将来推計人口

国立社会保障・人口問題研究所が今日、長期的な日本の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1154.html" target="_blank" title="人口">人口</a>を予測する「将来推計人口」を公表しました。

それによると2065年の人口は、2015年比3割減の8,808万人と試算されています。

これでも、近年の30代から40代の合計特殊出生率の改善を受けての「上方修正」による数値だといいます。

それにしても50年で3割減というのは、かなり急激な人口減少ですね。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1926.html" target="_blank" title="高齢化率">高齢化率</a>、すなわち65歳以上の割合は、2015年の26.6%から50年後には38.4%に激増するようです。

50年後でそれですから、100年後の総人口の推計値は、現在の半分以下の5,055万人という驚くべき数値。

もしも出生率を1.00と低く見積もった場合には、100年後の人口は現在の5分の1の、わずか2,649万人です。

さらにその場合、高齢化率はなんと50.3%。すごい未来もあったものです。

ところがもしも、出生率を2.00にすることができたなら、100年後の人口は1億1万人と推計されるそうです。

2.00というのは、日本では1974年ごろの出生率ですが、現在のフランスは、この数値を維持できています。

フランスは数十年前から、あの手この手で<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1551.html" target="_blank" title="少子化対策">少子化対策</a>に取り組み、それを成功させました。

一方で日本は数十年前から、高齢化対策にばかり目が向き、気がつくと危機的な少子化に向かっています。

2つの問題を一緒くたにして論じる「少子高齢化」という言葉が、そもそも間違ってないですか。

本当に重要な問題は少子化であり、高齢者が増えて起きているさまざまな問題は、少子化の結果に過ぎません。

「票」につながる目先の高齢化対策ばかりやってきたものだから、ひどいしっぺ返しに遭っているのです。

フランスというお手本もあるし、さっさと強力な対策を打ち出してほしい。森友なんて、どうでもいいから。

応召義務と超過勤務

「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1943.html" target="_blank" title="残業上限60時間">残業上限60時間</a>」と1月に書いた、政府の「働き方改革実行計画」が、「上限100時間」に緩められました。

おまけに医師に対しては、この規制の適用が5年間猶予されました。まったく、骨抜きというほかありません。

昨年自殺した、新潟の女性研修医は、月200時間以上の残業が4カ月続いていたそうです。

多くの勤務医は毎晩遅くまで仕事して、夜遅くに帰宅しても、呼び出されたらすぐ病院に駆けつける生活です。

患者の容態が気になるなら病院に泊まり、土日も欠かさず出勤する。そのような医師は、いくらでもいます。

だれもが過労状態です。カラダを壊すか、精神を病むか、その瀬戸際のような医者も、多いのです。

「残業100時間以上は絶対禁止」。病院長からそのような命令が出れば、どれほど楽なことか。

しかしそれをやると、病院が回りません。急変患者への対応が間に合わず、患者はひどい目に遭います。

急患手術を深夜に行った外科医が翌日は休む義務が生じたら、予定手術のキャンセルが相次ぐことでしょう。

いくら長時間労働になっても、過労気味でも、患者の求めに応じて診療に当たる義務が、医師にはあります。

「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-663.html" target="_blank" title="応召義務">応召義務</a>」という名の、いわば超法規的な規定であり、事実上、労働基準法違反を黙認するものです。

このたびの「働き方改革実行計画」も、この応召義務にはあらがえず、医者への適用が猶予されました。

日本病院会の調査では「日本の医療は労働基準法違反を前提に成り立っている」と考える病院が47%でした。

診療報酬が安いので、病院は雇用する医師数をケチり、医師一人当たりの仕事量が増えているのです。

さて、残業規制の適用が猶予される5年間の間に、いったい何が変わり、何が是正されるのでしょう。

勤務医が急に増えるのですか。医者を増やしても病院の経営が成り立つ仕組みに、急に変わるのですか。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-914.html" target="_blank" title="2025年">2025年</a>へ向けて、医療需要がどんどん増えていくというのに、勤務医を守る改革はなされるのでしょうか。

乳児ボツリヌス症

生後6カ月の赤ちゃんが、ハチミツを食べて「乳児ボツリヌス症」を発症し、死亡しました。

問題のひとつは、「乳児にハチミツを与えてはいけない」ということが、いまの日本人の常識かどうか、です。

(1)常識、(2)なんとなく、(3)聞いたことない

ボツリヌス菌の感染による症状は、菌が産生する毒素「ボツリヌス毒素」によって引き起こされます。

たいていは、食品の中で菌が増殖して多量の毒素を産生し、それを毒素ごと食べて発症する食中毒です。

学生時代には「いずし」で起きる食中毒だと習いましたが、大きな被害が出たのは「からしれんこん」です。

空気に触れないように発酵させたり、食品を真空パックすることが、ボツリヌス菌を増殖させやすいようです。

乳児では、比較的少量の菌を摂取しても、未成熟な腸管内で菌が増え、それが毒素を出して発症します。

80年代にハチミツが原因の事例が相次ぎ、「乳児にハチミツを与えてはいけない」ことが常識になりました。

おかげで90年代の乳児ボツリヌス症のほとんどが、ハチミツ以外の食品によって起きています。

それから20年以上を経て、世の中全体のハチミツに対する警戒が、緩みつつあるのかもしれません。

いまの若い親には、「乳児にハチミツを与えてはいけない」ことが、常識ではなくなりつつあるのでしょうか。

「クックパッド」で「離乳食 はちみつ」で検索したら、147件のレシピが出てくると、ネットで話題です。

実際には、1歳以上限定とする注意書きも見受けますが、それにしても、誤解を招きかねない情報です。

死亡するのは稀な疾患ですが、今回の赤ちゃんは、ハチミツを食べなければ死なずに済んだことは確かです。

この件は詳細に報じて、「乳児にハチミツを与えてはいけない」ことを、世の常識にしなければなりません。

ゴミの分別

ゴミの分別は、いつ頃からこんなに細かくなったのでしょうね。

私が子どもの頃は、ゴミと言えば、大きいか小さいかぐらいの区別しかなかったような気がしますが。

「分別」と書いて「ぶんべつ」と読むなど、都会の人が生み出した俗語かと、つい最近まで思っていました。

ゴミは、役場から配布された「ゴミ出しルール」のポスターに従って、分別して特定の曜日に出しています。

その種類は、燃やすゴミ、不燃ゴミ、資源物、粗大ゴミ、家電リサイクル法対象機器などに分かれています。

今月に入り、ついに一念発起して<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1915.html" target="_blank" title="書斎の片付け">書斎の片付け</a>を始めたところ、色んなモノが掘り出されてきたところです。

となると最初の作業は、その物品の「保存」「廃棄」「保留」の分別ということになりますね。

保存と決まれば、どこか適当な場所に再収納し、保留にした場合も結局、どこかにしまい込むことになります。

廃棄と決定したモノだけがすなわち、ゴミです。そして今度は、ゴミとしての分別作業に入るわけです。

燃やすゴミは赤い袋、不燃ゴミは黄色、資源ゴミは緑、という具合に専用のゴミ袋が決められています。

古いパソコンソフトのCD-ROMが出てきた場合、CDは赤袋、CDケースは緑袋に入れなければなりません。

ところが、一昨日出したわが家のゴミ袋(黄)が収集されずに放置されていることに、今日気付きました。

「違反ゴミ」扱いです。袋の表に記名して出すきまりなので、誰が違反したのか、すぐわかってしまいます。

あわててゴミ袋を自宅に持ち帰ってよく見ると、誰かの自動車のホイールキャップが中に入っています。

何者かが、わが家の不燃ゴミの袋に、そのホイールキャップをこっそり「混入」したようです。

町役場に問い合わせると、ホイールキャップは産廃扱いなので、家庭ゴミとしては出せないそうです。

しかし私に落ち度はないので、役場に持って行けば処理してくれるとのこと。さっそく持って行きました。

それにしても、いったい誰が混入したのでしょう。まったく無分別な人間もいたものです。

百日咳の予防

NHKが昨日のニュースで取り上げたので、このタイミングで百日咳の問題を書いておきます。

百日咳は、赤ちゃんが罹ると命の危険にさらされるほど重症になるので、ワクチンで必ず予防すべき疾患です。

生後3カ月から接種を開始できる「4種混合ワクチン」の中に、百日咳ワクチンが組み込まれています。

その「4種」とは、ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオの4つ。それぞれ重篤な疾患です。

このうち百日咳以外の患者さんには、私はこれまでに一度もお目にかかったことがありません。

一方で百日咳は、ときどき当院を受診する成人の患者さんがいます。大学生などの間で流行したりもします。

百日咳は、乳幼児期にワクチンを接種しても、その効果が長続きしないのです。

NHKの番組では最短で4年だと言ってましたが、長くみても12年ぐらいで免疫が切れると考えられています。

したがって中高生、そしてすべての成人が、百日咳に罹るリスクがあるわけです。

ただ、大人が罹ると、咳はしつこいけど熱がないので、ただの風邪だろうと思ってしまうのが問題。

そんな大人が、もしもワクチン未接種の赤ちゃんに接触したら、大変なことになります。

このような悲劇を防ぐためには、成人を含めて全員が、免疫を維持する必要があります。

「4種」のうちのジフテリアと破傷風は、11歳から12歳が行う2種混合ワクチンで、追加免疫が行われます。

ところが肝心の百日咳は、いまの制度では追加接種が行われず、免疫切れが放置された状態です。

欧米ではすでに、その対策が講じられています。日本でも、追加接種の早期導入が求められています。

ただ、4種混合ワクチンですら、きちんと接種できていない人がいます。まずは、そっちの対策からでしょう。

昼ときどきパン

1日1食が定着していたはずの私ですが、休診日にはなんとなく、昼にパンを食べることが増えました。

その場合、メロンパンとあんこ系とチーズ系と調理系を数個組み合わせて食べ過ぎるのが、私の流儀です。

いつも同じ店で買うと飽きるので、かつては近所のパン屋数軒を、順繰りに巡ったりしていました。

しかしやがて、どこで買っても変わり映えがしなくなり、どの店のパンを見ても食傷気味になるのです。

そんなとき、日頃あまり通らないような路地に、ふと新しいパン屋を見つけると、これはもう新鮮です。

けんた君もきっと、いつもと違う散歩道に新しいパン屋を見つけ、新鮮な気持ちになったのでしょう。

東京書籍の小1向け道徳教科書の題材「にちようびの さんぽみち」は、当初そのようなストーリーでした。

しかしそのようなほのぼのした物語でも、道徳の教科書となると、検定の対象となるようです。

学習指導要領に示す内容「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度を学ぶ」に照らし、扱いが不適切だと。

「我が国や郷土の文化と生活に親しみ、愛着を持つことの意義を考えさせる内容になっていない」そうです。

やむを得ず東京書籍は、「パン屋」を伝統的な和菓子を扱う「お菓子屋」に変更したわけです。

文科省は当然非難されるべきですが、それよりも私は、和菓子に食いつきました。食べ物だけに。

だって主人公は小1ですよ。散歩道でふと見つけて「あ、和菓子の店だ」なんて喜ぶでしょうか。

小1なら「あ、パン屋さんだぁ」の方がよっぽど自然でしょう。百歩譲って「ケーキ屋」でもいい。

私ぐらいの年代になれば、「おや、こんなところに和菓子の店がありましたか。ほほう」てなりますけどね。

いや、いまの私だと「あ、パン屋さんだぁ」です。

公開交通取締り

警視庁は、「公開交通取締り」と称して今月から、交通違反の取締り場所をHP上で公表しています。

そのうち「重点取締場所」には事故多発場所が設定されており、他に「速度取締実施場所」などがあります。

そんなの公開したら、その場所はみな気を付けるから誰も捕まりませんよ、と心配するには及びません。

捕まえるのが目的ではなく、あくまで事故防止のための公開取締りなのです。

違反しやすい場所、スピードを出しやすい場所で、泳がせておいて捕まえる従来の手法は、間違いです。

そのような場所では、本来は違反を未然に防ぐような形で取締るべきです。

取締りやすい(捕まえやすい)から取締るというのでは、事故防止の観点からは問題があります。

当院近くに、見通しが良いのに一旦停止が義務づけられた交差点があります。当然、取締りがよく行われます。

ドライバーは、安全のためというより、捕まるのを回避するために、その場所では必ず一旦停止します。

たまに捕まるのは、そこで取締りがよく行われることを知らない人です。運転が危険だからではありません。

そのような取締りをする暇があったら、もっと本当に危険な場所での取締りを強化してほしいものです。

今回の警視庁の公開交通取締りは、違反を検挙するよりも、事故を減らそうという、正しい考え方です。

もっとも、公開取締りで油断させといて、裏ではあちこちで「未公開取締り」が行われるに決まってます。

でもその両面作戦で、ちょうど良いと思います。

将棋とAI

将棋の第2期「電王戦」第1局では、AIの「PONANZA」が、人間の佐藤天彦名人を破りました。

羽生善治氏らを下して電王戦に出た、その佐藤氏に勝ったPONANZAは、現時点でほぼ、世界最強でしょう。

しかも、名人に勝っても成長を止める理由はなく、AIには無限の伸びシロがあることがまた、怖ろしい。

羽生氏が以前、将棋とAIの進化について対談したときのこと。

彼は「接待将棋」のことを話題にして、「接待ゴルフのような仕事は絶対なくなりませんよ」と語りました。

この対談をとりあげた記事のタイトルは、「人工知能に『接待将棋』はできない」となっていました。

まさか羽生氏の真意が、「人間はAIに勝てなくても接待将棋ができる」って情けないことじゃないですよね。

たとえAIがとんでもないレベルになったとしても、人間同士の勝負にこそ、将棋の面白さがあるはずです。

自動車という迅速な移動手段が発明されても、人は自分の足で歩き、走り、しかもその速さを競ったりします。

移動の速さで人が車と競争する意味が無いように、将棋の強さで人がAIと勝負してもしょうがないのです。

むしろAIは、そのレベルを自在に設定することができるので、人間が互角に戦える好敵手ともなり得ます。

人間と対戦しながら、そのレベルを判定して接戦や好勝負を演出することすら、AIには可能になるでしょう。

それはそれで、いいじゃないですか。少なくと、AIにとって接待将棋なんて朝飯前なのです。

オレンズネロ

ぺんてるの「オレンズネロ」という、最近話題のシャープペンを入手したので、そのレビューなど。

筆記用具のうち、診療中にいちばんよく使うのは、他の職場でも同じでしょうけど、普通のボールペンです。

職業柄、医薬品名のロゴが入った、黒単色か、3色とか4色のものを使っています。

多色のボールペンは、便利なんだけど必ずしも書き味がよくないので、あまり好みではありません。

黒色のインクだけが先に消耗してしまうのも、不経済で不愉快です。

背広の内ポケットには、ちゃんとしたボールペンも常備していますが、書き味で満足してはいません。

最高の書き味と思うのは、三菱鉛筆の「ジェットストリーム」ですね。これを超えるモノがなかなか出ません。

鉛筆を使う頻度は、私の場合は多くないのですが、一部の書類で鉛筆書きが求められます。

なので診察机の上のペン立てには、普通の鉛筆を1本置いています。

白衣のポケットにはしかし、鉛筆を差すわけにもいかず、いつかシャープペンを買おうと思っていたのでした。

ネットで見かけた「オレンズネロ」の記事が、私の琴線に触れました。どうせ買うなら話題の品でしょう。

なにしろ芯が「折れん」のです。しかも「ネロ」なのです。税込み3,240円という価格も、実に微妙な設定。

ところがAmazonで探すと、これがなんと8,700円。あろうことかプレミアが付いてる。付きまくっています。

数日後に見たら、こんどは9,000円。なんじゃそりゃ。楽天で見ても、似たような価格です。

あわてて文具店デサキに行ったら品切れ。予約注文して、3週間後にようやく入荷。本日ゲットしました。

自動芯出し機構は、シャープペンで長文を書く人には便利でしょうけど、書き心地はあまり良くないです。

芯をカバーしてるパイプがつねに紙を擦り、どうかすると紙に引っかかるんですよね。レビューこんだけ。

レタスへ変更

診察室のドアに、開院当初からずっと貼ってあるポスターのキャラクターの名前は、「シナモロール」でした。

そのサンリオのキャラクターのことを私は、この9年半の間ずっと「シナモンロール」と思っていたのです。

今朝スタッフから間違いだと指摘を受け、驚きました。思い込みというのは怖ろしいものです。

私が毎晩1株の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1948.html" target="_blank" title="ブロッコリー">ブロッコリー</a>を食べ続けているのは、それが多分体に良いことだという、一種の思い込みです。

でも、いいかげん飽きましたね、とでも言ったものなら、「飽きるの遅っ!」という、ご意見もあるでしょう。

話はすぐそれますが、最近よく耳にしますね、「早っ!」なんていう表現。芸人とかCMの影響でしょうか。

診療していると、とくに検査もなく診察がサクッと終わったら、「早っ!」なんて言う小学生がよくいます。

で、モスバーガーのサイトを見て、思いついたのです。そろそろブロッコリーをやめて、レタスにしようかと。

というわけで今年は、毎晩、レタスを1玉食べることにしました。ブロッコリーよりずっと食べやすそうです。

しかも、レタスを1年間続けたら、来年はまた別の野菜にすることに決めています。キャベツです。

キャベツは以前チャレンジしたことがありますが、1玉を全部食べるのはかなりの苦行になりそうです。

さらに、その翌年は白菜の予定です。これも以前試したことがありますが、鍋三昧の日々になることでしょう。

その次の年からも、毎年別の野菜にしていくつもりです。

タマネギ、ニンジンならなんとかなりますが、大根、カボチャの年は、かなり厳しくなりそうな気がします。