「残念ながら、すべての字を忘れました。ひらがなさえも忘れました」
豊洲移転問題を検証する都議会百条委員会で、石原慎太郎元都知事が、衝撃の告白です。
冒頭で宣誓書を読み上げておきながらこの発言ですから、なんじゃそりゃ、なのですが、あり得る話です。
つまり石原氏は、脳梗塞の後遺症によって、文字を読めるけれども書けない、という状態だというわけです。
言葉が話せない、人が言ってる意味がわからない、字が読めない、字が書けない、それぞれ別の障害です。
「話す」「聞く」「読む」「書く」という能力の中枢が、それぞれ大脳の別の部位にあるからです。
脳梗塞の場所と範囲によっては、それら複数の機能が同時に障害されたり、一部だけだったりします。
石原氏には「書く」能力がなくても、ワープロを使って、書けないはずの文字を書くことができるようです。
重要なのは、書いたものを「読む」能力。自分が書いた文章を読み、推敲・修正しなければならないからです。
人間は、「書く」よりも「読む」能力が失われた方が、はるかにダメージが大きいように思えます。
それにしても、石原氏はどうしてこのタイミングで、自分の「障害」をカミングアウトしたんですかね。
脳梗塞後遺症という病状を前面に押し出して、喚問者が攻撃をしにくくなるのを狙ったのでしょうか。
弁護士の入れ知恵かもしれませんが、まあ、障害があることが事実なら、これは致し方ない。
ただあの場で、字が書けないことをことさらに言う必要は、なかったのでは。