「共謀罪」法案

「上司をぶん殴ろうと何人かで相談したって、検挙なんかしない」

菅官房長官が「共謀罪」法案の処罰対象が限定されていることに関連して、このように例えて発言しました。

まず、なんていうか、品が無い。麻生副総理の「偉そうにワンワン」発言にも、勝るとも劣らぬ品のなさです。

じゃあ訊きますが、その上司がたまたま、国会議員や大臣や、それこそ官房長官だったらどうなんでしょう。

テロなんてつもりはさらさら無く、ただ個人的にムカついた部下たちが、長官をぶん殴る相談をした場合です。

犯罪組織とは無関係な集団であっても、犯罪計画の対象が重要人物なら、共謀罪が適用されそうな気がします。

菅官房長官がぶん殴られたら国家安全保障に支障をきたすのであれば、それはテロだという拡大解釈です。

結局のところ、誰を狙えばテロなのか、たしかにその定義は曖昧で、捜査機関にゆだねられているのは問題。

しかし一方で私は、テロを防ぐためなら、捜査機関等が少々手荒なことをしても仕方ないとも思っています。

航空機テロを防ぐためなら、ハイジャックされた航空機を海上や山中で撃墜することは、やむを得ません。

映画や海外ドラマの見過ぎかもしれませんが、そのような究極の選択をすることも、国の指導者の役割です。

だから究極の選択をする前に、できることならテロは計画段階で潰したい。その考え方は理解できます。

近隣の国がきな臭くなっているいま、戦争やテロを防ぐために、国として先手を打てる対策は必要です。

与党の方々には、品の無い発言ばかり繰り返さずもっと真摯な態度で、腹を割って国民に説明をしてほしい。