政府が「働き方改革」として、企業の残業時間の上限を月60時間にするといいます。「絵に描いた餅」です。
残業を減らすためには、生産性を高めるだけでなく、企業の仕事量そのものを減らす必要があるでしょう。
しかし資本主義社会において、企業が自らの生産・サービスなどの企業活動を減らすとは思えません。
病院でも同じこと。外科医や産科医の残業を減らすために、手術や分娩を制限することは、普通ありません。
それをしろと言うのなら、まず、残業時間が長いことで知られる厚労省の官僚自身が、手本を示すべきです。
考えてみると、子育てや家事をしながら働いている方(おもに女性)の、労働時間ってどうなのでしょう。
会社での残業は0時間でも、朝晩の家事・育児に、毎日数時間を要しているはず。毎月100時間は超えます。
そういうのには目をつぶって、会社だけで残業の上限を決めて「働き方改革」だとするなら、見当違いです。
逆に、帰宅すれば、風呂・ビール・メシが待っている者は、会社で少し遅くまで頑張ってもらいましょう。
1日全体の仕事量やストレスを総合的に考えなくして、会社での残業だけを云々*してもしょうがないのです。
さらに言うなら、前にも書いたように、大事なのは時間ではなく仕事の質です。
好きでやってる仕事は疲れないし、残業も楽しかったりしますが、イヤな仕事は短時間でもストレスです。
残業時間を、一律上限60時間にするのではなく、労働者個人の希望によって上限を決めてはどうでしょう。
まあその前に、中央官僚がまず、残業60時間以内を守ってみなさいって。できるはずないでしょうけど。
*云々:うんぬん(でんでんではない)