C型肝炎治療薬「ハーボニー配合錠」の偽造事件が起きましたが、医薬品の流通経路って、複雑ですね。
厚労省が公表した「偽造品流通ルート」によると、今回のケースでは、9社の薬品卸が関与していたようです。
メーカーから薬局までの間に、卸が何段階も介在していること自体おかしくないですか。なんか闇がありそう。
C型肝炎が、肝がんの原因のうち約6割を占めることがわかっています。その治療法は随分進歩してきました。
かつてはインターフェロン注射が行われ、15年前から内服薬の併用が始まり、いまでは内服薬1錠だけです。
「夢の治療薬」として1年半ほど前に登場した「ハーボニー配合錠」はしかし、1錠で8万171円もします。
1日1回1錠を12週間。医療費は3割負担でも200万円以上になりますが、国から助成が出ます。
それでも、飲むときに手が滑って、床に落としてコロコロっと転がって見つからなくなったら大変な薬です。
さいわい、転がりにくい小判状の形になっています。落としても、すぐ見つけて拾って飲めるように?
薬の価格は、ひどく複雑かつ厳密なルールに基づいて国が決める、公定価格です。
製造原価や類似薬価格などさまざまな数値を、一定の規則で足したり掛けたり、こねくり回して算出されます。
計算したらひどく高額になったけど、役人は規則に縛られるので、1錠8万171円の薬価に決まったわけです。
さすがに価格が高すぎだろうと、昨年3月には、1錠5万4797円に大幅値下げされました。
これは<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1872.html" target="_blank" title="オプジーボのとき">オプジーボのとき</a>と同様の、「市場拡大再算定(特例)ルール」に基づく、薬価値下げの裏技です。
規則に縛られる役人が、なんとか規則で値下げできないかと鉛筆舐め舐め作った、屁理屈ルールです。
ハーボニーは、このルールの初適用医薬品となり、31.7%ほど値下げされました。
それにしても、超高額な錠剤であることに変わりはありません。悪い人は、偽造したくもなるでしょうね。