新生児や乳児(0歳児)に対して、インフルエンザ治療薬「タミフル」の投与が認められることになりました。
厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」による決定です。
日本感染症学会などからの要望による、タミフルの薬事承認の「公知申請」が適当とされたものです。
薬事承認はまだですが検討会議による事前評価が終了したので、タミフルは0歳児へも保険適用となりました。
「公知申請」を簡単に言うなら、欧米ですでに認められている薬を、ほぼそのまま日本でも認める制度です。
医薬品を承認するための無駄な年月を省き、いわゆる「ドラッグ・ラグ」を軽減・解消するのが目的です。
米国では、生後2週以上の乳児に対して、タミフルの投与が4年前に承認されました。
英国・ドイツ・フランスでは、新生児(早産児を除く)にも、タミフルの有効性が昨年から認められています。
これらの欧米先進国が乳児へのタミフル投与を認めているので、日本でも認めよう、というわけです。
欧米諸国が承認したのも、比較的最近のことだというのが、注目点です。
乳児にタミフルを使うのは、インフルエンザに続発しやすい肺炎などの合併症を予防するためです。
というよりも、本来タミフルのような抗インフルエンザ薬は、乳幼児や高齢者にこそ投与すべき薬なのです。
一方で、体力のある世代に対しては、全員に一律タミフルを処方するのは、そろそろやめるべきでしょう。