君の連勝を止めたくないな、ぐらいに力の抜けた棋士に限って、コロッと彼に勝つのです。

築地ブランド

「豊洲か築地か」。東京都の市場移転の二択議論で、小池知事がようやく出した結論は「豊洲も築地も」。

「どちら」にするかで悩むなら「どっちも」を採るなんて、まるで日本生命のCMみたいなことになりました。

その計画の実現性や資金面など、今後の問題は山ほどありますが、でもなぜか明るい解決策に思えます。

この「折衷案」は、「ウルトラC」と言われたり、「二兎を追う」と批判されたりもしています。

でも、メディアも市民も、全面的には賛同しかねるものの真っ向から反対もしにくい、実に微妙な決着ですよ。

「都議選対策」だと言われるのは当たり前。むしろ、選挙前に方針を明らかにしなければ、都民が困ります。

豊洲の土壌汚染は、科学的にはほぼ「安全」とみなされて風評レベル。あとは「安心」対策を加えるのみです。

いったん豊洲に移転し、築地を再開発して市場機能を戻すなんて、賛否あるようですが、私は面白いと思う。

「築地は守る、豊洲を活かす」で市場が2つでは過剰にも思えますが、数十年後まで考えたら正解でしょう。

やがて来る首都直下型地震の際の食料品備蓄供給基地としても役立つように設計してあれば、なおいい。

あ、そうそう。小池知事は何かというと「築地ブランド」にこだわるご様子ですが、それなら策がありますよ。

「江東区豊洲」を「江東区築地」に町名変更すればいい。そうすれば、どちらの市場も「築地」ですから。