失言の撤回

今村雅弘復興相はやはり、東日本大震災に関連した発言が元で、辞任することになりました。

(1)「これはまだ東北で、あっちの方でよかった。もっと首都圏に近かったら、莫大な被害だったと思う」

(2)「東北であれだけひどい被害だったのだから、もっと首都圏に近かったら、さらに莫大だったと思う」

大臣の失言は(1)です。「よかった」がNGワード。「まだよかった」と弱めに言ってもマズイです。

しかしこれが(2)であれば、結論は同じでも、あまり問題にならなかったかもしれません。

東北の被害を教訓として、首都圏も備えなければならない、という前向きな趣旨であれば許容されるでしょう。

大臣の失敗は、聞き手の気持ちを十分に配慮して言葉を選ぶ、ということができなかったことです。

これは決して言葉尻の問題ではなく、平気でそのような発言をしてしまう、大臣の人間性の問題です。

最初の失言で性根が露呈してしまうと、発言そのものをいくら取り消したところで無意味です。

だから大臣は、「被災者を傷つける発言をしました」と、発言だけを謝罪してもだめなのです。

「被災者のことを真剣に考えてなかったので、あのような愚かな発言をしてしまいました」ぐらい言わなきゃ。

どっちみち、大臣失格ですけどね。