1月7日は五節句のひとつ「人日の節句」だそうで、「七草がゆ」を食べる日、ということになっています。
その「七草がゆ」の由来については、『御伽草子』の中の『七草草子』の話がよく知られています。
昔、中国のある人が、年老いた両親を元気にさせようと苦行した末に、天からのお告げを受けたという孝行話。
そのお告げの通りに、七種の草を集めてかゆを作って食べさせたら、両親はたちまち若返ったといいます。
ところがもっと古い中国の年中行事記に、「正月七日を人日と為す。七種の菜を以て羹をつくる」とあります。
羹(あつもの)というのは、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1821.html" target="_blank" title="前にも">前にも</a>書きましたが、野菜や魚肉を熱く煮た吸い物のこと。
ともかく、七草がゆはずいぶん古くから食されていたようで、例の孝行話は、あとから追加された創作ですね。
その孝行息子は、後に帝の地位を譲られます。もはや孝行話を超えて、サクセスストーリーじゃないですか。
本来、縁起物または健康食(?)だった七草がゆに、もっともらしい逸話が付加されて広まったのでしょう。
しかし今では、年末年始の乱れた食生活から胃腸を回復させるための、健康食的な位置づけに戻っています。
今晩、私もいただきました。「七草セット」はスーパーで売っています。便利。ただし作法は間違いました。
本来は、1月6日から一定の作法の下で調理を開始して、1月7日の朝に食べるようですね。
1日1食、夕食のみの私の食生活では、正式な作法で七草がゆをいただくことなど、永久に不可能です。