1日1食が定着していたはずの私ですが、休診日にはなんとなく、昼にパンを食べることが増えました。
その場合、メロンパンとあんこ系とチーズ系と調理系を数個組み合わせて食べ過ぎるのが、私の流儀です。
いつも同じ店で買うと飽きるので、かつては近所のパン屋数軒を、順繰りに巡ったりしていました。
しかしやがて、どこで買っても変わり映えがしなくなり、どの店のパンを見ても食傷気味になるのです。
そんなとき、日頃あまり通らないような路地に、ふと新しいパン屋を見つけると、これはもう新鮮です。
けんた君もきっと、いつもと違う散歩道に新しいパン屋を見つけ、新鮮な気持ちになったのでしょう。
東京書籍の小1向け道徳教科書の題材「にちようびの さんぽみち」は、当初そのようなストーリーでした。
しかしそのようなほのぼのした物語でも、道徳の教科書となると、検定の対象となるようです。
学習指導要領に示す内容「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度を学ぶ」に照らし、扱いが不適切だと。
「我が国や郷土の文化と生活に親しみ、愛着を持つことの意義を考えさせる内容になっていない」そうです。
やむを得ず東京書籍は、「パン屋」を伝統的な和菓子を扱う「お菓子屋」に変更したわけです。
文科省は当然非難されるべきですが、それよりも私は、和菓子に食いつきました。食べ物だけに。
だって主人公は小1ですよ。散歩道でふと見つけて「あ、和菓子の店だ」なんて喜ぶでしょうか。
小1なら「あ、パン屋さんだぁ」の方がよっぽど自然でしょう。百歩譲って「ケーキ屋」でもいい。
私ぐらいの年代になれば、「おや、こんなところに和菓子の店がありましたか。ほほう」てなりますけどね。
いや、いまの私だと「あ、パン屋さんだぁ」です。