仕事は楽しいかね?

月末の雑用と、一部の不調なMacのHDD初期化作業などを済ませ、午後からはドラマと映画と読書など。

(1)TVドラマ『<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1939.html" target="_blank" title="A LIFE">A LIFE</a>』第3話

毎週火曜は『A LIFE』レビューの日、ですか。このドラマ、だんだんリアリティーがなくなってきましたね。

私は誤解してました。キムタクは小児外科医なのですね。しかし今日は、腹部のほかに脳も手術しましたが。

第1話で、成人の心臓難手術をやった時点で、「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1127.html" target="_blank" title="大門未知子">大門未知子</a>」ばりのスーパードクターだと気付くべきでした。

(2)映画『コンカッション』(2015)

「実話に基づく」+「主人公が医師」、ということで観てみました。ウィル・スミス主演の、社会派ドラマ。

解剖室の描写は、けっこうリアルですが、グロくはないので大丈夫。これ以上は、書きません。

でもひとつ難を言うなら、ちょっと長く感じました。その点、『<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1942.html" target="_blank" title="ハドソン川の奇跡">ハドソン川の奇跡</a>』はちょうどよかった。

(3)『仕事は楽しいかね?』 デイル・ドーテン著、野津智子訳

「さあ、どうかね」と、まずは答えたくなります。原著の長ったらしいタイトルの直訳よりも、よほど面白い。

友人がFacebookで「一気に読んじゃいました」と紹介してたので、古本を買って、一気に読んじゃいました。

自己啓発本の部類なのでしょうか。日頃あまり読まないジャンルですが、読むと元気が出ますね。

著名人の実例が、うまい具合に出てきます。勉強になります。サマセット・モームの名言が、ウケました。

「小説を書くためのルールは三つある。残念なことに、誰もそれを知らない」

MRワクチン予約数調査

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1847.html" target="_blank" title="MR(麻疹風疹混合)ワクチン">MR(麻疹風疹混合)ワクチン</a>が不足している問題については、少々切羽詰まってきました。

というのも、第2期定期接種の対象年齢である「年長さん」の接種期限が、3月に迫っているからです。

このワクチンは、麻疹や風疹の免疫をもたない1歳児への接種「第1期定期接種」が、最優先です。

なので当院も昨年秋以来、在庫ワクチンは原則として、1歳児に対してのみ、接種してきました。

ちょうどその頃(11月)保健所が、医療機関が保有するMRワクチンの「在庫調査」を行いました。

調査を行うのはかまいませんが、その後ワクチンの供給が改善したわけでもなく、在庫不足のままです。

そうこうするうちに年が明け、保健所がこんどは、MRワクチンの「予約状況の調査」を始めました。

予約数だけでなく、MRワクチンを購入している業者名まで報告しなければなりません。

医療機関ごとの必要数を調査し、薬品卸を指導して、バランス良くワクチン供給させようというのでしょうか。

どの医療機関だって、予約数を考慮して、必要なだけワクチンを購入するのです。それが、足りないのです。

昨年の国会答弁でもあったように、国は「MRワクチンに不足が生じない見込み」との一点張りです。

現場では完全に不足しているのに、厚労省の官僚の計算では、足りているはず、なのです。

行政には問題無いが、現場の流通や在庫に偏りがあるのだと、業者や医療機関に責任を押しつけているのです。

未曾有のでんでん話

安倍首相の国会答弁の揚げ足を取るつもりはありませんが、首相の「でんでん」発言について考えたことを。

「まるで我々がずっと批判に明け暮れているとの言い方は訂正してください」と蓮舫氏が詰め寄ると、

「民進党の皆さんだとは、一言も申し上げていない訳であります」と、うまく切り返した安倍首相。ところが、

「訂正でんでんというご指摘は、まったくあたりません」とダメを押したものだから、ズッコケました。

途中までは、うまい論法だなぁと感心してたのに、残念。普通に考えると「云々」の読み間違えですね。

未曾有を「みぞうゆう」と言った麻生さんを思い出します。

安倍首相が自分で原稿を書いたのではなく、なおかつ言葉の読みも知らないと、ネットで盛り上がってます。

では首相は、「云々」と書かれた原稿を見て「伝々」と見間違えたかというと、それは違うと思います。

言葉として存在しない「伝々」と見間違えたのなら、それは初めて目にする言葉なので、困惑したはずです。

あの答弁のように、よどみなく堂々と「でんでん」と読み上げることはないでしょう。

とすれば、安倍首相は「云々」を、もともと「でんでん」と読むと思い込んでいたんじゃないでしょうか。

以前からそのように誤解していたけれど、誰も間違いを正してくれず、今に至ったのではないかと思うのです。

ある学会で演者が、生理食塩水のことを「ノーマル・サリン」と、何度も繰り返し発言したことがありました。

ちょうど地下鉄サリン事件の少しあとだったので、私はその「サリン」という言葉に強い違和感を覚えました。

生理食塩水「Normal Saline」の「Saline」は、普通「セイライン」か「セイリーン」と発音します。

この演者はSalineの発音を間違って覚え、誤りに気付かず、誰にも訂正されずに、ずっと過ごしてきたのです。

まさか学会発表の場で、大勢の聴衆の前で、その覚え間違いを晒すことになるとは、不幸なことでした。

「脆弱」とか「相殺」などの言葉を間違えて発音する人に、ときどき遭遇します。

親しい人なら誤りを指摘しますが、たいてい私は、相手に気まずい思いをさせたくないので、スルーします。

しかし、スルーすることが、将来その人に大恥をかかせることになるかもしれないと、考えるべきですね。

安倍首相はこれまでの人生で何度か「でんでん」と言ったのに、周囲の誰も、違うと言わなかったのでしょう。

残業上限60時間

政府が「働き方改革」として、企業の残業時間の上限を月60時間にするといいます。「絵に描いた餅」です。

残業を減らすためには、生産性を高めるだけでなく、企業の仕事量そのものを減らす必要があるでしょう。

しかし資本主義社会において、企業が自らの生産・サービスなどの企業活動を減らすとは思えません。

病院でも同じこと。外科医や産科医の残業を減らすために、手術や分娩を制限することは、普通ありません。

それをしろと言うのなら、まず、残業時間が長いことで知られる厚労省の官僚自身が、手本を示すべきです。

考えてみると、子育てや家事をしながら働いている方(おもに女性)の、労働時間ってどうなのでしょう。

会社での残業は0時間でも、朝晩の家事・育児に、毎日数時間を要しているはず。毎月100時間は超えます。

そういうのには目をつぶって、会社だけで残業の上限を決めて「働き方改革」だとするなら、見当違いです。

逆に、帰宅すれば、風呂・ビール・メシが待っている者は、会社で少し遅くまで頑張ってもらいましょう。

1日全体の仕事量やストレスを総合的に考えなくして、会社での残業だけを云々*してもしょうがないのです。

さらに言うなら、前にも書いたように、大事なのは時間ではなく仕事の質です。

好きでやってる仕事は疲れないし、残業も楽しかったりしますが、イヤな仕事は短時間でもストレスです。

残業時間を、一律上限60時間にするのではなく、労働者個人の希望によって上限を決めてはどうでしょう。

まあその前に、中央官僚がまず、残業60時間以内を守ってみなさいって。できるはずないでしょうけど。

*云々:うんぬん(でんでんではない)

ハドソン川の奇跡

朝は雨、昼から晴れて、夕方少し降り、今はやんでます。寒冷前線の先っぽの雲が、熊本を通過したようです。

休日(休診日)の今日は、ギックリ腰を治すための養生日と決め込んで、家でのんびり過ごしました。

池上彰&佐藤優の『最強の読み方』を普通の強さで読み、Apple TVで映画『ハドソン川の奇跡』を観ました。

『ハドソン川の奇跡』は、最近観た中ではいちばん良い映画でした。ネタバレしないよう、内容は割愛します。

今日のような時間は、とても貴重です。無駄にのんびりしたくはない、心してのんびりした、という感じです。

池上氏らは、「あらゆる享楽から距離を置き、現実の問題に横たわる本質を追究」しているそうです。はぁ。

そこまでストイックにはなれませんが、時間がもったいない、という気持ちは、年々強まっています。

「時間の心理的長さは、年齢に反比例する」という「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-485.html" target="_blank" title="ジャネーの法則">ジャネーの法則</a>」は、たしかにそうだと思います。

「時間の過ぎゆく体感速度は、年齢に比例する」とも言えると、前に書きました。

とするなら、体感時間には一定の加速度を想定することができます。つまり人生は、等加速度運動なわけです。

速度をV、加速度をA、時間をt、初速度は0とすると、V=At、という式で表せます。

人生の道のり(歩んだ距離)Dはその積分値なので、D=(A x tの2乗)/2、と急激に増えることになります。

年齢とともに、人生経験量が加速度的に増していくということなのでしょうか。

いや、それだけ経験値は増えても、きっとそれを凌駕する速度で、さまざまなことを忘れているのでしょう。

その忘却速度に負けないように、また新たに、見たり、聞いたり、読んだりする毎日なのでしょうね。

同期で動悸

文書などの同期保存場所として重宝しているのが「Evernote」ですが、ときどきトラブルに見舞われます。

今日もそう。たまたまpdfファイルを150個ほどEvernoteに取り込んだら、その直後に問題が起きました。

「同期できません」との警告。ファイルが多すぎたかと反省し、取り込んだファイルをすべて、削除しました。

ところが、それでも同期できない。削除操作が逆に、また新たな同期負荷を与えたのかもしれません。

もしや、同期している他のMacにまで、この障害が波及しているのではないかと思うと、動悸がしてきます。

同期型の保存というのは、トラブった状態までもが同期されてしまいかねないのが、いちばんの心配事です。

Evernoteのサイトでサポートページを見ると、いくつか対処法が書いてあったので、片っ端から試しました。

Macを再起動し、Evernoteをアンインストールして最新版を再インストールしましたが、ダメでした。

わらにもすがる思いで、Evernoteのサイトの「ステータスブログ」を見たら、原因はサーバーと判明。

「なんかトラブったんで、必死こいて調べてますんで」みたいな言い訳が、英語で書いてありました。

そんな大事な情報なら、もっと目に付くところに表示してほしいんですけどね。

何か不具合があると、ユーザーは普通、自分の側に原因があると思って、余計なことをしてしまうのです。

おかげで私は、150個のファイルを失いました。あまり重要なファイルではなかったのが、不幸中の幸いです。

ギックリ診療

人生には、3つの坂があるといいます。「登り坂」、「下り坂」、「まさか」。

震災の時に、このようなたとえ話を聞いて、結婚披露宴でよく聞く「3つの袋」の話を思い出しました。

今朝、イスから立ち上がり(登り)、また座った(下り)その瞬間に、まさかのギックリ腰です。

しばらく激痛に悶絶し、心を静めてゆっくり立ち上がると、なお痛い。痛すぎてもう、座れない。

歩き始めるとさらに痛み、かといって止まるのも痛くて、しばらくウロウロしながら、ゆっくり減速し停止。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1303.html" target="_blank" title="前回">前回</a>のギックリ腰のときに使ったコルセットの存在を思い出し、探し出し、装着。多少いいか。

這うようにして出勤したものの、痛みのために動きが緩慢で、何をやっても時間がかかる。

膝を曲げ、尻を後ろに突き出し、腰は伸ばして、上体は前傾させ、そろそろ歩く。猿人のような体位です。

昼休みにダッシュで近所の整形外科に行き、レントゲンやら何やら検査して、処方を受け、仕事に戻りました。

いわゆるギックリ腰なのでしょうが、運動不足や加齢によるさまざまな増悪因子もありそうです。

鎮痛剤と湿布とコルセットに頼り、猿人スタイルで、なんとか夜まで診療を続けることができました。

急性期の今日は入浴しない方が良いのか、いや、風呂で腰を温めて、血流を改善した方が良いに違いない。

そう思って、敢えて熱めの風呂にじっくり入りました。どうやら、間違いではなさそうです、今のところは。

今日からしばらく、禁酒することは言うまでもありません。昨夜開栓したワインは、料理用となりました。

ドラマがマニアック

『A LIFE』。<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1932.html" target="_blank" title="先週も">先週も</a>書いたキムタク主演のTBSのドラマ。(元)心臓外科医目線のレビュー、第2弾です。

そこそこ真面目な雰囲気で始まったドラマが、今後どのように崩れていくのか気になって、第2話を観ました。

描かれた手術は3例。あとで問題になるのが、胸部大動脈瘤に対する「ステントグラフト内挿術 (TEVAR)」。

胸を大きく切る大手術ではなく、鼠径部の動脈から人工血管を挿入して、大動脈内に内張りする手術です。

それと並行して、小児の手術も行われていたのですが、これがまた「PVO解除」という難解な術式でした。

「PVO」というのは、複雑な先天性心臓病等に時々合併する、治療の難しい病変「肺静脈狭窄」のことです。

私が医者になって初めて書いた論文(症例報告)は、この「PVO解除」を行った乳児の心臓病症例でした。

一般に、心臓を停止させて手術を行う場合、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-225.html" target="_blank" title="人工心肺">人工心肺</a>による体外循環によって、全身の循環を保ちます。

ところがその全身の血液循環自体が、手術操作や視野の邪魔になる場合、完全に循環を止めることがあります。

そのままでは生きられないので、患者の体温を20度以下に下げます。これが「超低体温循環停止」です。

ドラマでは、循環停止によってPVO解除を行っていましたが、それにしては、手術室が閑散としていました。

超低体温循環停止をやるような時は、麻酔科医や臨床工学技士などが大勢取り囲んで、緊迫してるはずなのに。

患者の頭の周囲に何も無いのも変。循環停止では、脳障害を防ぐために、保冷材で頭部を冷やすのが普通です。

そんな中、PVO解除がうまくいかず、「これ以上続けたらDOTもあり得ます」という言葉が飛び出します。 

「DOT」とは “Death on Table”の略で、日本語で「台上死」、つまり手術台の上で亡くなるという意味です。

そのイヤな雰囲気の絶体絶命のとき、キムタクが助け船を出すのですが、その手術風景も異様。

拡大鏡を固定するヒモが、術衣の胸の前に垂れ下がり、まあ不潔きわまりない。これでは術後感染必発ですよ。

おまけに、奇跡的に救命できたその晩に、執刀医の女医は早々と帰宅してごちそうを作ってる! はぁ?

循環停止したこの重症例では、術後経過も厳しいはず。執刀医がそんなに早く帰宅できるとは思えません。

リアリティーが無いなと思って見ていたら、TEVARの術後患者が急変し「右鎖骨下動脈起始異常」が発覚。

どうしてそんな、マニアックなカードを切るかなあ。これじゃあ、来週も観たくなってしまいます。

Appleの極端な仕様

iPhone発売10周年ということで、今年発売されるであろうiPhone 8(?)に、期待が集まっています。

でも私は、モバイル機器ばかりじゃなく、元「本業」のMacの進化を期待しています。

たとえば新型MacBook Proが「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1857.html" target="_blank" title="Touch Bar">Touch Bar</a>」という新機軸を採用していることは、前にも書きました。

私はまだ触れたこともないので評価はできませんが、今後用途が広がれば、「化ける」かもしれません。

いや、それよりも、新型MacBook (Pro)でいうなら、物理インタフェースの簡略化がいちばん画期的です。

いまこのブログを書いている、従来型のMacBook Proには、コネクタ等の接続場所が全部で8カ所あります。

(1)電源、(2)USBx2、(3)Thunderboltx2、(4)HDMI、(5)SDカード、(6)イヤホン

これが新しいMacBook Proではどうなったかというと、イヤホンジャック以外は全部、廃止されて、

(1)USB-Cx2または4、(2)イヤホン

実にシンプルになりました。従来のUSBもHDMIも電源端子もすべて、USB-Cポートが兼ねています。

MacBook Proの薄さとシンプルさを極限まで追究したら、このような極端な仕様になったわけです。

さいわい、MacBook(Proじゃないやつ)とは異なり、USB-Cポートが複数あるのが救いです。

いずれにしても、このように大胆な、あまりにも大胆すぎる改変は、Appleにしかできない離れ業でしょう。

何しろ、圧倒的に不便です。イヤホン以外の従来のケーブルが、何一つ、そのままでは使えません。

従来の周辺機器を接続するためには、いちいち変換アダプタが必要です。にわかには納得しかねる仕様です。

でもそれがApple。利用者の不便など、おかまいなし。将来を見据えた先進性とデザインが最優先なのです。

利用者や世の中の方が、Appleに追いつけばよいという、考え方によってはかなり独善的な理念です。

恐ろしいことにAppleは、このような新機軸を、次の瞬間にはまた、平気で切り捨てたりします。

そんなAppleに、もう30年近く翻弄され続けている私ですが、また次の仕様に追いつこうとしているのです。

0歳はタミフル5割増

熊本市では、先々週(1/9〜15)の定点医療機関当たりのインフルエンザ患者報告数が、11.04人となりました。

10人を超えたので「注意報」レベルということになります。

ちなみに当院では、同時期に30人を超えるインフルエンザを新たに診断したので、「警報」レベルでした。

インフルエンザの方には、患者さんの意向にもよりますが、抗インフルエンザ薬を処方することになります。

当院では、6歳以上は原則として吸入薬「イナビル」を、6歳未満には「タミフル」を処方しています。

タミフルは、体重に比例した用量で処方します。体重1kg当たり2mgの量を、1日2回で5日間です。

たとえば20kgのお子さんだと、1回量40mgを1日2回(つまり1日量で80mg)、5日分ほど処方します。

それでは体重50kgの子どもは、1回量100mgかというと、そうではありません。

体重がいくら重くても、用量の上限は75mgです。75mgというのは、成人用1カプセルの用量なのです。

これは、体重の重い子どもが、成人よりも多い用量になるという逆転現象を回避するためです。

さて<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1891.html" target="_blank" title="先日">先日</a>、0歳児に対するタミフル投与の「公知申請」が認められたと書きました。

欧米では0歳児への投与が認められているので、そのまま日本にも流用してもよかろう、というわけです。

「そのまま流用」なので、タミフル投与量は欧米式に、体重1kg当たり3mgとなりました。従来の1.5倍です。

これによって、0歳で10kgのお子さんと、1歳で10kgのお子さんとでは、0歳の方が5割増しの用量です。

医療現場では、0歳児にそのような多量のタミフルを投与して大丈夫か、という親御さんも出てきそうです。

しかしこの用量設定は「公知申請」によるものなので、欧米式の投与量をそのまま流用するしかないのです。

日本で治験をしていない以上、0歳児に対する日本独自の用量設定はできないのです。

でも実際の処方医は(私も含めて)、そこらへんを「さじ加減」するでしょうね、きっと。