熊本地震はしばしば、前震の2日後に本震が起きたと言われますが、そうではありません。二晩連続です。
前震の翌日の4月15日、混乱の中をバタバタと片付けて疲れて眠り込んだら、その夜中に本震が来たのです。
いったんは元通りに片付けた家具調度や書籍などがまた、倒壊したり落下して散乱し、多くが破損しました。
次にまた、同程度以上の揺れが来るとは思っていなかったので、単純に元通りにしか片付けなかったのです。
このことから言えるのは、次の地震への備えは、地震の直後から行うべし、ということでしょうか。
一度大きな地震が起きたら次はしばらく来ない、などと思うのは迷信。一度あることは二度あるのです。
ピンチの後にはチャンスが来る、なんてのはスポーツの話。災害の場合、ピンチの後には大ピンチです。
断水であれだけ苦労したのに、院内でいま水を備蓄しているかといえば、していません。
パソコンをデスクへ固定していたのは一時的。パソコンが床に落下して3台破損したことは、もう忘れてます。
このあたりはあらためて反省し、何らかの具体的な対策を計画するべきでしょうね。
当院には入院設備はないので、夜中に起きた大地震で、急遽クリニックに駆けつける必要はありませんでした。
地震の翌朝にも、自宅に大きな被害の無かった一部の職員にだけ、出勤してもらいました。
優先順位は「自分>家族>自宅>職場」であると職員に指示できたのは、当院に入院患者がいないからです。
一方で病院の場合、「自宅・家族」と「職場・患者」との優先順位を、職員各自が判断しなければなりません。
熊本の多くの基幹病院で、被災した自宅を後にして多くのスタッフが病院に緊急出動したと聞きました。
医療従事者というのは、このようなとき使命感に燃え、底力が出るものです。