割愛問題

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1915.html" target="_blank" title="断捨離">断捨離</a>の苦手な私なので、書斎を地道に片付けていると、どうしても捨てがたい物品が出てきて困ります。

長年ホコリをかぶって廃れていたモノなのに、捨てようとすると愛着がよみがえり、逆に拭き上げたりします。

ゴミ袋に入れる前にしばらく眺め、なで回しながら在りし日を偲び、泣く泣く割愛するのです。

この「割愛」という言葉は、大切なモノを手放す切ない思いを、よく表現していると思います。

当ブログでも、紙面の都合で、本当は書きたいエピソードや裏話などを割愛することが、しばしばあります。

かつて勤務していた大学を移籍した際には、異動先の大学から異動元の大学へ「割愛願い」が出されました。

「そちらの優秀な文部教官を手放して、私どもにお譲りください(割愛してください)」というお願いです。

移動元の教授会等で「割愛承認」が出て初めてその人事異動が認められるという、古くさくて面倒な規則です。

最近ではもう、そのようなシステムはなくなったとも聞きますが、わかりません。大学って、考えが古いので。

最近、一般の会話やテレビ番組等で、「割愛」を間違った意味で使う人が増えていることが問題です。

少し前のデータですが、文化庁による平成23年度「国語に関する世論調査」によると、「割愛する」とは、

(1)「惜しいものを手放す」17.6%

(2)「不必要なものを切り捨てる」65.1%

だったそうです。(1)が本来の「割愛」であり、(2)は単なる「断捨離」でしょう。

私の書斎整理はまさに、割愛の連続です。だからはかどらないのです。