このたび<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1568.html" target="_blank" title="芥川賞">芥川賞</a>を受賞した山下澄人氏は、受賞作『しんせかい』を、iPhoneで「執筆」したそうですね。
ラノベじゃないですよ。芥川賞受賞作ですよ。しかも、寝っ転がって書いたと。・・・あり得ない。
今回の芥川賞の候補作は、『文學界』から2つ、『新潮』から3つ。こういうのって、わりと珍しいのでは。
私はその候補作のうち、古川真人氏の『縫わんばならん』(新潮11月号)を、たまたま先月読んでいました。
タイトルからもわかるように、『縫わんばならん』の舞台は九州です。九州弁だらけの小説です。
昨年、『新潮』新人賞を受賞したときの「選評」では、評価が分かれていました。
「さすがにもっと、読む側の興味を引くものが欲しい。エピソードの質を上げて欲しい(略)退屈でしんどい」
新潮新人賞選考委員の一人、中村文則氏は、このようにかなり厳しい意見を述べています。
それが芥川賞候補になったものだから、いちおう読了していた私としては、行きがかり上応援していました。
しかし、今日の選考会で受賞が決定したのは『しんせかい』でした。
前回の『<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1750.html" target="_blank" title="あひる">あひる</a>』もそうですが、私が応援した小説はどうも、受賞を逃す傾向があります。
芥川賞の選考委員も、『縫わんばならん』は「正直なところ、ちょっと退屈してしまった」と言っています。
たしかに。私は九州弁には抵抗なかったのですが、『縫わんばならん』を読むのはかなり、骨が折れました。
ちなみに5人の候補者のうち、受賞者の山下氏は最年長の50歳。けっして若くない。なのにスマホで執筆。
ならば作者の目線に近づくためにも、受賞作『しんせかい』は当然、スマホで読むべきでしょう(うそ)。