「一番の癌は文化学芸員。この連中を一掃しないと駄目」という地方創生担当相の発言が、炎上中です。
「学芸員の方々も観光マインドをぜひ持ってもらって観光を進める必要があるという趣旨」だったそうです。
冒頭の発言は責められるべきですが、その趣旨については、私はある程度理解できます。
しかしまあ大臣なんだから、常識的マインドをぜひ持ってほしいものです。
学芸員でも、学者でも、医者でも、そのプロフェッショナルだけに徹すれば良い、とは限りません。
何のために仕事をしているのか、ということを突き詰めたら、自分と家族と社会と未来のためだと思います。
プロに徹するのが自分勝手だとは言いませんが、そのプロも、誰かほかのプロに支えられているはず。
プロの農家が作った野菜を食べ、プロの技術者が作った車に乗っているわけですから。
他の業種や、社会全体にも貢献する意識を持って、さらに言うなら未来に続く仕事をしたいものです。
昔から「医は仁術」なんてい言いますが、いまは病院の勤務医にも経営マインドが求められます。
ある意味「医は算術」的な側面も、必要になってきたのです。経営あっての医療だからです。
とは言え、算術にばかり偏りがちな昨今、たとえば診療報酬の削減も、ほどほどにしてもらいたいものです。
医者には伸び伸びと良い仕事をさせて、国は大局的マインドを持って、社会保障政策を進めてしてほしい。
学芸員の件は、彼らを監督する官庁にこそ問題があり、大臣発言はまさにブーメランです。
専門家に良い仕事をさせて、その結果を観光につなげる工夫こそ、まさに地方創世大臣の仕事でしょう。